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認知症の行方不明者高水準、
24年1万8000人
GPS介した発見は全員生存
2025/06/05 14:17
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『放置できない!28km歩き続けた認知症高齢者、守れた命と失われた命』
はじめに
認知症による徘徊や行方不明は、その象徴とも言える問題です。
本人にとっては“ちょっとした外出”でも、結果的に家族や介護者にとっては大きなリスクになります。
2024年、全国で届け出があった認知症の行方不明者は1万8121人。
これは数字以上に、一人ひとりの人生や家族の想いが詰まった重い現実です。
認知症の行方不明者数は、なぜ減らないのか?
・2012年から約2倍に増加
・2024年は918人減少したが、依然として高水準
・発見時に死亡が確認された491人のうち、8割近くが自宅から5キロ以内で発見
多くの方が、知らぬ間に身近な場所で命を落としています。
徘徊の原因は記憶障害だけでなく、不安や孤独といった心理的要因にも関連しています。
高齢者は「迷っていない」と思っている
施設での経験では、「近くのコンビニまで」と言って外出し、そのまま帰れなくなるケースが少なくありません。
本人は自覚がなく、自分が“迷子”だとは思っていないのです。
これは、自尊心と現実認識とのギャップからくるもので、認知症特有の見えづらい障壁です。
テクノロジーが救った命
GPSによる発見者は全員生存GPSやスマホ連動のタグを活用して発見された行方不明者は、2024年に111人。
その全員が生存していました。
この技術は単なる追跡ではなく、本人の「もう一つの記憶」として機能する命綱です。
ドローンによる捜索でも成果があり、今後さらに活用が広がると考えられます。

現場で起きていること
介護の現実
・散歩中に戻らなくなった高齢者の捜索
・デイサービスの送迎中の突然の外出
・家族が寝ている間の夜間外出
対策としては、センサー付きドアやGPSタグ、職員による観察の徹底などが行われていますが、すべてを防ぐことは難しいのが実情です。

それぞれの立場で考えるべき課題と対策
介護者
自由を奪わずに安全を守るため、見守り機器やリスクマップを活用
高齢者本人
孤独や不安への支援と信頼関係の構築が重要
家族
GPSや地域のサポートを活用し、責任を分散
地域社会
認知症サポーターの育成や自治体との連携で支援体制を強化
「行方不明=生活のGPSが失われた状態」
認知症による徘徊は、まるで人生という地図の上で“ナビ”を失ってしまった状態とも言えます。
私たち介護者がそのナビを補うのが、GPSや声かけ、地域連携です。
人間の生活機能も、年齢とともに“現在地”を見失っていきます。
それを補う仕組みを整えることが、介護現場の役割だと考えています。
私たちにできること
備える介護、支える社会
・家族との連携を深め、GPSやタグを日常的に使用
・行動傾向を早期に把握し、徘徊リスクに備える
・行政・地域との協力体制を強化
・職員向けマニュアルの整備と定期訓練を実施

結論
命と尊厳を守るために、私たちは動き続ける
認知症の徘徊や行方不明は、すぐ隣にある現実です。
それを防ぐために必要なのは、テクノロジーだけではなく、人とのつながりと早期の気づきです。
介護者は、自由と安全を両立させる存在として、この問題に日々向き合っています。
「誰ひとり取り残さない社会」を実現するために、私たちは今、行動する必要があります。



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