介護職が絶句…「認知症高齢者が転倒する」共通点

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元気に百歳を迎えるには 

90歳代の母の体調に学ぶ

がん社会を診る 

2025/05/28 05:00

日経速報ニュース

元気に百歳を迎えるには 90歳代の母の体調に学ぶ - 日本経済新聞
今年の大型連休も、どこにも行けませんでした。3年連続で、この時期に母が東大病院に入院したからです。90歳になった母は2年前、転倒がきっかけで細菌感染が全身に広がり、多臓器不全を起こす「敗血症」を発症しました。東大病院での治療で一命を取り留め...

【この記事の内容】

もう手遅れ?認知症リスクが3倍になる生活習慣とは

はじめに

高齢者介護の現場では、90歳を過ぎても自立して元気に暮らす方もいれば、80歳を迎える前に寝たきりになる方もいます。

この差は偶然ではなく、「がんを予防すること」と「転倒を防ぐ体力を維持すること」が分かれ道となります。

本記事では、100歳まで元気に生きるために必要な条件と、介護者が実践できる具体的な取り組みについて、わかりやすく解説します。

高齢期を元気に過ごすための2本の柱

結論

がんと転倒、この2つをどう防ぐかが重要介護者として最も重視すべきは、次の2点です。

80歳までにがんで亡くならないようにすること

転倒を防ぎ、筋力とバランス感覚を維持することこの2つをクリアできれば、「人生100年時代」も現実のものとなります。

第1の柱

がんを予防するという選択がんは老化の一部。

しかし、備えはできるがんは年齢を重ねるほど発症しやすくなります。

特に60代後半から70代前半は死亡リスクが最も高い時期です。

一方で、85歳を過ぎると感染症や誤嚥性肺炎といった、別の要因が主要な死因となります。

つまり、80歳までをどう生きるかが「がん対策」の勝負どころなのです。

介護者ができるがん予防の取り組み

生活習慣を見直す

禁煙、塩分控えめの食事、適度な運動など

定期的に健診を受ける

年1回のがん検診で早期発見を

がんリハビリを活用する

治療中でも体力を維持し、回復力を高める

高齢者にとっての治療とは「生活を守る」こと症状がない場合は治療を行わず、生活の質(QOL)を優先する判断もあります。

高齢者にとっては「病気を治すこと」より「日々を自分らしく過ごせること」が何より大切です。

第2の柱

転倒を防ぎ、筋力を維持する転倒は人生を変えてしまう重大事故高齢者にとって転倒は、寝たきりになる最も多いきっかけです。

骨折や入院による長期臥床は、廃用症候群(身体機能の喪失)を引き起こし、生活の質を一気に下げます。

家庭や地域でできる具体的な転倒予防策

・毎日取り組める簡単な体操やストレッチを習慣化する

・室内の段差をなくし、手すりや滑り止めマットを設置する

・足元に配慮した環境整備で「転ばない家づくり」を進める

廃用症候群は“動かない預金”

廃用症候群は、動かさない銀行預金のようなものです。

長く放置すると利息は減り、元本も目減りしていきます。

高齢者の筋肉も同じで、使わなければ衰え、取り戻すには時間も努力も必要です。

認知症高齢者に見える「不安」と「希望」

過去に転倒から敗血症を2度経験した認知症の高齢者がいました。

もう歩けないかもしれない」という恐怖は、体よりも心を深く傷つけます。

しかし、医療とリハビリ、そして家族の温かい支援により、心身ともに少しずつ回復。

高齢者は、「歩ける喜び」と「見守られている安心感」が回復の原動力になるのです。

介護者・家族・地域に求められる支えの形

介護者ができること

・毎日の体調や行動の変化に細やかに気づくこと

・無理なく続けられる運動や生活習慣を提案すること

・食事や排泄など、日常動作の維持を手助けすること

家族が果たすべき役割

・定期的な声かけや訪問で「心のケア」を行う

・医療や介護の選択肢について本人と共に考える

・本人の希望を反映した生活環境の整備を進める

地域が支える仕組み

・地域包括支援センターとの連携でサポート体制を強化

・健康講座や転倒予防教室などの地域活動の充実

・医療・介護の垣根を越えたネットワークの構築

現在の高齢者介護業界の課題とは

・医療と介護の「縦割り構造」により情報連携が不足している

・転倒防止などの地域支援体制が整っていない

・高齢者のQOLを無視した延命医療が横行している

・介護人材が不足し、現場が慢性的に疲弊している

・自立支援ではなく「管理」中心の介護が定着している

まとめ:百歳を迎えるには「治療」より「予防」と「生活の支援」

高齢者が100歳を元気に迎えるためには、「がんで早期に亡くならない」「転倒によって生活機能を失わない」この2点を意識することが大切です。

必要なのは、病気と闘うことよりも、日々の暮らしを守り支える力です。

老いとは「闘うもの」ではなく、「付き合い、受け入れるもの」。

私たち介護者の役割は、人生の最終章を穏やかに、そしてその人らしく過ごしてもらえるよう支えていくことにあるのです。

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