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「無縁遺体」急増、
行政の葬祭支出は10年間で1.5倍に
-日経グローカル
2024/12/29 05:00
日経速報ニュース
【さこしんの所見】
「誰も身寄りのない高齢者が増加中!介護者として出来ることを考える」
はじめに
少子高齢化が進む日本では、無縁遺体が急増しており、特に無縁遺体の問題が深刻化しています。
身寄りのない高齢者が増えることで、無縁死社会の問題も表面化しています。
行政の葬祭支出が増加している中で、介護者としてどのように対応すべきか、また、社会全体でどのような取り組みが必要なのかを考えていく必要があります。
無縁遺体の急増とその背景
無縁遺体とは?
無縁遺体とは、死亡した人に遺族や引き取り手がいない遺体のことを指します。
身元がわかっている場合でも、葬儀を行う遺族がいない場合や、身元が不明な場合もあります。
このような遺体は、最終的には自治体が火葬し、その後埋葬されます。
無縁遺体の急増とその要因無縁遺体が増えている主な要因は、以下の通りです。
少子高齢化: 高齢者人口が増え、親族や子どもがいない高齢者が増加しています。
人間関係の希薄化: 近年、家族間の絆が薄れ、社会的孤立が進んでいます。
そのため、親族に頼ることができず、最期を迎える高齢者が増えています。
経済的な困難: 高齢者が生活保護を受けている場合、葬儀費用を支払うことができず、無縁遺体になるケースが増加しています。
行政の葬祭支出の増加支出が1.5倍に増加
無縁遺体に対する行政の支出は、過去10年間で急増しています。
特に生活保護法に基づく葬祭扶助の支出が増加し、2022年度の支出額は116億円に達しました。10年前と比較すると、支出額は1.5倍になり、無縁遺体の増加とともに行政の負担も大きくなっています。
地域別の支出状況
東京都では最も多く、9026件の葬祭扶助が支給されています。
大阪市や横浜市などでも支出が多く、自治体ごとに対応の差が見られます。
これらの支出は行政の負担となり、今後さらに増加する可能性があるため、自治体の対応がますます重要となっています。
介護者としてできること
無縁遺体問題は、介護者としても無視できない課題です。
高齢者が無縁遺体として扱われないように、地域社会や行政と協力して予防策を講じることが求められます。
介護者としての対応策
1. 孤立高齢者の発見: 地域での見守り活動を強化し、孤立している高齢者を早期に発見することが大切です。
地域包括支援センターや民生委員と連携を深めることが重要です。
2. 高齢者の生活支援: 経済的に困難な高齢者に対して、生活保護の支援を提供し、葬儀費用を確保するための支援が必要です。
3. 葬儀支援の強化: 高齢者が亡くなった際、遺族がいない場合の葬儀支援体制を整備することが求められます。
自治体の葬祭扶助制度を活用し、必要な支援を行うことが重要です。
地域としての対応策
地域社会全体で無縁遺体の問題に取り組むことが大切です。
地域住民が高齢者を見守る活動や、地域でのコミュニケーションを促進することが効果的です。
これにより、孤独死を防ぐことができます。
無縁遺体に対する社会全体の対応
無縁遺体問題は、行政だけでなく、社会全体で取り組むべき課題です。
身寄りのない高齢者が増加し続ける中で、無縁遺体の取り扱いに関するルールを整備し、行政と地域社会が協力して対応していく必要があります。
自治体の取り組み
現在、多くの自治体では無縁遺体に対するルールが未整備で、対応に困っているのが現状です。
自治体によっては、親族調査が行われなかったり、遺体の保管が不十分な場合もあります。
これに対し、全国的なガイドラインやマニュアルの整備が求められます。
国の新たなルール整備
国は、無縁遺体に関する統一的なルールを整備し、自治体への指導を強化する必要があります。
また、高齢者が孤立しないよう、地域社会における支援体制を確立することが急務です。
まとめ
無縁遺体問題は、単なる行政の負担にとどまらず、高齢者の孤立や社会全体のつながりの希薄化に関連する深刻な問題です。
介護者としては、高齢者の孤立を防ぐための支援を強化し、無縁遺体の増加を食い止めるために地域社会との連携が必要です。
また、自治体や国が一丸となり、新たなルールを整備し、無縁遺体に対する適切な対応を進めることが求められます。
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