【限界】「一人で親を看る」介護者が直面する地獄

介護

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変わる家族のあり方(1)

加速する家族規模の縮小

2025/06/19 05:00

日経速報ニュース

変わる家族のあり方(1)加速する家族規模の縮小 - 日本経済新聞
近年、あらためて家族や家計のあり方が注目されています。拡大家族や核家族といった伝統的な家族モデルは崩れつつあり、家族・家計の構造にも大きな変化が生じています。こうした変化に伴い、どのような課題が生じ、社会・経済制度はどのような対応を求められ...

【この記事の内容】

介護崩壊を招く“ひとり親介護”の兆候とは?

はじめに

この記事では、家族の形が小さくなっていく流れが、どのように高齢者介護に影響を与えているのかを、さまざまな視点から考えていきます。

家族のかたちはどう変わったのか?

1950年代の日本では、3世代が一つ屋根の下で暮らす拡大家族が一般的でした。

しかし、今では高齢者のみの世帯や単身世帯が増えています。背景には以下のような社会の変化があります。

結婚する人が減った(未婚化)

結婚の時期が遅くなった(晩婚化)

子どもが少ない(少子化)

配偶者との死別や離婚の増加

1953年の日本の平均世帯人数は5人でしたが、2023年には2.23人にまで減少。2033年には2人を切ると予測されています。

もはや核家族でさえ「家族規模が大きい」と感じる時代になっています。

家族規模の縮小が介護に与える影響

介護者の立場から

支える人が少ない現実

以前は家族全体で介護を分担できていましたが、今は以下のような課題が出てきています。

・一人っ子が親2人を抱える

・きょうだいがいても遠方に住んでいて協力できない

・子どもも高齢者となり、老老介護になる

例えば、80代の母を60代の娘が一人で介護していた事例があります。

娘自身も持病や腰痛を抱えており、二人とも限界寸前の状態でした。

このように、介護者が孤立し、共倒れの危険すらあるのが今の現実です。

高齢者の立場から

不安と孤独が増す

家族規模が縮小すると、高齢者は以下のような孤立に直面します。

・相談できる人がいない

・自分の最期を看取ってくれる人がいない

・認知症が進行しても周囲に気づかれない

実際、「子どもに迷惑をかけたくないから、元気なうちに施設に入ろうと思う」という声も多く聞かれます。

こうした“自主的な判断”の裏には、深い孤独や不安が隠れています。

家族の立場から

分担の困難さと摩擦

今の家族構成では、介護の負担が一部の人に集中しがちです。

その結果、以下のような問題が生じます。

・「なぜ私だけが介護しているのか」といった不満

・有給消化、退職などによる経済的負担

・介護の方針をめぐる家族間の対立

かつてのように近くに住む家族が多ければ支え合えましたが、現代ではそれが難しくなっています。

地域の立場から

支え合いの再構築が必要

家族に代わる支援の柱として、地域の役割が重要になってきました。

・見守り活動を担うボランティアの育成

・介護予防を目的とした地域活動の強化

・日常の買い物や移動を支援する

住民同士のサポートしかし、現実には人手不足や資金不足が深刻で、こうした仕組みが持続できるかどうかが課題です。

介護者として考えるべき3つの対策

対策1:準備は早いほど良い

・地域包括支援センターやケアマネジャーに早めに相談

・デイサービスや配食サービスなど、地域資源の情報収集

・成年後見制度や延命治療の希望など、意思確認の準備

対策2:介護を「個」の問題にしない

・「介護は家族だけでやるもの」という考えを見直す

・自治体やNPO、企業との連携を強化する

・介護離職を防ぐため、職場に理解を求める

対策3:家族の定義を柔軟に捉える

・血縁関係にとらわれない支援関係を尊重する

・友人やご近所とのつながりも「家族」の一部と考える

・同性カップルや再婚家庭など、多様な家族に対応できる制度づくり

支え合いのかたちを、ひとつの柱にしないために

家族の規模が小さくなっていくのは、避けられない時代の流れです。

だからこそ、私たちは「誰かひとりがすべてを背負う介護」から脱却し、地域、制度、多様なつながりとともに、支え合う仕組みを構築していく必要があります。

介護とは、単なる「お世話」ではありません。それは、「人と人が支え合う関係性を築く行為」なのです。

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