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老化は病気だった!
諸悪の根源は「酸化ストレス」
2025/04/17 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
「老ける人に共通する“酸化習慣”9割が知らずにやっている」
はじめに
「身体のサビ=心身の変調」
金属がサビて脆くなるように、人の身体も時間とともに内側から静かに衰えていきます。
この「身体のサビ」の正体こそが、目には見えない「酸化ストレス」です。
酸化ストレスとは、体内の細胞が活性酸素によって傷つき、機能が低下する現象です。
介護職が日々向き合う、認知症の進行、筋力低下、生活習慣病の影には、まるで精密機械がサビて不具合を起こすかのように、身体の内部で酸化が静かに進んでいるという現実があります。

老化は自然な衰えではなく、予防と対応ができる「病気」
結論
老化は「対処可能な病気」として認識されつつあります。
これまで「仕方のないこと」とされてきた老化ですが、近年では世界保健機関(WHO)をはじめとする専門機関が、老化を病気として分類しています。
つまり、酸化ストレスをコントロールすることで、老化によって引き起こされるさまざまな健康問題は予防・軽減が可能なのです。
酸化ストレスとは?
「体をサビさせる見えない敵」
理由:活性酸素が過剰になると体の中がサビる
・活性酸素とは、体内で自然に発生する酸化作用の強い物質です。
・本来は免疫機能に役立ちますが、過剰になると細胞を攻撃し、老化や病気の原因になります。
・酸化ストレスは、細胞がこの活性酸素によって損傷を受けている状態を指します。
具体例:活性酸素が影響する体の部位と症状
脳:認知症、うつ症状
筋肉:筋肉量の減少(サルコペニア)、転倒リスクの増加
血管:高血圧、動脈硬化
生殖機能:精子の運動能力低下、不妊
皮膚:シミ、シワ、乾燥

高齢者の心と体に潜む「酸化」の実感
「最近、やる気が出ない」「すぐに疲れる」と話す高齢者が多くいます。
これは単なる年齢のせいではなく、細胞内のエネルギーを作り出す機能が、酸化ストレスによって低下しているからかもしれません。
つまり、「細胞のやる気」が失われている状態です。
介護者視点
私たちができること抗酸化能(体のサビを防ぐ力)を高める工夫
・抗酸化作用のある食材(ビタミンC・E、ポリフェノールなど)を意識した食事を提供する
・軽い運動(散歩、椅子体操)を習慣化する
・音楽療法や自然音によるリラクゼーションを取り入れる
・紫外線対策や空気環境を整えた住環境の提供
高齢者視点
自分でできる「サビ予防」
・「今できることを続ける」という意識が、抗酸化力を維持する
・軽い運動や適度なストレスが体を強くする「ホルミシス効果」につながる
・楽しみや趣味を持つことで、ミトコンドリア(細胞のエネルギー工場)の活性を維持する
家族視点
「支える」より「寄り添う」関わりを
・「老化は防げないもの」ではなく「対応できるもの」という理解を持つ
・一緒に抗酸化を意識した生活習慣を実践する
・過度な干渉よりも、安心感を与える関係性が高齢者の気力を支える
地域視点
介護と地域が連携した「予防福祉」の時代へ
・予防の視点で抗酸化を取り入れた健康づくりを進める
・地域包括ケアの中で、ウォーキングイベントや健康教室を活用
・地域ボランティアとの協働により、孤立防止と生活の質(QOL)向上を実現
「酸化」のリアル
・認知症高齢者の急激な記憶低下
・寝たきりによる筋力の衰えや床ずれ・皮膚が弱くなり感染症リスクが上昇
・高齢者の多病化と複数疾患の併発
・気力・意欲の低下による活動性の喪失

まとめ
介護者が実践する「抗酸化アクション」老化は、予防と対応が可能な「病気」と捉えるべきです。
私たち介護者が意識すべきは、「身体のサビ」を防ぐ支援。
具体的には、食事、運動、環境、心のケアを通じて、高齢者の抗酸化力を保つことです。高齢者がサビずに生き生きと暮らすために。
今日から、介護の現場でできる一歩を踏み出してみましょう。
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