慣れないものに触れる不安!「電動カー」が高齢者の社会参加に繋がる有効な支援とは?

介護

電動車椅子の関連記事

豊田鉄工、

1人乗り低速EVをレンタル  

福祉施設などに

2025/04/17 19:46

日経速報ニュース

豊田鉄工、1人乗り低速EVをレンタル  福祉施設などに - 日本経済新聞
トヨタ自動車系で車体部品を手掛ける豊田鉄工は17日、1人乗りの低速電気自動車(EV)「コモビ」のレンタルを始めると発表した。東京都や大阪府、名古屋市などで福祉施設での利用を中心に貸し出す。今後は一般販売やシェアリングサービスとして展開し、日...

【この記事の内容】

高齢者が「電動カー」を使って後悔しない方法を考える

はじめに

歩行器や電動ベッドを使うことで、それまで介助が必要だった方が自分で起き上がり、歩けるようになる。

こうした道具の進化は、高齢者の「自立」の形を日々更新しているのです。

この視点から見ると、豊田鉄工が発表した1人乗りの低速電気自動車「コモビ」は、単なる移動手段ではなく、生活を取り戻すための「もう一つの足」と言える存在です。

コモビとは?

高齢者に新しい「移動の自由」を与える次世代モビリティ「コモビ」は、電動車いすと自転車の中間のような乗り物です。

特別な運転免許は不要で、誰でも簡単に扱える設計になっています。時速は歩行と同じ6km、最大で12kmまでの走行が可能。

後部には荷物が積めるスペースもあり、買い物や通院にも対応できます。

これにより、これまで外出を控えていた高齢者や障害者にも、「自分の意思で移動する」選択肢が広がります。

介護者視点:安全な導入のためのポイント

結論

安心して使えるよう、最初の支援が大切です

なぜか?

操作は簡単とはいえ、高齢者にとっては初めて使う道具に不安を感じやすいものです。

慣れないものに触れる不安」が事故やトラブルの原因にもなりかねません。

どんな支援が有効か?

・初回利用時は職員が同乗しながら操作指導

・使用場所の事前点検(段差・傾斜・交通量の確認)

・施設内ルールの整備と周知・点検

・バッテリー管理は職員が定期的に実施

高齢者視点:「行きたい場所に自分で行ける」ことの価値

結論

移動の自由は自己肯定感を高め、社会参加のきっかけになります

心の背景

年齢とともに移動手段が限られ、「どこへ行くにも誰かの助けが必要」という状況が増えます。

その結果、外出を控えがちになり、孤独感や無力感が募ることも。

コモビがもたらす変化

・「自分で動ける」という体験が自信につながる

・近所の買い物や散歩が、日常の楽しみになる

・社会や家族との接点が増えることで、生きがいを感じやすくなる

家族視点:新しいテクノロジーへの期待と不安のバランス

結論

安全機能と施設の見守り体制があれば安心して任せられる

実際の不安

ひとりで運転させても大丈夫だろうか」という不安は、ご家族なら誰もが感じることです。

解決のヒント

・GPS機能や通信機能があれば、見守りが可能

・低速走行により事故リスクが小さい

・福祉施設と連携して使うことで、家族が常に付き添わなくても安心

地域視点:誰もが移動できる町づくりへの第一歩

結論

地域全体の理解とインフラ整備が必要です

現在の課題

・歩道の段差や狭さが移動の障壁になっている

・高齢者や障害者に対する理解不足が共生の妨げに

・地域全体の見守り体制がまだまだ不十分地域ができること

・バリアフリー化を進め、誰もが通れる道をつくる

・EV車両に関する啓発活動で理解を広げる

・町内会や見守り隊と連携し、日常の安全確認を行う

介護福祉の現場で起きている変化とコモビの可能性

現場で見える変化

・外出ニーズの高まりと付き添い職員の不足

・身体機能の低下による「閉じこもりリスク」の増大

・支援機器とICT技術の融合による自立支援の拡大

コモビの転用可能性

・施設内の敷地移動や、近隣施設への送迎手段として

・観光地での高齢者向けモビリティとして

・自宅から最寄りの病院やスーパーへの移動手段として家庭内利用

まとめ

「移動の自由」は、介護者が届けられる最大の支援高齢者にとって「自由に移動できる」ということは、単なる便利さではなく「生きる希望」そのものです。

コモビのような支援機器は、その希望を現実にするための新しい手段となります。

私たち介護者に求められるのは、新しい技術をただ導入することではなく、それを安全に、そして利用者に合った形で活かしていく姿勢です。

移動の自由を届けることで、その人の人生に「もう一つの選択肢」を加えることができるのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました