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編み物ブーム、シニアも熱中
知的刺激で「脳トレ」効果
シニアサポーター
2025/04/30 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『見落としがち!脳をダメにする日常行動!編み物を辞めた高齢者が半年後に直面した現実』
はじめに
編み物がつなぐ心と脳!介護福祉の現場から見た“脳トレ”の可能性
最近注目されているのが「編み物ブーム」です。
編み物は、若者の間で再び人気を集めており、その流行が高齢者にも新しい刺激となっています。
実はこの編み物、認知機能の維持や向上に大きな効果があるとされています。
編み物は、完成図を思い描き、手順を覚え、集中して糸を操るという複雑な工程を含みます。
これは空間認識力、記憶力、注意力といった複数の脳の働きを同時に使う“複合的な脳トレ”です。
また、道具を使う細かい手作業は、指先から脳への刺激を生み出します。

さらに、編み物は人と人をつなげる力も持っています。
作品を見せ合ったり、作り方を教え合ったりすることで自然に会話が生まれ、孤立しがちな高齢者にとって貴重な交流の場になります。
介護施設では、こうした「ニットサロン」や「手芸クラブ」が日々のレクリエーションとして活用されています。
編み物は失敗してもすぐにやり直せるため、成功体験を積みやすく、自信の回復にもつながります。
作品が完成したときの達成感や、他人から褒められる喜びは、高齢者の心に明るい灯をともします。
家族の立場から見ても、編み物は安心材料となります。
目的のある活動が生活リズムを整え、外出や会話のきっかけになるからです。
特に認知症への不安を抱える家庭にとって、日々の“脳トレ”が自然な形で生活に組み込まれることは大きな安心です。
地域の視点では、ニットカフェや手芸教室といった場が、新たな交流拠点として機能しています。
高齢者だけでなく、若者や子育て中の親世代も交わることで、地域の中に自然な多世代交流が生まれています。
これは地域包括ケアの理念とも一致し、地域の活性化にもつながっています。
実際の介護現場では、レクリエーションの内容がマンネリ化したり、活動が“やらされている”と感じられたりする課題があります。
しかし、編み物を通して「誰かに教える」「作品を発表する」「社会に寄付する」といった能動的な取り組みを行うことで、活動の質が大きく向上しています。
編み物には、さまざまなスタイルがあります。
初心者でも取り組みやすい「ゆび編み」や、握力が弱くても使える「ユニバーサル針」など、工夫次第で誰にでも開かれた趣味です。
こうした柔軟さも、高齢者支援にとって大きな武器になります。

結論
編み物は単なる趣味にとどまらず、「認知機能の維持」「他者とのつながり」「自分の価値の再発見」といった多くの可能性を秘めた活動です。
介護者としては、この編み物を“生活の中の自然な脳トレ”として活かす支援のあり方を模索し続ける必要があります。
今後は、編み物による就労支援や資格取得支援、さらには多世代交流のプログラムへの展開など、多面的な活用が期待されます。
高齢者福祉の未来において、「編み針1本」がつなぐ可能性は、決して小さくありません。
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