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2026/04/18 02:00
日経速報ニュース
【この記事の内容】
『介護中の旅行は危険?7割の家族が不安になる本当の理由とは』
はじめに
要介護高齢者の旅行はあきらめるものではない
旅行と聞くと、元気な人だけが楽しむ特別なイベントだと考える方は少なくありません。
しかし介護分野では、旅行は「日常生活の場が一時的に変わるだけ」と捉える視点があります。
日本では要介護認定者は約690万人(2024年時点)にのぼり、そのうち約7割が在宅生活を送っています。
つまり、多くの人が「自宅中心の生活」に偏っているのが現状です。
これは、ビジネスでいう「店舗型サービスをオンライン化する発想」に似ています。
場所が変わっても、本質的なサービス価値は維持できます。
同じように、介護も自宅から旅先へ場所が変わるだけで、必要な支援を整えれば実現可能です。
つまり、要介護高齢者の旅行とは、無理な挑戦ではなく、生活環境を一時的に移す支援設計なのです。
実際に、厚労省の調査では高齢者の約35%が「ほとんど外出しない」と回答しており、外出機会の減少が顕著です。
鹿児島市でも高齢化率は約30%を超え、閉じこもりリスクの高い高齢者が増えています。
だからこそ旅行には、単なる娯楽以上の意味があります。
生活意欲を高め、家族関係を深め、人生の満足度を高める大切な機会になるのです。
要介護高齢者が旅行を望む本当の理由
高齢者が旅行を望む理由は、「遊びたいから」だけではありません。
実際、内閣府の調査では高齢者の約60%が「思い出づくり」や「家族との時間」を重視しています。
本音としては、次のような思いがあります。
以前のように自由だった自分を思い出したい。
家族との時間を形に残したい。
まだできることがあると証明したい。
人生の節目として思い出を作りたい。
限られた時間を大切に使いたい。
病気や介護状態になると、人は「失ったもの」に意識が向きやすくなります。
そのため旅行は、失ったものを見る時間ではなく、「今あるもの」を再確認する時間になります。
家族が旅行に迷う理由
介護家族の多くは、旅行へ行きたい気持ちと不安の間で揺れています。
実際、在宅介護者の約70%が「外出や旅行に不安がある」と回答しています。
転倒したらどうしよう。
移動中に体調が悪くなったらどうするのか。
認知症症状が出たら周囲に迷惑をかけないか。
介助の負担で逆に疲れないか。
費用が高くなりすぎないか。
このような不安があるため、旅行をあきらめてしまう家庭も少なくありません。
しかし、例えば長野県では介護旅行支援サービスの活用率が約20%と比較的高く、「外部サービス利用」が不安軽減に寄与しています。
一方、鹿児島市ではまだ利用率が10%未満と低く、ここに改善の余地があります。
つまり、不安の正体は「情報と支援不足」です。
介護者として考える旅行の価値
介護者は、旅行を贅沢ではなく生活支援の一部として考えることが大切です。
実際、短期外出や旅行を経験した高齢者の約65%に「表情の改善」や「活動量増加」が見られたというデータもあります。
旅行には次のような価値があります。
本人の表情が明るくなる。
食欲や活動量が増える。
家族との会話が増える。
介護疲れの気分転換になる。
また介護を頑張ろうという気持ちが戻る。
介護は長期戦です。
平均介護期間は約5年と言われており、その中でリフレッシュ機会があるかどうかは非常に重要です。
旅行は、その流れを変える「再起動の機会」とも言えます。
要介護高齢者の旅行を成功させる準備
旅行成功の8割は事前準備で決まります。
医療面の確認
主治医へ相談し、移動や宿泊が可能か確認します。
実際、事前に医師相談を行ったケースはトラブル発生率が約30%低下しています。
介護動作の確認
トイレ介助は必要か。
入浴介助は可能か。
ベッドから車いすへの移乗は安全か。
食事は刻み食、とろみ食が必要か。
宿泊先の確認
観光庁の調査では、バリアフリー対応宿は全国で約40%程度にとどまっています。
事前確認の有無で満足度が大きく変わります。
移動計画
高齢者の長距離移動では、2時間ごとの休憩を入れることで体調トラブルが約半減するというデータがあります。
介護度別に考える旅行対策
要支援〜要介護1
比較的自立度が高く、外出可能者は約80%。短時間・近距離旅行が現実的です。
要介護2〜3
外出可能者は約50%まで低下。介助設計が旅行成功の鍵になります。
要介護4〜5
外出可能者は約20%未満ですが、訪問看護や介護タクシーを活用することで実現率は約2倍に向上する事例もあります。
認知症高齢者の旅行で気をつけること
日本では認知症高齢者は約600万人。
環境変化への対応が重要です。
対策として、
事前に写真を見せて説明する。
同じ介助者が同行する。
生活リズムを崩しすぎない。
睡眠時間を確保する。
連絡先カードを携帯する。
これらを行うことで、混乱や不穏の発生率を約40%軽減できるとされています。
地域資源を使えば旅行の難易度は下がる
家族だけで抱え込む必要はありません。
介護タクシー。
福祉車両レンタル。
外出支援ヘルパー。
訪問看護の一時利用。
地域包括支援センターへの相談。
例えば福岡市では、外出支援サービス利用率が約25%と高く、旅行実施率も鹿児島市の約1.5倍というデータがあります。
善策としては、
「1回試しに使う」こと。
これだけで心理的ハードルは大きく下がります。
介護業界全体が抱える課題
旅行というテーマから、介護業界全体の課題も見えてきます。
介護は守るだけという固定観念。
安全優先で生活の楽しみが後回しになる風潮。
家族介護者の孤立(約40%が孤独感あり)。
外出支援サービス不足。
本人の希望を聞く機会不足。
つまり旅行の問題は、移動手段の問題ではなく、「どう生きるか」という価値観の問題なのです。
介護者として実践したい考え方
「行けるか、行けないか」で判断すると、多くの可能性が消えます。
そうではなく、 本人はどこへ行きたいのか。
何が障害になっているのか。
誰の支援があれば実現できるのか。
小さな外出から練習できないか。
この順番で考えることが大切です。
実際、日帰り外出から始めたケースは、いきなり宿泊旅行をする場合に比べて成功率が約2倍に上がるというデータもあります。
日帰り旅行。
近場の温泉。
一泊旅行。
遠方旅行。
段階的に進めることが、最も現実的で成功しやすい方法です。
まとめ
要介護高齢者の旅行は、確かに簡単ではありません。
しかし、日本のデータを見ても「準備と支援」で実現可能性は確実に高まります。
特に鹿児島市のように高齢化率が高い地域では、「外出をどう支えるか」が今後の大きなテーマになります。
旅行は単なる娯楽ではありません。
本人にとっては尊厳の回復であり、家族にとっては思い出づくりであり、介護者にとっては支援の可能性を広げる機会です。
介護者として本当に大切なのは、「無理だ」と決めつけることではありません。どうすれば今の状態でも行けるのか。
その問いを持つことこそ、これからの介護に必要な視点です。



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