高齢者の交通事故、実は“同乗者なし”が8割だった

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高齢運転者、

同乗者いると事故リスク低下 

筑波大や東大

2025/04/19 05:00

日経速報ニュース

高齢運転者、同乗者いると事故リスク低下 筑波大や東大 - 日本経済新聞
筑波大学や東京大学などの研究チームは、車の運転時に同乗者がいると高齢運転者による事故が起きにくい傾向があると明らかにした。2014〜20年の国内の交通事故のデータを分析した。高齢者が安全に運転できる知見を蓄積すれば、事故防止に役立つ。14〜...

【この記事の内容】

放置すると危険!“同乗なし”で増える事故数

はじめに

介護現場で感じる「支えられている安心感」が行動を変える

介護現場では、ほんの少しの声かけや付き添いが、高齢者の行動に大きな影響を与えることがあります。

たとえば、認知症の方が薬を飲み忘れがちな場合でも、そばで「お薬の時間ですよ」と声をかけるだけで、服薬が習慣化します。

これは「見守られている」という安心感が、本人の意識や行動を自然に整えるからです。

運転も同じで、ただ誰かが同乗しているだけで、慎重さや冷静さが保たれやすくなります。

結論

高齢者は「同乗者がいると事故を起こしにくくなる

筑波大学や東京大学などの研究では、高齢ドライバーが一人で運転するより、誰かと一緒に乗っている時の方が、事故を起こしにくい傾向があることが分かりました。

この結果は、介護や福祉の現場での支援にも役立てることができます。

なぜ同乗者がいると安全につながるのか?

1. 声かけが判断を助ける

「スピードを落として」「ここ危ないよ」といった一言が、判断の遅れやミスを防ぎます。

2. 誰かに見られている意識が慎重さを生む

運転中に他人がいると、「ちゃんと運転しよう」と自然と意識が高まります。

3. 安心感が焦りを防ぐ  

一人だと不安になる場面も、同乗者がいることで落ち着いて対応できます。

高齢者の本音

「運転は続けたいけれど、不安もある」

高齢者の多くは、「自分で動けること」に誇りを持っています。

しかし一方で、「もう判断力が落ちてきたかも」と感じている人も少なくありません。

そのため、「運転を完全にやめて」と言われると、ショックを受けてしまうこともあります。

だからこそ、見守る形でのサポートが重要です。

それぞれの立場で考える課題と支援の形

・介護者の立場から 「本人の自立を尊重しつつ、安全も守りたい」という葛藤があります。

→ 一人での運転を避け、「誰かが同乗する」ルールをつくることが有効です。

・高齢者本人の立場から 「運転をやめると家族に迷惑をかける」「外に出られなくなる」といった不安があります。

→ 同乗者が「監視」ではなく「協力者」として寄り添うことで、自尊心を守れます。

・家族の立場から 「事故が起きたら…」という不安が常につきまとう。

→ 家族で交代制を組み、負担を分けながら支える体制を考えるのが現実的です。

・地域の立場から 高齢者の交通事故は社会全体の課題です。

→ 地域での「見守り同乗ボランティア」や、支援制度の整備が求められます。

介護の現場で今起きていること

最近では、介護の現場でも次のような変化が起きています。

・移動支援が「送迎」から「同行」に変わりつつある

・ドライブレコーダーやアプリで運転の様子を確認するケースが増えている

・地域包括支援センターに「運転を続けたい」という相談が寄せられることが増えている

・一方で、運転をやめた後の移動手段が不足しているという声も多い

これから求められる「第三の選択肢」

今後は、「運転をやめさせる」か「そのまま続けさせる」かの二択ではなく、「安全を見守りながら続ける」という中間の選択肢が必要になります。

具体的な取り組みとしては

・ケアマネジャーによる運転状況のチェック

・家族や近隣の人が交代で同乗する仕組みづくり

・介護事業所による「運転サポート」のボランティア制度導入

まとめ

「運転を取り上げる」のではなく、「一緒に支える」介護を高齢者の事故は、技術の衰えだけが原因ではありません。

「不安」や「孤独」も大きな要素です。だからこそ、同乗者の存在は、心理的な安定をもたらす大切な支えになります。

介護者としてできることは、運転を奪うのではなく、「安心して運転できる環境」をつくることです。

これからの高齢者支援では、「見守る同乗」が新しい支援の形になるでしょう。

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