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障害児育てる親に「18歳の壁」
途切れる支援が就業阻む
-デンシバSpotlight
2024/12/22 05:00
日経速報ニュース
【さこしんの所見】
「障がいがあろうと支援が途切れやすい18歳の壁!介護者家族の重要な課題」
はじめに
介護しながら障がいを持つ子どもを育てる世帯への「18歳の壁」
障がいを持つ子どもを育てる親にとって、育児と仕事の両立は大きな課題です。
その中でも、「18歳の壁」と呼ばれる問題は特に重要です。
これは、障がい児が学校を卒業した後に支援が途切れ、保護者が仕事を続けることが難しくなる現象を指します。
この壁を乗り越えるためには、育児・介護支援策の強化が不可欠です。
この記事では、この問題に関する現状や、介護者、家族、地域が直面している課題とその対応策を考察します。
「18歳の壁」とは?
障がい児を育てる保護者の現状「18歳の壁」とは、障がいを持つ子どもが学校を卒業した後、利用できる福祉サービスが大幅に減少する問題です。
多くの障がい児は、学校教育期間中に「放課後等デイサービス」という支援を受けています。
これは、学校の放課後に子どもの療育や生活支援を行うものですが、卒業後は利用できなくなる場合が多いです。
成人向けの支援サービス(生活介護や就労支援事業所)に切り替える必要がありますが、これらのサービスは通常午後4時に終了します。
そのため、保護者がフルタイムで働くことが難しくなり、子どもを一人で留守番させることができない場合、保護者は早退を余儀なくされ、最終的には退職することが多いのです。
「18歳の壁」を乗り越えるための企業と政府の取り組み
近年、介護と仕事の両立を支援するために企業や政府も積極的に取り組み始めています。
2025年に施行される改正育児・介護休業法では、障がい児や医療的ケア児を育てる親に対して、企業がその意向を聴取し、配慮することが義務付けられます。
これにより、企業もより一層支援策を講じる必要があります。
18歳の壁の背後にある「老障介護」の問題
「18歳の壁」の問題は、単なる育児支援にとどまらず、将来的な「老障介護」問題へとつながります。
障がいを持つ子どもを育ててきた親は、年齢を重ねるにつれて体力的な限界や健康面での不安を抱えます。
福祉サービスが途切れた後、保護者がその介護の負担を一手に引き受けることになり、最終的に「老障介護」として問題が深刻化するのです。
現在、障がい児を育てる家庭では、仕事を辞めて生活するケースも多く見受けられますが、これは長期的に見ると厳しい状況を招きます。
働ける間に働きながら、将来的に経済的支えが必要となるため、労働と福祉の両立が整わない限り、生活の安定は難しいと言えます。
介護者視点
支援策の不足とその影響
介護者の立場から見ると、障がい児を育てる親は、日々の生活や仕事の両立に大きなストレスを感じています。
福祉サービスの支援が学校卒業後に途切れ、就業継続が困難になると、経済的負担や精神的な疲弊が積み重なります。
また、地域によって支援の充実度に差があり、支援が整っている地域に住む家庭は救われる一方で、不十分な支援に悩む家庭も多いのです。
地域視点
福祉サービスの充実と地域支援の必要性
地域社会における福祉サービスの充実が重要です。
例えば、障がい児の放課後等デイサービスのような支援を、18歳以降も利用できるよう延長したり、夕方以降も利用可能なサービスが提供されたりするシステムが必要です。
これにより、保護者が就業を続けやすくなり、生活の安定が図られます。
また、地域内での情報共有や相談窓口の設置が重要であり、障がい児を育てる家族が孤立しないよう、地域全体で支え合う意識を高めることが求められています。
結論
『老障介護』の課題とその対応
「18歳の壁」を乗り越えるためには、企業、政府、地域社会が一体となって支援策を強化していくことが求められます。
特に、障がいを持つ子どもを育てる家庭が直面する「老障介護」の問題に取り組むことが重要です。
適切な支援が継続的に提供されるような仕組みを整えることで、保護者が安心して働き、生活を支えることが可能となります。
これには、福祉サービスの充実と働きやすい環境の整備が不可欠です。
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