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民間の介護施設、10年で2倍
特養の開設規制強化に対応
2025/03/27 12:15
日経速報ニュース

【この記事の内容】
「介護職の人手不足はもう限界!? 25万人不足が示す現実」
はじめに
介護業界に携わる中で「介護の質を守りながら、どう人材不足を解決するか」という問題に直面しています。
特に、民間の介護施設が急増している現状を踏まえ、質の維持と人材不足の解消をどのように進めていくべきかを考えることが求められています。

介護業界の現状と課題
厚生労働省の予測によると、2026年度には介護人材が25万人不足し、2040年度にはその数が57万人に達するとされています。
介護業界ではこの人材不足を解消することが急務です。
さらに、質の高い介護を提供し続けるための方策を見つけることが課題です。
民間の介護施設の急増
民間が運営する高齢者向けの施設、特に住宅型有料老人ホームが急増しています。
2023年度には1万2061カ所に達し、10年間で施設数が2倍に増加しました。
この増加は、高齢者の住まいの選択肢を広げるためには重要ですが、一方で過剰なサービス提供や費用の問題が指摘されています。
背景
少子高齢化や都市部での核家族化が進んでおり、特に独居高齢者にとっては、介護が必要になる前から施設に入居する動きが増加しています。
これが民間施設の増加を後押ししています。
特養の開設規制強化
一方、特別養護老人ホーム(特養)の新設は規制が強化されており、特養の数は増加が鈍化しています。
特養は自治体の管理下にあり、入所対象や施設数に制限があります。
この規制のない民間施設が急増している現状がある一方で、特養が持つ社会的な役割が重要であることも否定できません。

介護の質を守るための対応
介護業界で最も重要なのは、「介護の質を保ちつつ、どう人材不足に対応するか」という点です。
質の高い介護を提供し続けるためには、職員確保や運営効率化を進める必要があります。
高齢者視点での課題
高齢者が施設に入居する際のニーズは多様化しています。
医療支援を重視する施設を求める人もいれば、家庭的な雰囲気を大切にする施設を選ぶ人もいます。
しかし、過剰な介護サービスや高額な手数料が問題となっており、施設選びは慎重を要します。
介護者視点での課題
介護者として最も困難なのは「人材不足による負担の増加」です。
介護職員の給与は改善されているものの、業界全体で見ても依然として給与水準は低いのが現状です。
また、介護職は肉体的・精神的に負担が大きいため、慢性的な人手不足は介護の質に直結します。
地域視点での課題
地域ごとに高齢者の増加に伴い、介護施設の需要も高まっていますが、特に地方では施設数が不足しています。
また、地域包括ケアシステムが進んでいるものの、地域ごとの連携強化が不十分な場合もあります。

介護の質を維持するために必要な具体策
介護業界の人材不足や質の問題に対応するため、以下の対策が考えられます。
1. 介護職員の待遇改善
介護職員の給与や福利厚生を改善し、業界全体の魅力を高めることが求められます。
例えば、短時間勤務や学生アルバイトの受け入れなど、新たな働き方を導入することが必要です。
また、給与増額やキャリアパスの整備も職員のモチベーションを高めるために有効です。
2. 技術やAIの活用
介護ロボットやAI技術の導入により、介護職員の負担を軽減し、効率的なサービス提供が可能になります。
例えば、AIを活用したリモートモニタリングシステムや、ロボットによる移動補助が導入されることで、介護職員の業務負担が軽減され、質の高い介護を提供することができます。
3. 施設の質の向上と透明性の確保
介護施設の運営における透明性を高め、過剰なサービス提供を避けることが重要です。
また、施設が提供するサービス内容や費用について、入居者や家族に十分な説明を行い、納得してもらうことが大切です。
4. 地域包括ケアシステムの強化
地域包括ケアシステムを強化することにより、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる環境を提供することができます。
地域の医療機関、福祉施設、行政が連携し、地域全体で高齢者を支える体制を作ることが必要です。

結論
介護業界は今後、ますます深刻な人材不足に直面すると予測されており、介護の質を維持しつつ、この問題にどう対応するかが大きな課題です。
介護職員の待遇改善、技術の活用、施設の質向上、地域との連携強化が今後の介護業界の持続可能性を確保するために不可欠です。
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