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認知症だからできる仕事
社会に関わり「世の中動かす」
認知症でもあきらめない
2025/03/11 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
「認知症の方々が働くことで見えてきた5つのリスクとは?認知症でも働ける驚きのメリットと現実のギャップは役割とやりがい!」
はじめに
介護者視点で考える認知症の方が働くメリット
日々介護福祉分野に従事しながら、認知症を患う高齢者が働くことのメリットを考えることがあります。
認知症の方々が働くことは、生計を立てるためだけでなく、社会的役割を持つことで心身に良い影響を与えることがわかっています。
メリット① 孤独感の軽減
認知症の方々は、社会から取り残されているように感じることがあります。
特に家庭や施設にいると孤独感が強まりがちですが、働くことで「自分はまだ社会の一員である」という実感を得ることができます。
この実感が、生きる力となるのです。
例えば、通所介護施設「asahi横浜中西部」では、認知症の方々がホットドッグや焼きそばを調理して販売する活動を通じて、充実感や達成感を得ています。
メリット② 得意分野を活かせる
認知症の方々には、一見してできないことが多いと感じられるかもしれません。
しかし、得意分野を活かすことで、大きな力を発揮できます。
例えば、ある方は包丁を使うのが得意で、別の方は炒め物が得意です。
施設では、こうした得意分野を活かし、分業体制を整えて仕事を任せています。
認知症の方々が自分の得意分野を活かすことで、社会での存在感を感じることができます。
メリット③ 自信とやりがい
働くことにより、認知症の方々は「ありがとう」と言われる機会が増えます。
これが自信ややりがいに繋がり、精神的にも安定します。
実際に、「世話になっている夫にプレゼントを買いたい」といった前向きな言葉が聞かれています。
これにより、仕事に対するモチベーションが高まり、精神的な安定感が生まれます。

介護者として理解すべき認知症の方が働くリスク
もちろん、認知症の方々が働く際にはリスクも伴います。
そのため、介護者や施設運営者は、リスクを見極めて適切なサポートを提供することが求められます。
例えば、調理作業では、食中毒を防ぐために職員が常にサポートを行っています。
リスクを完全に排除することは難しいですが、「リスクばかり気にしていては何もできない」と施設は考えています。
また、認知症の症状によっては、仕事が遅れることや物忘れが発生する可能性があります。
こうした症状を予測し、介護者は「どのようにサポートすればよいか」を考え、リスクを最小限に抑える方法を探ることが重要です。

家族視点と地域視点での課題と対応
家族視点
家族は、認知症の愛する人が働くことに対して、心配や不安を抱くことが多いです。
しかし、認知症の方々が働くことには、家族にも大きなメリットがあります。
たとえば、家族が介護の負担を軽減でき、本人が社会とのつながりを持つことができるため、精神的負担が軽くなります。
地域視点
地域社会にとっても、認知症の方々が働くことには大きな意義があります。
福岡市が開設した「認知症フレンドリーセンター」では、認知症の方々が情報発信や受付業務に積極的に参加しています。
これにより、地域住民も認知症について学び、理解が深まります。
認知症の方々が地域活動に参加することで、社会全体の認識が変わり、支援的でフレンドリーな社会が実現します。

まとめ
認知症の理解と社会との関わりが大切
認知症の方々が働くことには、彼ら自身の心身に良い影響を与え、社会における役割を感じる大きなメリットがあります。
しかし、認知症に対する理解とサポートが不可欠です。
介護者や家族は、リスクを見極め、得意分野を活かす環境を整え、認知症の方々が安心して働けるように配慮する必要があります。
社会全体としても、認知症の方々が働ける場を提供し、彼らが活躍できる環境を作ることが大切です。
認知症の方々が社会と積極的に関わることで、「世の中を動かす」力を発揮できるのです。
私たち一人ひとりが認知症に対する理解を深め、支え合うことが、より良い社会の実現に繋がります。
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