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「メタボ=肥満」は大間違い!
問題は腹囲、
内臓脂肪の危険性を知る
2026/02/12 05:00
日経速報ニュース
【この記事の内容】
『高齢者の内臓脂肪は“体重管理”では防げない理由とは?』
はじめに
内臓脂肪は、お腹の奥にたまる脂肪のことです。
見た目では分かりにくいため、「そんなに太っていないから大丈夫」と思われがちです。
しかし実際には、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気の引き金になる、非常に注意すべき存在です。
介護の現場では、「問題が起きてから対応するのではなく、起きる前に防ぐ」という予防の考え方を大切にします。
転倒予防がその代表例です。転んで骨折してからリハビリを始めるのではなく、転ばない身体づくりや環境整備を先に行います。
同じように、内臓脂肪も“倒れる前のリスク”として捉える必要があります。
本記事では、体重ではなく「腹囲」と「生活習慣」に注目しながら、高齢者の内臓脂肪の危険性とその対策を、介護者・本人・家族・地域という4つの視点から分かりやすく整理します。
高齢者の内臓脂肪がなぜ危険なのか
結論から言えば、内臓脂肪は血管を静かに傷つけ、要介護状態へとつながるリスクを高めるため危険です。
内臓脂肪が増えると、血糖値や血圧を上げる物質が体内で多く作られます。
その結果、動脈硬化が進み、脳卒中や心臓の病気が起こりやすくなります。
動脈硬化とは、血管が硬くなり詰まりやすくなる状態のことです。
これが進むと、突然倒れるリスクが高まります。
ここで重要なのは、「体重が重いこと」と「内臓脂肪が多いこと」は同じではないという点です。
肥満はBMIという身長と体重から計算する指標で判断されますが、メタボリックシンドロームは腹囲が基準になります。
つまり、見た目がそれほど太っていなくても、お腹の奥に脂肪がたまっていれば危険なのです。
これは企業経営に例えると分かりやすくなります。
会社の売上高(体重)だけを見ても、内部の負債(内臓脂肪)が膨らんでいれば経営は不安定になります。
大切なのは表面の数字ではなく、内部構造なのです。
高齢者の健康も同じで、体重よりも腹囲という“内部の指標”に目を向ける必要があります。
高齢者が内臓脂肪をためやすい背景
高齢者が内臓脂肪をためやすい最大の理由は、筋肉量の低下です。
加齢とともに筋肉は自然に減少します。これをサルコペニアといいます。
筋肉が減ると基礎代謝、つまり何もしなくても消費するエネルギー量が減ります。
その結果、若い頃と同じ食事量でも脂肪が蓄積しやすくなります。さらに心理的な背景もあります。
「若い頃はこれくらい食べても問題なかった」という成功体験や、「体重は増えていないから大丈夫」という思い込みです。
退職後に活動量が減ることも影響します。
食事量は変わらないのに運動量だけが減れば、内臓脂肪は自然と増えていきます。
これは、事業規模が縮小しているのに固定費を減らさない会社と似ています。
収入(活動量)が減っているのに支出(摂取カロリー)が変わらなければ、内部の負担は確実に増えていきます。
介護者視点:現場で起きていること
介護現場では、体重が減っているのに血糖値が悪化している高齢者が少なくありません。
これは極端な食事制限によって筋肉が落ちてしまうことが原因の一つです。
筋肉は血液中の糖を処理する役割を持っています。
筋肉が減ると血糖値が上がりやすくなります。
結果として、体重は減っても健康状態は悪化するという矛盾が起きます。
ここで介護者が持つべき視点は、「減量は目的ではなく手段である」ということです。
目的は内臓脂肪を減らし、血管を守ることです。
そのためには筋肉を維持することが欠かせません。
具体的には、無理な食事制限ではなく、たんぱく質をしっかり摂りながら軽い筋力トレーニングを継続することが重要です。
椅子からの立ち座り運動や、毎日の散歩でも十分効果があります。
高齢者本人の葛藤
高齢者は、健診で数値を指摘されると「体重を減らさなければ」と考えがちです。
しかし、その焦りが過度な食事制限につながることがあります。
「食べなければ改善する」という発想は分かりやすいですが、実際には筋肉を失い、将来的にフレイル、つまり虚弱状態を招くリスクがあります。
介護者の役割は、単に注意することではなく、「なぜ筋肉を守る必要があるのか」を丁寧に説明することです。
数字の背景を理解してもらうことで、過度な我慢ではなく、持続可能な生活改善へと導くことができます。
家族と地域の役割
家族は食事や生活習慣に大きな影響を与えます。
しかし、過度に管理しようとすると反発が生まれます。
大切なのは監視ではなく伴走です。
一緒に散歩をする、一緒に食事内容を見直す、その積み重ねが効果を生みます。
また、地域の体操教室や通いの場は、孤立を防ぎながら運動習慣を作る貴重な機会です。
内臓脂肪対策は個人の努力だけでなく、社会全体で支える予防活動でもあります。
結論
介護者として何を実践するか高齢者の内臓脂肪対策は、単なるダイエット支援ではありません。
体重の数字を追いかけるのではなく、腹囲と筋肉量に目を向けることが重要です。
小さな運動を継続すること、無理な制限をしないこと、家族や地域と連携すること。
この積み重ねが、将来の要介護リスクを下げます。
介護とは、今日の安心だけでなく、数年後の自立を守る仕事です。
内臓脂肪という“見えないリスク”に早く気づき、静かに対策を積み重ねることこそが、これからの介護の質を高める鍵になるのです。



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