熱中症の関連記事
東京都、
職場の熱中症対策を支援
訪問介護や屋外作業で
2025/06/02 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『まさかの盲点!介護者が知らない“夏の落とし穴”熱中症』
はじめに
熱中症は見えない火傷
皮膚が赤くなるわけでもなく、急に倒れてしまう熱中症の症状。
それはまるで、目に見えない火傷のように、体をじわじわと傷つけていきます。
介護の現場では、この“静かな火傷”が命に関わるリスクになり得ます。
高齢者介護に従事する私たちは、こうした危険を未然に防ぐためにも、熱中症対策を「任せる側」から「担う側」へと意識を変える必要があります。
つまり、介護者自身が率先して行動する時代が来ているのです。
なぜ今、東京都が熱中症対策の支援に力を入れるのか?
深刻化する猛暑、そして見過ごされがちなリスクここ数年、都内の職場で熱中症による死傷者数が100人を超える状態が続いています。
特に発生時期は7月から8月に集中しており、猛暑による健康被害が無視できない段階にあることが分かります。
小池都知事は「暑熱順化(しょねつじゅんか)」つまり、暑さに徐々に体を慣らしていくことの大切さを訴えました。
この考え方は、過酷な気象条件のもとで体を守るために欠かせない準備です。

介護の現場における熱中症リスク
訪問介護の現実
訪問介護の現場では、1日に複数の高齢者宅を自転車や徒歩で移動することが一般的です。
その中には、エアコンが使われていない住宅も多く、介護者も高齢者も長時間高温環境にさらされるリスクがあります。
高齢者が抱える身体的・心理的ハードル
高齢者は体温調節が難しくなり、熱を体外に逃がしにくくなります。
さらに、電気代を気にしてエアコンの使用を控える方も少なくありません。
昔ながらの「我慢する文化」も影響しており、「若いころはクーラーなしで過ごせた」という思い込みが、冷房利用の妨げになっていることもあります。
各立場から見る課題と対策
介護の現場では、関わるすべての立場がそれぞれの課題を抱えています。
・高齢者は、熱中症の症状に気づきにくく、冷房の使用にも慎重になりがちです。
そのため、こまめな見守りと声かけが不可欠です。
・介護者は、暑さの中で多忙な業務に追われる中、自身の水分補給を忘れてしまうことがあります。
冷却グッズやクールベストの導入、十分な休憩時間の確保が必要です。
・家族は、離れて暮らしている場合、熱中症の兆候を発見するのが難しくなります。
定期的な連絡やモニタリング機器の活用が対策となります。
・地域は、高齢者の孤立や支援不足という問題に直面しています。
民生委員や自治体職員による訪問支援が、地域レベルでの命を守る力となります。
都の支援を現場でどう活かすか
東京都は、訪問介護や建設業など屋外業務が中心となる事業所に対し、小型ファン付き作業服やクールベストなどの購入を補助しています。
費用の75%を支援し、職員数に応じて最大50万円まで補助金が出る制度です。
私の職場でも、70代のベテランヘルパーの体調管理の一環として、クールベストとファン付き帽子の導入を進めています。
その結果、作業への不安や負担が明らかに軽減されてきました。

初動がカギを握る熱中症対応
熱中症は、「予防9割、対応1割」の考えが鉄則です。
初期段階での対応が遅れると、命に関わる重症化を招きます。
・まずは日陰や冷房のある場所でこまめに休憩を取りましょう。
・ペットボトルで首や手を冷やすなど、簡易的な冷却手段を常に持ち歩くことも重要です。
・スポーツドリンクや経口補水液を常備し、こまめな水分補給を忘れずに。
・そして、介護者として高齢者の体調の変化に敏感に気づく
「変化察知力」を身につけることが、命を守る力になります。
「暑熱順化」を生活に取り入れる工夫「暑熱順化」とは、体を暑さに慣れさせるトレーニングのようなものです。
ビジネスで例えるなら、新しい市場に参入する前に試験的なリサーチを繰り返すプロセスに似ています。
介護者ができる実践方法としては、
・通勤時に一駅多く歩く
・朝の軽い運動やストレッチで汗をかく習慣をつける
・半身浴などで少しずつ体を暑さに慣らす
これらはすべて、現場でのパフォーマンスと安全性を高める「体づくり」の一部です。
介護者の対応力が、命を守る
現場責任者には、次のような対応力が求められます。
・屋外作業初日・2日目は、特に注意を払うこと
・体調変化を見逃さない「1日1分の体調チェック」
・1時間ごとの「水分タイム」など、全体での意識づけ
また、介護者は地域における「早期発見の目」としても機能します。
高齢者宅で冷房が使われていない、異常に汗をかいているなどの異変を察知し、必要な支援につなげる役割を担っています。

まとめ
熱中症を“自分ごと”にする意識改革を
熱中症は静かに忍び寄る災害ですが、対策さえ取れば防げる災害です。
高齢者本人、介護者、家族、地域がそれぞれの役割を果たすことで、未然に防ぐことが可能になります。
「備える」「気づく」「すぐ動く」。
この3つを今すぐ実践することで、命を守る大きな力となります。



コメント