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LINEなどSNS、
70代は7割が利用
NTTドコモ調べ
2025/04/18 17:01
日経速報ニュース

【この記事の内容】
「85%がスマホ所有なのに…70代の“知らぬ間に狙われる”SNSリスク」
はじめに
最近では、70代の約7割がLINEなどのSNSを利用しているとされており、私たちの施設でも「孫とLINEで話してるの」という声をよく耳にします。
高齢者にとってSNSは、家族とのつながりを保つ大切な手段となりつつあります。
しかし、その縁側が穏やかなものであるためには、私たち介護者の支えが不可欠です。
SNSは便利である反面、詐欺、情報の偏り、孤独感の助長といったリスクも抱えています。

なぜSNSが高齢者に広がっているのか?
背景には、大きく3つの理由があります。
1. スマートフォンの普及
70代の85%がスマホを所有しており、ITへのハードルが下がっています。
2. コロナ禍による孤立の回避
離れて暮らす家族との連絡手段としてSNSが定着しました。
3. 自己肯定感の向上
SNSを通じて社会とつながっている実感が得られ、心の活力につながっています。
高齢者の多くが、「もっとつながっていたい」「新しいことに挑戦したい」という前向きな気持ちを持っています。
SNSはその思いを実現する手段となっているのです。

介護者が気をつけるべきSNS利用のポイント
SNSは高齢者にとって心強いツールですが、使い方を誤るとトラブルの原因にもなります。
以下のようなリスクに対し、私たちは日頃から注意を払っています。
詐欺・なりすましへの対策
日頃から「怪しいメッセージが来ていないか」声をかける。
個人情報の流出防止
SNSの設定画面を一緒に確認し、不要な情報の公開を防ぎます。
情報の偏り・フェイクニュースの対策
複数の情報源に触れるよう促します。
依存防止
リアルな会話や趣味の時間も大切にし、SNSだけに偏らないよう配慮します。
また、施設では「LINEの使い方講座」を定期開催し、SNSで不安を感じたときに相談できる窓口も設けています。

家族や地域社会ができること
介護者だけでなく、家族や地域も一緒にサポートすることで、高齢者はより安心してSNSを使えるようになります。
家族の対応
定期的にスマホの設定を一緒に確認したり、投稿にコメントを返すことで「見てくれている」と実感できます。
地域の支援
自治体主催の「スマホ講座」や、町内会での「デジタル相談会」など、地域ぐるみの取り組みも重要です。

現場で見えてきた課題と対応
介護の現場では、次のような課題が実際に発生しています。
・SNSでの誤解やトラブル
→ メンタルケアを行い、SNSの使い方も定期的に振り返る機会を設ける
・家族間の連絡手段が複雑に
→ 介護スタッフが会話内容を整理して橋渡し役を担う
・SNSの返信が来ないことで感じる孤独
→ SNS以外の手紙や電話も提案し、心のバランスをとる

まとめ
介護者の意識が高齢者のSNS利用を支える
高齢者が安心してSNSを利用するには、介護者の役割がますます重要になります。
・高齢者のデジタルリテラシー向上をサポートすること
・SNSを心のケアの一環として活用すること
・家族や地域と連携し、孤立を防ぐこと
高齢者が縁側に腰を下ろし、デジタル社会という庭を楽しめるよう、私たち介護者はその「縁側」を整え続けていくことが求められます。
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