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「なにがあるかな、
セブンイレブン。」
新CMコンセプトで若者開拓
2025/09/02 11:57
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『近所のコンビニが高齢者を追い詰めるの理由とは?』
はじめに
コンビニが果たす、新たな役割とは?
介護の現場では、「生活機能の維持」が重要なテーマとして注目されています。
これは、身体機能の維持にとどまらず、買い物や外出、地域交流といった日常的な活動を継続することで、高齢者の自立と生活の質(QOL)を保つという考え方です。
この視点から見ると、コンビニは単なる「モノを買う場所」ではありません。
高齢者の生活機能を支える“身近な社会インフラ”としての価値が見えてきます。
特に大手チェーン店は、店舗数の多さやサービスの多機能性を背景に、これからの高齢化社会でますます重要な存在となるでしょう。
高齢者がコンビニに求める“日常の安心と交流”
高齢者やその家族、介護者、そして地域全体にとって、コンビニは次のような価値を持ちます。
介護者にとって:介護の合間に安心して利用できる休憩場所
高齢者にとって:日常的に外出できる目的地、社会との接点
家族にとって:高齢者の単独行動を安心して見守れる仕組み
地域にとって:顔なじみのスタッフがいる信頼できる拠点
特に高齢者にとっては、
「歩いて行ける」
「必要な物が揃う」
「誰かと会える」
そんな“暮らしのハブ”としての機能が、日常の安心につながっています。
「買い物弱者」が増える社会とコンビニの存在意義
現在、少子高齢化により、地域の買い物環境は大きく変化しています。
地方や郊外では、日常的な買い物すら困難な「買い物弱者」が急増しており、その背景には以下のような要因があります。
・一人暮らしの高齢者世帯の増加
・車の運転をやめたことによる移動手段の減少
・商店街や個人商店の閉鎖による買い物機会の減少
・認知症や足腰の不安による外出の制限
こうした中で、徒歩圏内にあり、食料品や日用品、公共料金支払い、宅配サービスまで対応するコンビニは、高齢者にとって非常に貴重な存在となっています。

高齢者が安心して利用できる店舗づくりの工夫
高齢者にとって使いやすいコンビニを目指すには、以下のような工夫が有効です。
・店内に座れる椅子や休憩スペースを設置
・店員による軽度な声がけや見守り(例:「こんにちは」のあいさつ)
・高齢者向けの小分け惣菜や食べきりサイズの商品ラインナップ強化
・ATMやスマートフォンの操作を丁寧にサポート
・地域のフレイル予防イベントとの連携や情報発信
これらの取り組みによって、コンビニは“単なる店舗”から“地域密着の生活支援拠点”へと進化していくのです。
介護現場から見る「近くにあるコンビニ」の重要性
私たち介護職が日々直面している現場の課題として、次のようなことが挙げられます。
・買い物支援の依頼が増加し、移動支援の負担が拡大
・通院や買い物の際の転倒・事故リスクが高まっている
・高齢者の社会的孤立やうつ傾向が深刻化
・一人暮らし高齢者の孤独死リスクの増加
・介護家族の負担が限界に達しているケースも
こうした中で、徒歩で気軽に通えるコンビニがあることが、さまざまなリスクを軽減します。
たとえば、「週1回の訪問支援」よりも「毎日の5分の買い物」の方が、生活機能の維持に効果的であるという声もあるのです。
コンビニが担う「地域包括ケア」の一部としての役割
「地域包括ケアシステム」とは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する仕組みです。
ここに、コンビニが果たす役割は想像以上に多様で、大きな可能性を秘めています。
たとえば
医療面:市販薬の販売や、処方箋の受け取り支援
介護面:介護用おむつや食事補助グッズなどの取り扱い
予防面:健康を意識した食事・栄養バランスの提案
住まい面:日常品や食品の宅配サービスの強化
生活支援面:スマホ操作や書類手続きなどのサポート
コンビニはすでに、小さな“包括支援センター”としての役割を担いつつあるのです。

まとめ
高齢者にとっての“コンビニ”は暮らしの味方
高齢者にとって、コンビニは次のような価値を提供しています。
・毎日の外出を促す小さな目的地
・社会とつながる安心の場所
・生活機能を維持する環境
・健康や生活支援を受けられる窓口
そして介護者にとっても、高齢者の「日常の自立」をサポートしてくれる大切なパートナーです。
今後、コンビニが「何かを買う場所」から「毎日ちょっと楽しみになる場所」へと進化することは、私たちすべてにとって、より豊かで安心できる暮らしにつながるはずです。



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