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がん患者数ピークの2040年
外科医は約4割減の予測
がん社会を診る
2025/08/20 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『家族が限界!85歳以上がん患者45%増で訪れる“介護崩壊”とは?』
はじめに
がんは、加齢に伴って発症リスクが高まる「老化に起因する病気」です。
日本が超高齢社会へと進む中で、がんは私たちの生活や介護に深く関わる課題となっています。
2040年にはがん患者数がピークを迎えるとされ、医療現場だけでなく、介護現場にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。
本記事では、介護者としての立場から、今後の「がん社会」にどう向き合い、どのように予防・対策を進めていくべきかを、具体的に考えていきます。
がんの2040年問題とは何か?
2040年、日本のがん患者数は年間およそ105万人とされ、史上最多となる見込みです。
その背景には、次のような人口構造の変化があります。
・生産年齢人口(15〜64歳)が大幅に減少する
・85歳以上の高齢者が大幅に増加する
・高齢者にがんが集中し、患者の年齢構成が変わる
この変化により、「手術が可能ながん患者」は減る一方、「高齢かつ手術が難しいがん患者」が増えると見込まれています。
がん治療の中心は、これまでの手術中心から、高齢者にも負担の少ない放射線治療や緩和ケアへとシフトしていくでしょう。
予防介護の考え方をがん対策に活かす
介護分野では、「予防介護」という考え方が浸透しています。
これは「要介護になってから支援する」のではなく、「介護が必要になる前に対策を行う」アプローチです。
この思想をがん対策にも応用すれば、「がんになる前に生活習慣を整えること」が鍵になります。
具体的には、以下のような取り組みが考えられます。
・バランスの良い食事と適度な運動
・十分な睡眠とストレスの軽減
・禁煙や定期的ながん検診の推奨
これは、企業経営でいう「損失が出てからリスクマネジメントを考えるのではなく、事前にリスクを洗い出して対策しておく」ことと同じ考え方です。

介護者の視点
がんと共に生きる高齢者を支える
◆結論
がんを患う高齢者が増える今後、介護者には「医療との連携」「情報の橋渡し」「心理的な支援」が求められます。
◆理由
多くの高齢者は、がんと診断されると「人生の終わり」と捉えてしまいがちです。
不安や絶望感から生活意欲を失い、要介護状態が進行することもあります。
◆具体例
・医師の説明が不十分で不安になった利用者に対し、介護スタッフが補足説明を行い安心させた
・放射線治療中でも、デイサービスでの活動を継続することで生活の質が向上した
通院に同行し、医療者とのコミュニケーションを仲介することで本人と家族の不安を軽減した介護者は、「がん治療」と「生活の維持」という二つの支援を同時に担う存在になってきています。
家族の視点
選択と支援の間で揺れる日常
高齢者のがん治療では、「延命か、生活の質か」という選択を家族が迫られる場面も多くなっています。
治療費や通院付き添い、意思決定の代行など、精神的・身体的な負担は想像以上です。
◆対応策として大切なこと
・ケアマネージャーや医療ソーシャルワーカーとの早期連携
・本人の意思を確認しておく「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」の活用
・通院介助や訪問看護など、公的支援サービスの積極的な活用
家族がすべてを抱え込まず、「介護のプロ」と連携することが、結果的に本人の幸せにもつながります。
地域の視点
医療資源の集約と公平性の課題
2040年にかけて、外科医の数は4割近く減少すると言われています。
その一方で、放射線治療のニーズは増える見込みですが、治療機器の導入には費用や地域格差の問題がつきまといます。
このような外圧的課題に対して、介護現場でも対応が進みつつあります。
◆現場での対応事例
・訪問介護による病院への通院支援サービスの拡充
・地域包括ケアシステムを活用し、在宅でもがん治療を支援する体制の整備
地域の医療機関・介護事業所が連携し、情報共有を行うネットワークの強化医療資源の不足を補うためには、地域全体が一つのチームになるという意識が欠かせません。
介護福祉領域で起きていること(2025年時点)
現在、介護業界はさまざまな課題に直面しています。
特に、がんのような医療依存度の高い利用者が増える中で、次のような変化が起こっています。
・介護職員の人手不足が慢性化している
・医療と介護の連携がより求められている
・タブレットやICT機器による情報共有の仕組みが整備されつつある
今後は、介護者が「医療的ケア」も担えるようになるための教育や支援体制が重要になっていくでしょう。

結論
介護者として「がん社会」に備えるために
介護者は単なる「お世話係」ではありません。医療と生活をつなぐ架け橋として、高齢者の人生に寄り添い、支えていく存在です。
2040年のがん患者ピークを見据えて、私たちが今からできることは次の2つです。
●予防の取り組み
・禁煙やピロリ菌除菌、栄養管理など、生活習慣の見直し
・定期的ながん検診の受診を促進する
●対応の準備
・放射線治療や緩和ケアへの理解を深める
・ACPの普及や家族との意思共有
・在宅医療の選択肢を増やす体制作り
医療と生活の「あいだ」に立つ私たち介護者が、どれだけ寄り添えるかが、これからの日本のがん社会を左右します。
備えは、今日から始められます。



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