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寒さで死亡、年1000人超
高齢者・低所得層リスク高く
くらしの数字考
2025/02/01 05:00
日経速報ニュース

【さこしんの所見】
「寒さを我慢して命を落とす?冬の低温死亡者数が増加している恐ろしい事実を今こそ学ぶ」
はじめに
冬の寒さによる健康への影響は、熱中症ほど注目されることは少ないですが、実際には毎年1000人以上の命が低温で奪われています。
特に高齢者や低所得者層にとって、この問題は深刻で、暖房が不十分な環境や体力が低下した状態が大きなリスク要因となります。
この記事では、冬の寒さがどのように命を脅かすのか、またそれを防ぐためにどのような対策が取れるのかを詳しく考えます。

冬の寒さと健康リスク低温による死亡の現状
過去10年間で、低温による死亡者数は年々増加しており、2016年以降は毎年1000人を超えています。
2023年には1354人が低温により命を落としました。
特に驚くべきは、熱中症による死者数と比べても低温死者数が多かった年もあることです。
低温による死亡は屋外だけでなく、家庭内でも多く発生しています。
実際、2023年の低温による死者のうち、601人が自宅で亡くなったと報告されています。
高齢者や低所得層が直面するリスク
冬の寒さは特に高齢者にとって命に関わる問題です。
高齢者は体温調整が難しく、寒さに対して脆弱です。
また、低栄養や基礎疾患を抱えていることが多く、これが低体温症を引き起こす原因となります。
さらに、暖房が効かない家や断熱が不十分な家に住む低所得者層は、寒さにさらされることで生命の危険に直面しやすくなります。

介護者視点からの寒さ対策
介護者としての寒さ対策
私が従事している高齢者介護の分野では、寒さが引き起こす健康リスクに対する認識が重要です。
施設や自宅で過ごす高齢者が寒さによって体温を失い、低体温症を発症するリスクがあります。
そのため、介護者としては、室温を管理し、暖かい環境を整えることが不可欠です。
室温の管理
室内の温度は最低でも18度以上を維持しましょう。
寝室や脱衣所、廊下など身体を動かしにくい場所でも温度を確保することが大切です。
温かい部屋で過ごすことで、体温を安定させることができます。
寒さ対策のグッズ
こたつや電気毛布などの暖房器具は、安全に使用することが重要です。
また、温かい服装や手足を温めるアイテムも効果的です。
定期的な体調チェック
寒い季節には、高齢者の体調が急激に悪化することがあります。
こまめに体調をチェックし、異常を早期に発見することが大切です。

低所得者層への支援と住宅環境の改善
住環境の改善が必要
低温による死亡リスクは特に低所得者層で顕著です。
住宅の断熱が不十分で暖房が効きにくい家に住むと、寒さが直接的な健康リスクとなります。
居間や寝室が寒い家庭では、血圧の上下が激しく、心臓や血管に負担をかけ、転倒事故のリスクも増します。
断熱対策の強化
政府や自治体の補助金を活用して、住宅の断熱性を向上させましょう。
窓に断熱材を取り付ける、カーテンを工夫する、ドアの隙間を塞ぐなど、簡単にできる対策が効果的です。
暖房支援の強化
低所得者層が暖房を使用できるように、暖房費の補助やエネルギー効率の良い暖房器具の提供が必要です。
また、地域の福祉サービスを通じて、寒さ対策を支援する取り組みを強化することが求められます。
高齢者と家族の意識改革
高齢者自身も寒さ対策に気を配ることが重要ですが、家族や介護者の協力が不可欠です。
寒さを「我慢する」ことが命取りとなる可能性があることを理解し、暖かい環境を提供する必要があります。
また、高齢者は寒さに対して敏感であるため、定期的な声掛けや、温かい食事・飲み物を提供することも重要です。

まとめ
冬の寒さが高齢者や低所得者層に与える影響は非常に深刻であり、低体温症による死亡者数は年々増加しています。
介護者としては、室温を適切に管理し、寒さ対策を強化することが必要です。
また、低所得者層の住宅環境を改善し、家族や介護者の意識改革を行うことも非常に重要です。
寒さが続く中で、無理に我慢せず、命を守るために暖かく過ごせる環境を整えることが最も大切です。
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