離島の高齢者が“通院を諦める”理由とは?

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離島で医療MaaS 

地域の医師会と

メドレー子会社が連携

2025/04/28 16:40

日経速報ニュース

離島で医療MaaS 地域の医師会とメドレー子会社が連携 - 日本経済新聞
鹿児島県薩摩川内市の医師会などが組織する一般社団法人鹿児島地域医療介護ネットワークは、オンライン診療大手メドレー子会社のパシフィックメディカル(高知県宿毛市)と連携し、薩摩川内市の離島である甑島(こしきしま)で次世代交通サービス「MaaS(...

【この記事の内容】

医療が届かない…甑島で見えた限界、高齢者の命を削る「交通弱者」現実

はじめに

介護や医療の制度がいくら整っていても、そこに“アクセスできない”高齢者が多くいるのが現実です。

特に離島では、医療も移動手段も限られており、この問題は深刻です。

離島の高齢者が抱える問題

病院に行けない高齢者の現実

離島では、病院に行くために船や車を何度も乗り継ぐ必要があり、それ自体が大きな負担です。

以下のような問題が起こっています。

・高齢者が自家用車を使えず、移動手段がない

・医療施設の数が少なく、専門的な診療が受けられない

・緊急時の搬送にも時間がかかる

このような環境下では、体調に不安を感じても「行くのが大変だから」と我慢したり、受診自体を諦める人が少なくありません。

医療MaaSがもたらす新しい選択肢医療

MaaSとは何か

MaaS(Mobility as a Service)は、ICT(情報通信技術)を活用して移動を効率化する仕組みで、医療MaaSはこの考え方を医療分野に応用したものです。

つまり、医療を「待つ」のではなく「動かす」ことによって、医療アクセスの格差を減らす取り組みです。

このシステムでは、健康測定機器を備えた専用車両が患者のもとを訪れ、オンラインで専門医の診療を受けられるようになっています。

さらに、患者情報はクラウド上で共有され、複数の医療機関が連携できる体制も整っています。

MaaS車両運用に関するプレスリリースのお知らせ :: かごネット

「かごネット」が果たす役割

かごネット」という仕組みは、患者の情報をクラウドに一元化することで、救急時にも即座に必要な情報を医療機関が把握できます。

これにより、診療のスピードと精度が格段に向上します。

介護者にとっても、紙の記録を持ち歩く負担が減り、ケアの質が上がります。

高齢者の心の中にある「ためらい」

高齢者の多くは、「迷惑をかけたくない」という思いから受診を遠慮してしまいます。

特に離島のように移動の手間が大きい地域では、「面倒だから」「大げさになるのが嫌だから」といった理由で、我慢してしまうことが多くあります。

これは裏返せば、「もっと気軽に医療が受けられるなら、受けたい」という気持ちの現れでもあります。

介護現場では、「気力の維持」が生活の質を左右する重要な要素とされています。

移動や医療アクセスが困難だと、この気力が削がれ、心身ともに衰える傾向が見られます。

視点別に見る課題と解決策

介護者の視点

課題:通院付き添いや医師への説明が大きな負担

解決策:MaaS車両と情報共有で、移動と説明の負担を軽減

高齢者の視点

課題:移動できず、受診を諦めることが多い

解決策:自宅で診療を受けられる環境をつくり、不安を和らげる

家族の視点

課題:遠方に住んでいると状況が見えづらい

解決策:クラウドによる情報共有で、離れていても安心できる体制に

地域の視点

課題:医師不足や人口減少による医療体制の崩壊

解決策:医療MaaSを活用し、持続可能な医療インフラを整える現場から見る導入

効果

オンライン診療の導入により、受診拒否が減り、利用者の健康管理がしやすくなる。

訪問診療の連携により、「医療が来てくれる」環境が整ったことが、利用者の安心感にもつながっています。

このような仕組みは、施設の枠を越えて、離島地域にこそ必要だと感じています。

結論:介護者に求められる視点と行動医療

MaaSはただの技術革新ではなく、高齢者の命と尊厳を守るための現実的な対策です。

介護者としては以下の3点が重要です。

離島という地域特性を理解し、移動と医療の問題を一体として考える

ICTを学び、柔軟に取り入れる姿勢を持つ

高齢者の不安や心理的障壁に寄り添うケアを心がける

どこに住んでいても安心して年を重ねられる社会づくりに貢献していきたいと思います。

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