高齢寿命の関連記事
早大など、高齢者の「やせ」は寿命が短く「肥満」は障害生存期間が長い事を証明
2024/11/18
日本経済新聞より
【さこしんの所見】
『若い時はダイエット、高齢になったら適度に肥満が長生きの秘訣?』
#高齢者の最適な体格とは?
#やっぱり筋肉量?
介護者として考える高齢寿命と肥満の関係
高齢者の健康を守るためには、体格がどのような役割を果たすのかが重要です。
近年の研究では、高齢者において「肥満」が必ずしも悪い結果を招くわけではなく、むしろ適度な体重を維持することが健康寿命を延ばす可能性があることが示唆されています。
今回は、介護者として高齢者の体格をどのように評価し、どのような対策を講じるべきかを考えます。
高齢者にとって「やせ」は危険?
「肥満」の影響とは「やせ」と「肥満」の違い
高齢者の体格に関する研究では、体重やBMI(体格指数)が健康に与える影響が注目されています。
特に「やせ」と「肥満」による健康リスクには以下のような特徴があります。
やせ(BMI 18.5未満): 高齢者がやせると、筋肉量の減少や免疫機能の低下が進み、病気にかかりやすくなります。
また、骨折や転倒のリスクも高くなります。
肥満(BMI 30以上): 肥満の人でも、筋肉量や脂肪の分布が適切であれば、病気や感染症に対して強い免疫を保てる場合があります。
また、体脂肪が一定量あることで体温の維持やエネルギー供給が安定し、体力が維持されやすいです。
高齢者のBMIと健康リスクの関係
研究により、高齢者の健康寿命とBMIには以下の関係があることがわかっています。
やせすぎ(BMI 18.5未満): 死亡リスクが高まる。特に栄養不足による体力低下や免疫力の低下が影響します。
標準体重(BMI 18.5〜24.9): 最も死亡リスクが低いとされています。
軽度肥満(BMI 25〜29.9): 寿命が長くなる可能性があるが、生活習慣病のリスクも高まるため、注意が必要です。
高度肥満(BMI 30以上): 心血管疾患や糖尿病などのリスクが高まるが、筋肉量が適切であれば健康寿命が延びる可能性もあります。
早大などの研究調査
早稲田大学をはじめとする研究機関の調査によると、高齢者の「やせ」が寿命を縮め、「肥満」がむしろ障害生存期間を長くすることが示されています。
特に、食事の摂取量が減少し栄養が不足すると、体力が低下し、生活機能に影響を与えることが多いです。
このため、高齢者においては適度な体重を維持することが重要だといえます。
【関連サイト】
高齢者の健康寿命延伸に最適な体格は? – 早稲田大学 研究活動
https://www.waseda.jp/inst/research/news/79024
介護者として高齢者が最適な体格を維持するために出来ること
介護者として、高齢者が健康で長生きできるようにサポートするためには、以下の点に注意を払うことが大切です。
1. フレイルの早期発見と介入
「フレイル」とは、加齢に伴い体力や筋力、心理的な機能が衰える状態を指します。
フレイルが進行すると、日常生活の中でさまざまな問題が起きます。
フレイルの早期発見には以下の方法が有効です。
定期的な体重測定
食事摂取状況の確認
身体機能テスト(歩行速度、立ち上がりテストなど)
フレイルを防ぐためには、適度な運動とバランスの取れた食事が重要です。
2. 食事と栄養管理
高齢者にとって栄養管理は非常に重要です。特に筋肉量を維持するために十分なタンパク質を摂取することが必要です。
また、ビタミンDやカルシウムをしっかり摂取することで骨の健康も保てます。介護者として以下の点に気をつけましょう。
高タンパクな食事を提供(魚、肉、大豆製品など)
カロリー不足を防ぐため、食事量や回数を調整
十分な水分補給
3. 運動の推奨
高齢者が健康を維持するためには、運動が欠かせません。
特に筋力トレーニングや有酸素運動は体力を維持し、フレイルの予防に効果的です。
以下の運動を取り入れることが推奨されます。
筋力トレーニング(軽いダンベルやゴムバンドを使用)
歩行や水中運動バランス運動(転倒予防)
4. 定期的な健康チェックと医療介入
高齢者の体調は日々変動します。
定期的に医師の診察を受け、健康状態をチェックすることが大切です。
特に生活習慣病や認知症は早期に発見し、適切な治療を行うことが健康寿命を延ばす鍵となります。
結論
高齢者の健康寿命を延ばすためには、体格に対する適切な評価と管理が必要です。
「やせ」を防ぎ、適度な体重を維持することが健康寿命を延ばすためのポイントです。
介護者はフレイルの早期発見、栄養管理、運動の推奨などさまざまな方法で高齢者の健康をサポートし、充実した高齢期を過ごしてもらうために取り組む必要があります。
コメント