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高齢者向けNISA創設を検討
金融庁、毎月分配型解禁へ
2025/04/15 19:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
「高齢者NISAで資産が減る!? 見落としがちな盲点」
はじめに
年齢とともに身体の自由が限られる中でも、経済的に自立し、自分の意思で生活を選べることが、安心や尊厳につながります。
今回、金融庁が打ち出した高齢者向けNISA(仮称:プラチナNISA)の構想は、まさにその“選べる生活”を経済面から支える制度として期待されています。

制度の全体像と背景
なぜ高齢者向けのNISAが必要なのか?
制度の概要
・2026年度の税制改正で創設を目指す
・65歳以上の高齢者を対象とし、「毎月分配型投資信託」をNISAの非課税枠で運用可能に
・既存のNISA口座からの移行時に資産売却を不要とする案も検討中
背景にある高齢者の心境
高齢者にとって投資の目的は「資産を増やすこと」ではなく、「安心して生活できる定期的な収入を確保すること」にあります。
しかし、これまでのNISAは中長期の資産形成を前提とし、配当金の再投資が基本だったため、「毎月の生活を支える仕組み」としては使いづらい面がありました。

介護者の立場から見たこの制度の意義
結論
高齢者向けNISAは、生活に不安を抱える高齢者に“経済的安心”という選択肢を与える制度です。
介護者としては、「投資=危険」という先入観を取り除き、仕組みを丁寧に伝えながら、高齢者の理解と活用を支えていく必要があります。

立場別に見た課題とその対応
介護者の課題
投資知識を持つ介護職は少なく、利用者に説明できないことが多い
→ 介護施設内での勉強会や資料配布などを通じて基本的な情報を共有
高齢者の課題
投資の仕組みやリスクに対する不安が強い
→ 「生活費と分けた投資」の考え方を分かりやすく伝えることが重要
家族の課題
資産の扱いが曖昧で、相続や管理のトラブルが起きやすい
→ 家族間で資産や投資方針を話し合う機会をつくる
地域の課題
投資詐欺や情報弱者化が懸念される
→ 地域包括支援センターなどと連携して見守り体制を整備

現場の声から見る制度の活用可能性
ある現場の具体例
軽度の認知症がある高齢者が「毎月、使えるお金があると安心する」と話す場面を多く見かけます。
そのような方にとって、月5,000円でも定期的に入ってくる収入は、大きな安心材料となります。
他分野からの発想
配食サービスと同様に、毎月届くお金も「生活の見通しを立てる道具」として活用できる
具体化
例えば、「分配金で通院費をまかなえる」といった形で、高齢者が自分の生活に結びつけやすくなる
制度的背景
介護制度が「支える支援」から「自立支援」に変わってきたように、金融制度も選択の自由を支援する方向へ進化している

介護福祉の現場での課題
以下は、私たちが日々直面している社会的な課題です
1. 経済的理由による介護サービスの利用控え
2. 高齢単身者の増加と孤独感の深刻化
3. 金融詐欺への抵抗力の低下
4. 家族とのつながりの希薄化により支援が不十分
5. 地域間でケア体制の質にばらつきがある
これらの背景には、「お金の不安」が共通しており、経済的な自立支援が介護の新たな軸になっています。

制度の進展と私たちの役割
新しい制度が本格化すれば、介護施設や福祉関係者には「マネーリテラシー教育」も求められるようになります。
投資は特別な知識を持つ人だけのものではなく、生活を支えの新たな選択肢として、正しく理解されることが大切です。

まとめ
制度の変化にどう対応するか?
「貯蓄から投資へ」という国の方針の中で、高齢者向けNISAは生活現場の課題に即した現実的なアプローチと言えます。
介護の現場では、この制度を生活の質を支えるツールとして活用し、高齢者の人生に選択肢を増やすことが求められています。
今後も動向を注視しながら、一人ひとりの高齢者に寄り添ったサポートを続けていきたいと思います。
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