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冬の脱水症状、
とろみ飲料で対策
口の体操でむせ防止
シニアサポーター
2025/01/29 05:00
日経速報ニュース

【さこしんの所見】
「冬に脱水症状を見逃すな!高齢者が命の危険にさらされる前に対応を!」
はじめに
冬の脱水症状と高齢者の水分補給対策
冬の寒さが続く時期、特に高齢者にとっては意識的に水分を摂取することがとても重要です。
乾燥した空気や暖房の使用が増える冬は、脱水症状を引き起こしやすく、特に高齢者はその影響を受けやすいです。
高齢者介護の現場では、こうした問題に直面した事例があると思います。
今回は、冬の脱水症状を予防するための具体的な対策として、「とろみ飲料」の活用や「口の体操」によるむせ予防の方法を紹介します。

冬における脱水症状と高齢者のリスク
冬は気温が低く湿度が低いことから、脱水症状が進行しやすくなります。
特に高齢者は若年層に比べて体内の水分量が少なく、また喉の渇きを感じにくくなるため、意識的に水分を摂取しないと脱水症状に陥りやすいのです。
冬の特徴的な環境としては、以下のような点が挙げられます。
・高齢者の体内の水分は、成人に比べて約10%少ない。
・喉の渇きを感じる感覚が鈍くなっており、自発的に水分を摂取することが難しくなる。
・乾燥した空気や暖房の使用で、体内の水分が失われやすくなる。
脱水が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な健康問題に繋がるリスクが高まるため、冬こそ意識的な水分補給が必要です。

高齢者が水分補給に苦しむ理由
高齢者が水分補給を意識的に行わない背景には、いくつかの要因が存在します。
具体的な課題として、以下の点が挙げられます。
喉の渇きを感じにくい
高齢者は喉の渇きを感じにくく、結果として水分摂取が疎かになりがちです。
飲み込みの不安
嚥下(えんげ)機能の低下により、大量の水分を飲み込むことが不安になり、十分な水分補給ができないことがあります。
飲み物の選択肢が限られている
例えば、飲み物を飲み続けるのが億劫になったり、風味に飽きてしまったりすることで、水分摂取が避けられることがあります。
このような課題を解決するためには、介護者が具体的な対策を講じることが不可欠です。

とろみ飲料を活用する
とろみ飲料は、飲み込みが不安な高齢者向けに開発された製品です。
飲み物にとろみをつけることで、喉を通りやすくし、むせるリスクを減らすことができます。
とろみ飲料のメリットは以下の通りです。
飲みやすさ
とろみがついていることで、飲み物が喉をゆっくりと通りやすく、誤嚥を防ぐ効果があります。
手軽に利用できる
すでにとろみがつけられているため、介護施設や家庭での手間が省け、使い勝手が良いです。
風味を維持
伊藤園などの大手メーカーが提供しているとろみ飲料は、風味が保たれ、飲みやすさを損なうことなく喉ごしが良いように調整されています。
これにより、従来の飲み物にとろみを加える手間や、風味の変化による不満を解消し、摂取がしやすくなります。

口の体操でむせ予防
高齢者の口腔機能が低下すると、飲み物や食べ物をうまく飲み込むことができず、むせたり誤嚥したりするリスクが高まります。
口腔体操を取り入れることで、飲み込み機能を改善し、むせを予防することができます。
具体的な体操としては、次のような方法があります。
口を大きく開けて閉じる
口を大きく開けて10秒間閉じる動作を10回繰り返し、舌や喉の筋肉を鍛えます。
舌の動きのトレーニング
舌を上下に動かしたり、前後に動かしたりして、飲み込み機能を向上させます。
これらの体操を食事前に行うことで、唾液の分泌が促進され、飲み込みやすくなり、むせるリスクを低減できます。

食事からも水分補給を
高齢者が効率よく水分補給を行うためには、飲み物だけでなく、食事からも水分を摂取することが大切です。
特に食事量が少なくなりがちな高齢者には、以下の方法で水分補給をサポートすることが有効です。
刻み食やムース食
食事を細かく刻んだり、ペースト状にしたりすることで、食べやすくなり、水分をより多く摂取できます。
水分を多く含む食材
焼き魚や煮物など、水分を多く含む食材を積極的に摂ることで、食事からの水分補給が可能になります。

結論
冬場の脱水症状を予防するためには、高齢者が意識的に水分を摂取できる環境を整えることが必要です。
とろみ飲料や口腔体操を取り入れることで、高齢者の水分補給をサポートし、健康を守ることができます。
介護者として、これらの対策を実践することで、高齢者が安心して水分を摂取できるようにしましょう。
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