口内環境が悪化する前に!要介護リスクを減らすための方法

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口内環境整え要介護リスク減

AIやアプリ開発も進む

シニアサポーター

2025/03/26 05:00

日経速報ニュース

口内環境整え要介護リスク減 AIやアプリ開発も進む - 日本経済新聞
60代の女性です。最近、食べ物をかむのがつらくなりました。家族や友人との電話では、聞き返されることも多くなりました。老化は足からと言われますが、口周りの衰えも原因の一つと聞きました。口の健康状態の改善にはどのように取り組めばよいでしょうか。...

【この記事の内容】

認知症を悪化させる口腔ケア不足!知らなかった事実!口腔ケアができていないと要介護確実!

はじめに

介護福祉分野に従事している私の立場から、認知症高齢者の口腔ケアについて日々感じることがあります。

口腔機能の衰えが認知症の進行や要介護状態を加速させるという事実を知り、「口内環境を整えること」がいかに重要かを実感しています。

高齢者において、食事や会話が困難になることが多く、これが身体全体に悪影響を及ぼします。

口腔の問題は単なる口内の不調ではなく、認知症や身体機能の低下と深く関係しているため、予防と改善の取り組みが急務です。

本記事では、シニアの口内環境改善に向けた取り組みと、それを支える最新技術やアプローチについて考察します。

口内環境が要介護リスクに与える影響

口腔機能の衰えが要介護リスクを高める

認知症や高齢者介護の現場で、口腔機能の低下が要介護状態を引き起こすことが分かっています。

日本老年歯科医学会の平野浩彦理事長は、「咀嚼力(かむ力)の低下が、食べることの制限を引き起こし、栄養不足、体力・筋力の低下につながり、最終的に要介護状態になる可能性が高い」と警告しています。

特に「オーラルフレイル」(口の虚弱性)と呼ばれる状態が注目されています。

これは、歯の喪失や噛む力、飲み込む力、滑舌の低下などが重なることで、口腔機能の低下が全身の健康に悪影響を与えるリスクを増大させます。

オーラルフレイルの進行とその影響口内機能が低下すると、食べ物を上手に飲み込むことができなくなり、むせやすくなります。

その結果、栄養摂取が不十分になり、筋力や体力の低下が進み、認知症の症状が悪化することがあります。

また、口腔環境が悪化することで口臭が強まり、コミュニケーションに支障をきたし、認知症患者の心理的負担となり、生活の質の低下を引き起こします。

口腔ケアの改善とその効果改善方法とその実績

口腔機能の低下に対しては、適切な改善策を講じることで健康状態を回復させることが可能です。

特に重要なのは、咀嚼力を意識的に高めることです。

固い食べ物を摂取することで、口周りの筋肉を鍛え、飲み込む力を向上させることができます。

また、唾液分泌を促すマッサージや、「パタカラ運動」などの発音練習が効果的です。

これらの運動は、口内筋肉を鍛えるだけでなく、全身の健康にも良い影響を与えることが確認されています。

高齢者でもできる改善活動

実際に神奈川県平塚市では、住民参加型の口腔ケア改善活動が盛んに行われています。

市民は定期的に滑舌や筋肉量、握力を測定し、口内環境を保つための運動を実施しています。

このような取り組みは、高齢者自身の意識を高め、予防活動として大きな成果を上げています。

私が勤務する施設でも、入居者の方々が「パタカラ運動」を積極的に取り入れるようになり、会話がしやすくなったという声が増えてきています。

こうした小さな取り組みが、大きな改善につながることを実感しています。

AIやアプリを活用した新たな取り組み

AI技術とアプリで口腔ケアをサポート

企業や自治体でも、口腔ケアを強化するための取り組みが進んでいます。

例えば、ロッテは咀嚼力を測定するアプリを開発しました。このアプリは、ユーザーがガムを噛むことで、咀嚼力を数値化し、健康状態をチェックできる仕組みです。

これにより、高齢者が自宅で手軽に口腔機能を管理でき、介護者の負担軽減にも貢献します。

さらに、パナソニックはAIを利用して歯周病リスクを判定するツールを開発しています。

口腔内カメラで撮影した歯の画像をAIが解析し、歯周病のリスクを即座に判定します。

この技術の普及により、早期発見や予防が進み、高齢者の健康管理がさらに強化されることが期待されます。

介護者としての視点

認知症高齢者の口腔ケアの重要性

介護者として、認知症高齢者の口腔ケアには特別な配慮が求められます。

認知症が進行すると、食事が不規則になり、口内ケアが疎かになることが多くなります。

家族や介護施設のスタッフが積極的に関与し、定期的な口腔ケアを行うことが非常に重要です。

介護者としての具体的なアクション

定期的な口腔ケア

歯磨きや口腔内の清掃を怠らず、口内の衛生状態を保つことが大切です。

栄養管理

食べやすい柔らかい食品を提供し、咀嚼や飲み込みが楽にできるよう配慮します。

運動の支援

パタカラ運動や唾液を促すマッサージを実施し、口腔内の筋肉を鍛えます。

これらの取り組みが認知症の進行を遅らせ、介護が必要な状態を防ぐ助けになると考えています。

まとめ

認知症高齢者の口腔ケアは、介護者にとって非常に重要な課題です。

口腔機能の衰えが認知症の進行や要介護状態を悪化させるため、早期の予防と改善が求められます。

最新技術やアプリ、地域活動など、さまざまな支援が進んでいる中で、介護者として積極的に口腔ケアに取り組むことが、高齢者の生活の質を向上させるための鍵となります。

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