まだ間に合う?高齢者が“3ヶ月で寝たきり”になるたんぱく質不足の真実

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植物性たんぱく質を取ろう 

摂取量は減少傾向、豆乳活用2025/04/11 05:00

日経速報ニュース

植物性たんぱく質を取ろう 摂取量は減少傾向、豆乳活用 - 日本経済新聞
三大栄養素の一つである「たんぱく質」。私たちの筋肉・臓器・皮膚・毛髪の成分であり、免疫や代謝、神経機能の維持にも重要な役割を果たしている。「動物性」「植物性」のバランスを考えた食生活を心がけよう。プロテインブームなのになぜ減少?厚生労働省の...

【この記事の内容】

要介護の原因は“たんぱく質不足”だった!知らないと怖い兆候

はじめに

「身体は家、食事はその土台」

いくら手厚い介護や最新のリハビリを行っても、食事という“土台”がしっかりしていなければ、その上に健康な暮らしは築けません。

たんぱく質は体を支える柱のひとつ

たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、そして免疫機能や神経機能など、体を構成し守るために欠かせない栄養素です。

高齢者にとってたんぱく質は特に重要で、以下の機能の維持に役立ちます。

免疫機能:感染症の予防

代謝機能:エネルギー効率の維持

神経機能:脳や神経の働きをサポート

プロテインブームなのに、たんぱく質摂取が減っている理由

今やプロテイン(たんぱく質)を意識した商品が溢れていますが、実際の摂取量は減少傾向にあります。

時代:1970年代

植物性たんぱく質 :多い

動物性たんぱく質 :中程度

総摂取量:多い

時代:現代

植物性たんぱく質 :少ない

動物性たんぱく質 :あまり変わらず

総摂取量:減少傾向

この理由のひとつは、昔ながらの豆や穀物を使った和食を食べる機会が減っていることです。

今では手軽な加工食品や洋食が主流となり、栄養バランスが偏りがちです。

高齢者に広がる“フレイル”という状態「フレイル」とは、要介護状態に至る前段階を指す言葉で、筋力の低下や活動量の減少、栄養不足などが重なる状態です。

・筋力が衰える

・食が細くなる

・外出や交流が減る

こうしたサイクルに陥ると、転倒や入院をきっかけに要介護へと進んでしまうリスクが高まります。

たんぱく質の不足は、まさにこの悪循環の引き金になりかねません。

Mさんのケース

80代の女性Mさんは、食事を毎日コンビニで済ませていました。

炭水化物が中心で、たんぱく質はチキンや卵のみ。

訪問介護中に足元のふらつきが気になり、栄養状態を見直すことに。

そこで、豆腐・豆乳・納豆を活用した簡単な献立を提案しました。

3ヶ月後、Mさんの歩行は安定し、表情も明るくなりました。

食べ物でこんなに変わるんですね」と、ご本人も実感されたようです。

豆乳という選択肢

植物性たんぱく質を手軽に補給豆乳の利点とは?

豆乳は、高齢者の食生活に取り入れやすい、栄養豊富な食材です。

・植物性たんぱく質が豊富

・脂質が少なくヘルシー

・ゆっくり消化され腹持ちが良い

・イソフラボンやサポニンがホルモンバランスを整える

高齢者におすすめの取り入れ方

味噌汁に加える:まろやかな風味になり、たんぱく質もアップ

コーヒーや紅茶に入れる:日常の飲み物にひと工夫

豆乳プリンやスムージー:楽しみながら栄養補給

家族や地域で支える仕組みづくり

高齢者視点

課題:噛む力・調理の負担

解決策:飲みやすく簡単な豆乳レシピの提供

家族視点

課題:忙しく栄養管理が難しい

解決策:管理栄養士や介護者によるサポート

地域視点

課題:孤食や買い物の不便さ

解決策:栄養支援付き配食サービスの推進

たんぱく質の“質”と“バランス”に注目を

介護者としての私たちの役割は、たんぱく質の“質”と“量”だけでなく、“バランス”にも気を配ることです。

具体的なアクション

・動物性と植物性たんぱく質をバランスよく組み合わせた食事提案

・豆乳や大豆製品を使った手軽なレシピの共有

・地域や家族との連携による食生活支援体制の整備

これは高齢者の健康だけでなく、国全体の健康寿命を延ばす社会的課題の一部でもあります。

まとめ

食事は“生きる力”をつくるものたんぱく質の摂取は単なる栄養補給ではなく、高齢者が自立した生活を送るための“生きる力”の源です。

介護者は言わば、人生の家を支える建築士のような存在。

植物性たんぱく質という材料を、暮らしの設計図に加えることで、高齢者の生活の質を守ることができるのです。

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