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救急車は不足してるの?
出動は過去最多
追加費用も
ニッキィの大疑問
2025/05/17 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『介護者の視点から「救急車を呼ぶ適切なタイミング」と「呼ぶ前にできる対応」「周囲ができる対策」について考察します。』
【はじめに】
私たちが日常で耳にするサイレンの音。
その回数が増えていると感じたことはありませんか?
実際、救急車の出動件数は年々増加し、とくに高齢者に関係するケースが大半を占めています。
介護の現場では、救急要請の判断は命を守る分かれ道になることもあります。
この記事では、介護者の視点から「救急車を呼ぶ適切なタイミング」と「呼ぶ前にできる対応」「周囲ができる対策」についてわかりやすく考えていきます。
なぜ救急車の出動件数が増えているのか
救急車の出動件数は2024年に771万7千件と過去最多を記録しています。
特に高齢者に関わる搬送が増加している背景には以下の要因があります。
高齢化の進行
65歳以上の高齢者が増えることで、体調急変や転倒など救急搬送のリスクも比例して増えています。
感染症の長期的影響
新型コロナウイルスによる健康不安は続いており、軽い症状でも慎重になる傾向が強まりました。
救急利用への心理的ハードルの低下
早期対応への意識が高まり、軽症でも救急車を呼ぶケースが増えています。
結果として、緊急性の高い患者に対する対応が遅れ、医療現場に大きな負担が生じています。

介護者として救急車を呼ぶべきタイミングとは
救急車を呼ぶかどうかの判断は、迷いやすいポイントです。
以下のような症状がある場合は、すぐに救急車を要請する必要があります。
急激な意識の変化や呼吸困難
応答がない、呼吸が浅い、苦しそうな場合
転倒による外傷
頭部を打った、骨折の疑いがある
持病の急変
慢性疾患(心臓病や糖尿病など)の症状が急に悪化した場合
迷った場合は、「#7119」に電話をすることで、医療専門職から適切な指示を受けることができます。

救急車を呼ぶ前に介護者ができること
救急車の要請に至る前に、以下の対応を行うことで判断を助けることができます。
症状の観察と記録
体温、脈拍、呼吸の様子、痛みの訴えなどをチェックし記録します。
医師・看護師への相談
「#7119」やかかりつけ医に相談し、指示を仰ぐことで不要な救急搬送を防げます。
環境の整備
常に緊急連絡先や服薬リストを用意しておくことも重要です。

視点別に見る課題と対応策
介護者の視点
・常に健康状態を把握し、異変に迅速に気づく力が求められます。
・救急対応の手順を事前に家族や地域と共有しておくことが望まれます。
高齢者の視点
・自分の体調変化を報告できる環境と意識が大切です。
・過度な不安が不要な搬送につながるため、正しい知識を持つことも必要です。
家族の視点
・遠方に住んでいても、オンラインや電話での連絡体制を構築することで、介護者をサポートできます。
・万が一のときの「対応マニュアル」を家庭で作っておくと安心です。
地域の視点
・不要な救急出動を減らすため、地域ぐるみの健康意識の向上が不可欠です。
・健康教室や訪問看護の充実により、未然にトラブルを防ぐ取り組みが求められます。

まとめ
介護現場では、救急車を呼ぶ判断は日々の大きな課題です。
救急車の出動が急増する中で、限られた資源を有効活用するには、私たち一人ひとりが冷静な判断力を身につけることが求められます。
「救急車は最後の手段」という意識を持ちつつ、判断の助けとなる知識や体制を日常から整えておくことが、より良い高齢者介護につながります。
現場で働く私たちが、今できることから少しずつ取り組んでいくことが、未来の介護を支える力になります。
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