ストレス関連の記事
勤労者が悩む「めまい」
社会全体でストレス減らす
横浜市立みなと赤十字病院
めまい平衡神経科部長
新井基洋さん
2024/11/25 05:00
日経速報ニュース
【さこしんの所見】
『それは突然やってくるメニエール病！対策出来てる？』
#めまいと吐き気
#悪化すると動けなくなる
#メニエール病
はじめに
現代社会では、ストレスを感じることが多く、特に働いている人々にその影響が見られます。
その結果、健康に深刻な影響が出て、特に「めまい」を訴える人が増加しています。
この問題は、高齢者や介護者にとって特に大きな悩みであり、めまいが何らかの病気のサインであるかもしれません。
今回は、めまいの原因となる病気の一つである「メニエール病」について説明し、その対策やストレス軽減に向けた社会全体の取り組みを考えてみましょう。
めまいの原因とその影響
「めまい」と一口に言っても、その原因は多岐にわたります。
高齢やストレス、生活習慣が関与する中で、特に注意が必要なのが「メニエール病」です。
この病気は、内耳の内リンパ液が異常に蓄積されることによって引き起こされ、めまいや耳鳴り、聴力の低下を起こします。
メニエール病とは？
メニエール病は、内耳に内リンパ液が過剰にたまることから発症します。
この液の蓄積が耳の機能に悪影響を及ぼし、めまいや耳鳴りを引き起こします。
原因としては、ストレスや加齢が挙げられます。
メニエール病が引き起こす影響
メニエール病の発作は通常、数分から数時間にわたって強いめまいを引き起こし、その間は動くことができなくなる場合もあります。
こうした発作を繰り返すと、患者の日常生活に支障をきたし、特に働く人々には大きな影響を及ぼします。
就業への影響
メニエール病の発作が起こると、患者の約89%がその発作の間、働けなくなります。
また、長期間この病気を抱える患者の約50%も、発作時に就労困難な状態になります。
これによって職業生活に支障が生じ、結果的に生活の質が低下することになります。
頻度と影響の程度
メニエール病の患者が1ヶ月に1回以上の発作を経験する割合は、発症から1年で75%、10年以上経つと約40%に達します。
このため、長期間にわたり発作が続く可能性があり、就業に与える影響は非常に大きいといえます。
ストレスとメニエール病の関連
メニエール病の発症において、ストレスが重要な要素の一つとして挙げられます。
精神的な負担や仕事のプレッシャーが蓄積することで、内耳に悪影響を及ぼし、病気を悪化させる可能性があります。
したがって、ストレスを管理し、軽減することが重要です。
ストレス軽減のためにできること
1. 仕事環境の改善
ストレスが多い職場では、休憩やリフレッシュの時間が十分に取れないことが問題です。
企業は従業員のストレスを軽減するために、柔軟な勤務時間を導入したり、定期的な休憩を推進したり、コミュニケーションを活発化させることが求められます。
2. 心身のリラクゼーション
ストレス軽減に効果的な方法として、ヨガや瞑想、呼吸法を日常生活に取り入れることがあります。
また、ウォーキングや軽い運動もストレス解消に役立ちます。
3. 社会的支援の強化
職場や家庭での支援を強化することも重要です。
周囲の人々が理解し、困難を共同で乗り越えることで、ストレスを軽減する助けになります。
高齢者や介護者におけるめまい対策
高齢者や介護者にとって、めまいは日常生活に重い影響を及ぼします。
加齢による内耳の機能低下や、ストレス、生活習慣病にも注意が必要です。
高齢者のための予防策
1. 定期的な健康チェック
高齢者は、定期的に健康診断を受けることで、早期にメニエール病を発見し、対策を講じることができます。
特に耳や聴力に関する問題がないかをチェックすることが大切です。
2. ストレス管理のサポート
介護者に対しても、ストレスを軽減するための支援が求められます。
介護の負担を軽減すべく、専門的なサポートを利用したり、家族の助けを得ることが大切です。
3. 生活習慣の改善
高齢者の健康維持には、食事や睡眠などの生活習慣が重要です。
特に塩分の摂取や水分補給に注意を払うことが、めまいの予防につながります。
社会全体でできるストレス軽減
社会全体でストレスを軽減することは、めまいを防ぐ上で非常に重要です。
企業や政府が協力して、ストレスの少ない環境を整えることが求められます。
社会的取り組み
1. 労働環境の改善
過剰な労働を減らし、働きやすい環境を整えることが不可欠です。
また、メンタルヘルスへの配慮を強化し、精神的なサポートを充実させることも効果的です。
2. 公共のリソースの提供
ストレス軽減のためのリソースを公共機関が提供することも有効です。
カウンセリングサービスやストレスマネジメントのワークショップを、無料または低料金で提供することが、社会全体のストレス軽減につながります。
3. 地域社会のサポート
地域社会での支援ネットワークを強化することで、高齢者や介護者が孤立しないように手助けし、ストレスを軽減できます。
まとめ
メニエール病を含むめまいの原因には、ストレスや加齢が大きくかかわっています。
特に勤務者や高齢者、介護者は、めまいのリスクが高いので、社会全体でストレスを減らす取り組みが必要です。
企業や社会が積極的に支援し、温かな環境を整えることで、めまいの予防につながります。
私たち一人ひとりが、健康な生活を送るために何ができるかを意識して行動することが重要です。
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