知らないと危険…訪問看護で「輸液」がない時に起こる悲劇とは?

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訪問看護で点滴しやすく 

事業所で「輸液」備蓄可能に、

厚労省

2025/11/03 20:00

日経速報ニュース

訪問看護で点滴しやすく 事業所で「輸液」備蓄可能に、厚労省 - 日本経済新聞
厚生労働省は点滴用の「輸液」を訪問看護ステーションで備蓄できるようにする。これまで病院や薬局に取りに行く必要があった。近くに医療機関がなかったり、休日・深夜で薬局が営業していなかったりすることもある。輸液が手元にあれば看護師が速やかに処置で...

【この記事の内容】

介護中に「もしもの点滴」が間に合わない…家族が後悔する理由とは?

はじめに

介護分野には「予防的支援」という重要な考え方があります。

これは、問題が起きてから対応するのではなく、起こる前に備えるという考え方です。

たとえば、転倒を防ぐための住宅改修や、脱水を防ぐための水分補給指導などがその具体例です。

この「予防的支援」の発想は、医療と介護の連携にも深く関係しています。

最近、訪問看護ステーションで「輸液(点滴液)」を備蓄できるようにする方針が検討されていますが、これもまさに“予防的支援”の一環です。

輸液を手元に備えておくことで、必要な医療処置をすぐに行うことができ、重症化を防ぎながら在宅での生活を守ることが期待されています。

なぜ「輸液の備蓄」が必要なのか

在宅医療の利用者が増え続ける今、輸液の備蓄は切実な課題です。

訪問看護を利用する高齢者はここ10年で2〜4倍に増えました。

高齢者は体調を崩すと脱水や感染症を起こしやすく、点滴による処置が必要になる場面も少なくありません。

しかし、現状では看護師が輸液を用意するために、病院や薬局まで取りに行く必要があります。

地域によっては薬局が遠く、夜間や休日には対応できないこともあります。

その結果、処置が遅れ、脱水が進行して救急搬送や入院につながるケースもあるのです。

これは「医薬品販売の規制」「地域格差」「輸液入手の時間的ロス」という三つの問題が重なった結果です。

現場での対応力を高めるには、“必要なときにすぐ使える”仕組みが求められています。

高齢者の心境と背景にある現実

高齢者にとって、体調を崩したときにすぐ点滴を受けられないのは大きな不安です。

特に一人暮らしの方や、家族が遠方に住む方にとって、「もし急に具合が悪くなったらどうしよう」という思いは常につきまといます。

介護の現場でも、次のような声が聞かれます。

「夜中に熱が出たが、すぐに輸液ができず不安だった」

「看護師さんが一度事業所に戻り、薬を取りに行く間がとても長く感じた」

「もしステーションに輸液があれば、もっと早く処置できたのに」

こうした声に共通しているのは、“安心の欠如”です。

輸液の備蓄は、医療処置を迅速に行うだけでなく、高齢者に「安心して家で過ごせる時間」をもたらす仕組みなのです。

介護者視点

安心できるケア体制の構築へ

介護者の立場から見ると、もっとも重要なのは「いつでも対応できる体制」が整っていることです。

輸液を備蓄できれば、看護師がすぐに処置を行えるため、時間的なロスが減り、利用者の命を守る確率が高まります。

また、看護師が何度も往復しなくて済むことで、人的負担も軽減されます。

家族や介護者にとっても、「いざという時にすぐ対応できる」という安心感が得られ、精神的な支えになります。

ただし、課題もあります。

輸液の管理責任や保管ルールを明確にする必要があり、医師や薬剤師との緊密な連携も欠かせません。

それでも、こうした備蓄体制が整うことで、「自宅で最期まで過ごしたい」という希望を叶える選択肢が広がるのです。

地域視点

医療と介護の“すき間”を埋める取り組み

地域によって医療資源の格差は大きく、特に地方や過疎地域では、夜間や休日に薬が手に入らないという現実があります。

この課題を解決するには、地域全体での連携が必要です。

たとえば、薬剤師会・訪問看護ステーション・行政が連携して、夜間対応薬局のリストを共有したり、輪番制で緊急時の対応体制を整えるといった仕組みが考えられます。

また、地域包括ケアの仕組みの中に「医療備蓄」を組み込むことで、地域全体が“命を支えるネットワーク”として機能します。

これは単なる規制緩和ではなく、「地域で暮らしを守る力を高める改革」といえます。

家族視点

在宅療養を支える安心の選択肢

家族にとって在宅介護は、安心と不安が常に隣り合わせです。

輸液がステーションに備えられていれば、「夜でも看護師がすぐ来てくれる」という安心感が得られます。

この“安心”は、介護疲れや不安の軽減につながります。

家族が安心して在宅療養を選べることは、結果的に高齢者本人の幸福にも直結します。

輸液の備蓄は、家族にとっても心強い「セーフティーネット」なのです。

今後の課題と期待される方向性

輸液備蓄の実現に向けては、いくつかの課題があります。

医療現場では保管ルールと管理責任の明確化、介護現場では情報共有体制の整備、地域社会では医療と介護の連携強化が求められます。

これらが整えば、在宅療養者が安心して暮らせる環境が整い、救急搬送や入院を減らすことも期待されます。

つまり、輸液備蓄は「在宅医療の質を一段階引き上げる改革」といえるのです。

まとめ

介護者としての考察

結論として、輸液の訪問看護ステーション備蓄は、介護の現場における新しい“安心の基盤”になります。

介護者の立場から見れば、輸液備蓄は「命をつなぐ時間を生み出す」仕組みです。

そしてその仕組みを支えるのは、看護師・家族・地域の連携です。

介護の現場では、「備え」が命を守る最も確実な方法です。

輸液の備蓄は、その“備え”を形にする第一歩として、今後の在宅医療と介護をつなぐ新たなスタンダードになるでしょう。

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