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変わる家族のあり方(4)
市場や国家による役割の代替
2025/06/24 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『あなたの介護が親を壊す!8割が知らない“家族だけ”介護の落とし穴』
はじめに
昔は、親の介護は家族の当然の務めとされ、家庭内の「私的」な問題として扱われてきました。
しかし今では、介護保険制度をはじめとした公的支援や、訪問介護・デイサービスなど民間の介護サービスが普及し、介護は社会全体で担うものへと変わりつつあります。
これは、昔の家庭では毎日薪を焚いてお湯を沸かしていたのが、今では蛇口をひねればお湯が出る時代になったことと似ています。
便利になった一方で、「手間をかけること」で生まれていた家族の役割や絆は、気づかないうちに形を変えているのです。

家族の役割が外に出る背景とは?
家庭外の介護が増えた主な理由
高齢化の進行
要介護者が増え、家庭だけでは支えきれなくなった
女性の社会進出
家事や介護を担っていた女性が職場に出るようになり、家庭のマンパワーが不足
テクノロジーや市場の成長
家電や介護ロボット、家事代行など、代替手段が豊富に
公的制度の整備
介護保険制度など、国が制度として介護を担うようになった
これらの要素が重なり、家族だけで支える介護から、外部に委ねる介護へとシフトしています。
これは「逃げ」ではなく、「時代に合わせた選択」として受け止めるべきでしょう。

高齢者の心境
頼ることへのためらいと、再びつながる手立て。
高齢者の思い
・「家族に迷惑をかけたくない」という遠慮
・家族との距離が離れていくことへの寂しさ
・介護を受けることで「自分の価値」が見えにくくなる不安
高齢者への具体的な支援
・地域のデイサービスや交流の場への参加を促し、孤立感の緩和を図る
・ICT(例:ビデオ通話)を活用して、家族とのつながりを保つ
・「できること」に着目し、役割を再発見できる環境をつくる(掃除・趣味・園芸など)
介護者の視点
制度に助けられる安心と、心の葛藤介護を外部に頼る
メリット
・身体的・精神的な負担が軽減される
・専門的なケアが受けられる
・家族が共倒れにならないようリスクを分散できる
しかし、それでも残る迷い
・「自分がやるべきだったのでは」という罪悪感
・施設に任せきりになっていることへの不安
・介護によって変化する家族の役割に戸惑う
介護者に必要な支援と準備
・サービスや支援制度の積極的な情報収集と活用
・ケアマネージャーや家族との定期的な話し合い
・自分のケアを忘れずに。
レスパイト(介護者の休息)の取り入れも重要
地域の役割
新しい「ゆるやかな共同体」の姿
今後、介護を「家族の責任」とだけ考えるのではなく、地域全体で支える仕組みが求められます。
地域が直面する課題と対策
・介護は個人の問題だという思い込み
→ 介護教室や地域包括支援センターの活用
・高齢者の孤立
→ 見守りネットワークやサロン活動での交流機会の創出
・専門職間の連携不足
→ 医療・福祉・行政の情報共有と連携の強化

介護現場から見る、変化のリアル
現場では、家族から介護サービスへとバトンが渡される場面が増えてきました。
・デイサービスや訪問介護の利用が急増中
→ 食事や入浴など、これまで家族が担っていた役割をプロが補完
・「介護疲れ」が減少
→ 外部の力を借りることで、家族の心にも余裕が戻っている
・高齢者自身が「プロに頼みたい」と言う時代
→ 介護を受ける側の心理的ハードルが低くなってきていることの表れです

結論
これからの介護は、社会全体で考えるべき「共同の営み」
家族の介護負担が市場や制度によって補完されるようになった背景には、社会の変化と生活スタイルの多様化があります。
それにより、介護は「家庭の役割」から「社会の役割」へと進化してきました。
高齢者の心境と向き合うヒント
・「迷惑をかけたくない」と感じる人には、「社会資源の活用は自立の一形態」であることを丁寧に伝える
・孤独を感じる人には、「新たなつながりが生まれる場所」を紹介する
・介護者や家族には、「罪悪感ではなく協働意識」を育てるサポートが重要介護は、もはや一部の人に任せるものではなく、社会全体で支え合うものです。
家族・地域・制度が連携し合い、誰もが安心して年を重ねていける未来を築いていく必要があります。



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