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介護職員の月給4.3%増、
24年33.8万円に報酬上げで
2025/03/18 17:53
日経速報ニュース

【この記事の内容】
「給与4.3%アップでも足りない?介護職員が感じる「本当の」問題…介護報酬引き上げも現場では不安…給与増加の影に潜む問題を考察する」
はじめに
介護職員の給与改善の背景とその影響
介護福祉分野では、「介護職員の待遇改善」が進んでいることを実感しています。
特に、介護報酬の改定や賃金引き上げのニュースを耳にするたびに、現場での働きがいや評価が少しずつ前進していると感じます。
ですが、介護職員の月給増加という報道を目にすると、その背景にある課題や現場でどれだけその効果が反映されているのかについて、再度考えさせられることがあります。
2024年に発表された介護職員の月給4.3%増加というニュースは、介護報酬引き上げなどの一連の政策が効果を発揮していることを示しています。
厚生労働省が実施した介護報酬改定により、全体で1.59%の引き上げが行われ、介護職員の賃金も一定の改善が見られました。
しかし、依然として介護職員の月給は他産業平均に比べて低い水準にあり、業界内での人手不足や人材確保の課題は解消されていません。
そこで今回は、介護職員の月給増加とそれがもたらす働きがいの向上に対する影響を考察します。

介護報酬改定の内容とその効果
2024年9月時点で、介護職員の月給は33万8200円となり、前年比で4.3%増加しました。
この増加には、基本給、諸手当、賞与が含まれています。
具体的には、基本給は前年比4.6%増の25万3810円、諸手当は8330円増加して9万7980円、賞与は1390円増加し4万7560円となっています。
介護報酬改定の具体的な内容
厚生労働省は、介護報酬を1.59%引き上げるとともに、賃上げ加算を取得しやすくするために手続きを簡素化しました。
この加算を取得する事業所は95.5%に達し、報酬改定が現場にしっかりと反映されていることが確認されています。
ただし、介護職員の月給は全産業平均の38.6万円に対して、30.3万円という低い水準に留まっており、依然として介護業界の給与は他業界に比べて差があります。

介護職員の働きがいと課題
給与の増加が報じられる中で、介護職員の働きがいにどれほどの影響を与えているのでしょうか。
給与や報酬の改善は確かに職員の働きがいに直結する重要な要素ですが、給与増加だけでは解決しきれない課題も多く残っています。
高齢者視点
高齢者にとって、介護職員が働きやすく安定した生活を送ることができる環境は、最終的に自分自身の介護サービスの質向上に繋がります。
しかし、待遇改善がどれほど進んでも、それが高齢者に直接的な恩恵をもたらすまでには時間がかかるかもしれません。
職員の負担が軽減されることにより、より質の高いケアが提供されることが重要です。
介護職員視点
介護職員としては、給与の増加は歓迎すべき改善です。
しかし、給与の増加がすぐに仕事の負担軽減に繋がるわけではなく、依然として高齢者の数の増加や人手不足などの課題が現場に影響を与えています。
そのため、待遇改善に加えて、業務効率化やケアの質向上に向けたさらなる支援が必要です。
家族視点
介護を受ける高齢者の家族にとって、介護職員が安心して働ける環境は非常に重要です。
職員が安定した給与を得ることでケアの質が向上し、家族としてもより安心して任せられるでしょう。
しかし、給与の増加だけでなく、職場環境やスタッフ間の連携が改善されることが、より大きな安心感を提供します。
地域視点
地域社会においても、介護職員の待遇改善は重要な課題です。
地域の高齢者人口が増加する中、介護施設の職員不足は深刻な問題となっています。
待遇の改善により、地域内での介護人材確保がしやすくなり、地域全体で高齢者を支える体制が強化されることが期待されます。

まとめ
介護職員の月給4.3%増というニュースは、介護報酬改定の一環としての進展を示しています。
しかし、この増加だけでは解決しきれない課題が多く残っています。
給与の改善が介護職員の働きがいや高齢者ケアの質向上に繋がることは確かですが、同時に業務負担の軽減、人手不足の解消、職場環境の改善など、更なる取り組みが必要です。
介護報酬の引き上げを含む改革が進むことは前向きな進展ですが、それがどれほど現場に反映されているのか、そしてより良い介護環境を実現するためには、今後どのような取り組みが必要なのかが重要なポイントとなります。
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