介護で退職した人…40代で崩壊する“キャリア”と“生活”の共通点とは?

介護

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ダスキン、

介護と仕事の両立に関する

実態調査の結果を発表

2025/08/25 14:42

日経速報ニュース

ダスキン、介護と仕事の両立に関する実態調査の結果を発表 - 日本経済新聞
【プレスリリース】発表日:2025年08月25日9 月15日(月・祝)は敬老の日 大切な人にケアが必要になるときのこと、一緒に考えてみませんか?ダスキン ヘルスレント「介護白書 2025」国民の3割以上が高齢者(※1)、"仕事と介護両立者"...

【この記事の内容】

86%が不安…仕事と介護、両立できなかった人が語る“後悔”とは?

はじめに

仕事と介護の両立は“今”から始まる社会的課題

介護の現場では「シェアード・ケア(Shared Care)」という考え方があります。

これは、介護を一人で抱え込まず、家族・地域・職場・制度などが連携して支え合うことを意味します。

例えるなら、それは重たい荷物を複数人で運ぶリレーのようなものです。

1人で走れば途中で倒れてしまうかもしれませんが、バトンを渡しながら走れば、ゴールにたどり着く可能性は高まります。

現在、私たちが直面している「仕事と介護の両立」という課題は、このバトンの“渡し方”が問われる局面に来ています。

2030年には318万人が「仕事と介護の両立者」に

備えるべきは今

結論

個人の問題から社会全体の構造課題へと転換していく必要があります

ダスキンが発表した『介護白書2025』では、2030年には約318万人が「仕事と介護の両立」という二重負担を抱えるとされています。

これはもはや一家庭だけの問題ではなく、働き方改革や社会保障制度にも影響を及ぼす、国家的な構造課題です。

現場の声から見える「仕事と介護」の両立困難な現実未経験者の73%が「備えなし」、86%が「不安」と回答

理由

介護は突然始まるケースが多く、事前に情報を得たり制度を理解している人が少ないのが実情です。

具体的な事例

・40代で親が倒れ、介護に専念するため仕事を退職したケース

・介護休暇制度の存在を知らず、心身ともに限界に達し共倒れとなった例

主な課題

・情報の偏在とアクセス不足

・職場の制度理解

・柔軟性の欠如

・「まだ自分には関係ない」と考える意識の遅れ

仕事で培ったスキルは介護にも活かせる

72.3%が実感

介護と仕事の両立には共通する能力があります。

とくに「チームで動く力」や「相手の状況を察知する力」は、双方において重要です。

たとえば以下のように、仕事で得たスキルは介護でも有効に活用できます。

タスク管理能力

介護サービスのスケジューリングや役割分担の調整

コミュニケーション力

医療スタッフや家族との情報共有

柔軟な対応力

体調や感情の変化に応じた臨機応変なサポート

視点別にみる「仕事と介護両立」の課題と対策

【介護者視点】

孤立感と情報不足の二重苦

問題

情報が点在しており、どこから相談すればよいか分かりにくい

解決策

地域包括支援センターやケアマネジャーとの早期接点づくり。

企業内にも相談窓口や制度周知が必要です。

【高齢者視点】

迷惑をかけたくない」想いが支援を遠ざける

問題

体調の変化を隠し、自立へのこだわりから介護を拒むケースがある

解決策

日々の対話の中で小さな変化に気づくこと。

健康診断や介護予防活動への参加も重要です。

【家族視点】

負担の偏りが心のすれ違いを生む

問題

特定の家族に介護負担が集中しやすく、感情の衝突も発生しやすい

解決策

役割分担の「見える化」と、定期的な家族会議。

必要に応じて第三者(専門家)を交えた話し合いが効果的です。

【地域視点】

支えるインフラと人材の不足

問題

介護人材が地域によって偏在しており、福祉サービスへのアクセスも不均等

解決策

地域包括ケアシステムの拡充と、ICT(情報通信技術)による遠隔支援の導入が求められます。

「介護と仕事の両立」は社会の耐震構造を考察する

介護と仕事の両立は、社会という建物の“耐震構造”に似ています。

外からは頑丈に見えても、中に柔軟性や支えがなければ、いざ地震(介護の危機)が起きたときに崩れてしまいます。

社会の耐震性能を高めるには、個人の努力だけでなく、企業・地域・制度が一体となって“揺れ”に備える設計が必要です。

介護福祉業界で起きている4つの変化

1. デジタル介護記録の普及と効率化の進展

2. センサーなどのIoT機器による高齢者見守りの高度化

3. 外国人介護人材の拡大と多様なケアスタイルの導入

4. 介護家族向け支援サービスの民間による充実化

これらはすべて、「支える側」への支援強化に直結しています。

5年後に備える「今すぐできるアクションプラン」

介護情報を調べる:自治体や厚生労働省の情報を活用し、制度を理解しておく

家族と話す時間を持つ:「もしも」に備えた会話を今のうちに始める

職場の支援制度を確認:介護休暇や時短勤務制度の有無を把握し、必要に応じて相談

共感力を養う:介護には相手の立場を理解する力が不可欠。

仕事の現場で意識して育てる:自分のスキルを整理する

現在の仕事で得ている能力を、介護にも活かせるよう準備する

結論

「介護は突然やってくる」その備えは“今”しかできない

介護白書2025が示す未来像は、決して遠い話ではありません。

ある日突然、自分が介護の当事者になる」それが現実に起きています。

5年後の318万人問題に備えるには、「今からの準備」が必要です。

自分ひとりで抱え込まず、家族・職場・地域とバトンを渡し合える環境を整えていくことが、これからの介護と仕事の両立に不可欠です。

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