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日立など、茨城県日立市で
健康データの集約・分析と
健康アプリを活用したAI分析実証の
結果に基づき新たな健康施策を推進
2026/05/25 13:36
日経速報ニュース
【この記事の内容】
『歩数が半減したら要介護リスク2倍…健康アプリ時代に見落とされる異変とは』
はじめに
これまで健康管理は、病院で診察を受けた時だけ行うものでした。
しかし現在は、スマートフォンや健康アプリによって、日々の歩数、睡眠、血圧、食事、服薬状況などを日常生活の中で継続的に確認できる時代へ変化しています。
実際、日本のスマートフォン普及率は約85%、60代でも約70%、70代でも約50%まで上昇しています。
一方で健康アプリの継続利用率は約30%前後にとどまり、「使えるが続かない」という現実があります。
つまり健康アプリとは、単なる便利なスマホ機能ではありません。
高齢者の身体変化や生活変化を早期に把握し、介護・医療・家族・地域をつなぐ「新しい見守りインフラ」としての役割を持ち始めているのです。
これはビジネスにおける「見える化経営」の考え方にも似ています。
企業では、売上や在庫、顧客動向をデータ化することで、問題が大きくなる前に改善策を打ちます。
介護も同じです。
例えば、1日の平均歩数が6,000歩から3,000歩へ半減した場合、フレイルリスクは約1.5〜2倍に上がるとされています。
高齢者の歩数低下、睡眠悪化、食欲低下、外出減少などを早期に把握できれば、重症化や孤立を防げる可能性があります。
一方で、介護現場では新たな課題も増えています。
「高齢者がスマホを使えない」
「AIを信用できない」
「通知が多くて疲れる」
「個人情報が不安」
「家族との情報共有が難しい」
このように、技術だけでは問題は解決しません。
むしろ今後は、「デジタル技術」と「人による支援」をどう両立させるかが重要になります。
本記事では、介護者視点、高齢者視点、家族視点、地域視点から、高齢者と健康アプリの課題と対応を分かりやすく考察していきます。
なぜ今「高齢者×健康アプリ」が重要なのか
結論から言えば、日本社会が「治療中心」から「予防中心」へ大きく変化しているからです。
日本の医療費は年間約45兆円、そのうち約6割が65歳以上です。
さらに要介護認定者は約690万人に達しています。
鹿児島県は高齢化率が約32%と全国平均(約29%)より高く、鹿児島市でも約28%と、すでに3人に1人が高齢者に近い状況です。
さらに独居高齢者は全国で約700万人、鹿児島市でも高齢者世帯のうち約3割が単独世帯とされ、日常の変化に気づきにくい環境が広がっています。
例えば、以前より外出回数が減った、歩く速度が遅くなった、睡眠時間が6時間未満に落ちたといった変化は、フレイルや認知症、うつ状態の初期サインである可能性があります。
しかし、家族が離れて暮らしている場合、こうした変化を把握するのは簡単ではありません。
そこで注目されているのが健康アプリです。
例えば神奈川県や埼玉県では、数万人規模の健康データ分析が進み、1日平均歩数が5,000歩未満の高齢者は要介護リスクが約1.8倍になるという傾向が確認されています。
つまり今後の介護では、「問題が起きてから対応する」のではなく、「問題が起きる前に兆候を察知する」という視点が重要になるのです。
これは介護業界における大きな転換点と言えます。
高齢者が健康アプリを使えない本当の理由
介護現場では、「高齢者はスマホが苦手だから健康アプリは難しい」と言われることがあります。
しかし実際には、単純な操作能力だけの問題ではありません。
例えば総務省の調査では、70代の約6割が「スマホ操作に不安あり」と回答していますが、その一方で「教えてもらえば使える」と答えた人は約7割います。
本当の問題は、「不安」です。
「間違えて壊したらどうしよう」
「個人情報が漏れそうで怖い」
「AIが何をしているのか分からない」
「若い人向けに感じる」
「失敗した姿を見られたくない」
つまり、「できない」のではなく、「怖くて触れない」のです。
善策としては、
「1回で全部教えない」
「通知は1日1回に絞る」
「最初は歩数だけに限定する」
など、成功体験を段階的に作ることが重要です。
鹿児島市の一部地域サロンでは、週1回のスマホ教室導入により、アプリ継続率が約30%から60%に改善した事例もあります。
健康アプリが高齢者を追い詰める危険性
健康アプリは便利な反面、使い方を間違えると高齢者を精神的に追い込む可能性があります。
例えば、通知を1日5回以上受ける高齢者は、ストレス自覚率が約1.4倍になるというデータもあります。
「今日は歩数が少ないです」
「血圧が高いです」
「運動不足です」
こうした通知が毎日届くと、「監視されている」と感じることがあります。
善策としては、
通知頻度を週2〜3回に調整する、
「未達成」ではなく「前日比+500歩」などのポジティブ表示に変える、
家族も「指摘」ではなく「共感」を基本にすることが重要です。
介護で重要なのは、「管理」ではなく「伴走」です。
介護者視点で見る健康アプリの課題
健康アプリを導入すれば、介護負担が自動的に減るわけではありません。
実際、介護職の約4割が「データ確認が業務負担になっている」と回答しています。
例えば、1人あたり1日5分の確認でも、利用者30人で150分(2.5時間)になります。
つまり、「データが増えること」と「現場が楽になること」は別問題なのです。
ここで重要になるのが、「全部を見る」のではなく、「変化を見る」という視点です。
例えば、
歩数が1週間で30%以上減少
外出回数が週5回→2回へ減少
血圧が平均130→150へ上昇
といった「差分」に注目することが重要です。
さらに善策として、
AIアラートを「変化検知型」に限定する、
職員間で確認担当を分担する、
家族と週1回まとめて共有する、
といった運用設計が効果的です。
家族視点で考える健康アプリの役割
健康アプリは、離れて暮らす家族にとって大きな安心材料になる可能性があります。
実際、見守りサービス利用世帯の約70%が「安心感が向上した」と回答しています。
特に独居高齢者の場合、
「最近外出しているか」
「睡眠は取れているか」
「歩行量が急に減っていないか」
などを把握できることは大きな意味があります。
しかし、「見守り」と「監視」を混同すると関係性は悪化します。
善策としては、
週1回の雑談連絡にデータを添える、
数値より「最近どう?」を優先する、
ポジティブな変化だけ共有する、
といった関わり方が有効です。
地域視点で見る健康アプリの可能性
今後の日本では、「個人の健康」が「地域全体の課題」になっていきます。
例えば、和歌山県や長野県では、地域全体で平均歩数を1日1,000歩増やす取り組みにより、医療費が年間数億円規模で抑制されたと報告されています。
一方、鹿児島市では高齢者の平均歩数は約4,500歩前後とされ、全国平均(約5,500歩)より低い傾向があります。
これは裏を返せば、改善余地が大きいということです。
善策としては、
地域単位で「歩数ランキング」ではなく「継続率」を評価する、
サロン・通いの場とアプリを連動させる、
月1回の健康フィードバック会を実施する、
といった「人とデータの融合」が鍵になります。
つまり健康アプリは、「個人ツール」から「地域インフラ」へ変化しているのです。
AI時代でも介護の本質は変わらない
今後、AIによる疾病予測はさらに進み、転倒リスク予測の精度は約80%以上に達している分野もあります。
しかし、
孤独感
不安
表情変化
家族関係
といった要素は数値化が難しい領域です。
だからこそ今後は、「AIを使える人材」ではなく、「AIを使いながら人を理解できる人材」が求められます。
善策としては、
データ確認後に必ず一言声かけする、
異常値より生活背景を優先する、
アプリを会話のきっかけに使う、
といった実践が重要になります。
まとめ
高齢者と健康アプリを考える上で最も重要なのは、「アプリ導入」そのものではありません。
健康アプリは、歩数や血圧を管理するだけの道具ではなく、孤立防止や予防介護を支えるインフラになり得ます。
一方で、日本では高齢者の約半数がデジタルに不安を感じており、鹿児島のような高齢化が進む地域では、その課題はより顕在化します。
だからこそ、
「データで気づき、人で支える」
この両立が不可欠です。
AI時代になっても、最後に高齢者を支えるのは、人の安心感とつながりなのです。



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