長寿社会の関連記事
北九州市24年の人口減少数が
全国最多、
市長「長寿社会のモデルに」
2025/08/07 18:30
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『あと5年で介護崩壊?現場の悲鳴と対策とは』
はじめに
介護者として「長寿社会のモデル都市」を実現するためには、地域・家族・専門職が連携して高齢者を支える仕組みを構築することが欠かせません。
北九州市のように急速に高齢化が進んでいる地域では、高齢者が住み慣れた自宅や地域で、最期まで安心して暮らせる環境づくりが大きな課題です。
その実現には、介護専門職だけでなく、家族、地域住民、行政などが一体となり、包括的な支援体制をつくる必要があります。
背景:北九州市が直面する高齢化と人口減少の現実
2024年、北九州市は全国の市区町村の中で最も多くの人口減少(7,664人)を記録しました。
注目すべきは、高齢化率が30%を超え、政令指定都市で最も高い水準である点です。
また、出生数が死亡数を大きく下回る「自然減」が大きな要因であり、今後もこの傾向は続くと予測されています。
背景にある主な要因は以下の通りです。
自然減:出生数が減少し、死亡数が増加している
若年層の流出:仕事や教育を理由に若者が市外へ転出
地域の構造的変化:かつての工業都市から高齢者の定住地域へと変化
地域包括ケアの考え方を“まちづくり”に応用する
介護の分野には「地域包括ケアシステム」という概念があります。
これは、高齢者が住み慣れた地域で、自立した生活を続けられるように、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する仕組みです。
この考え方は、都市計画や地域コミュニティづくりにも応用できます。
つまり、介護の枠にとどまらず、地域全体が高齢者を支える体制を整えることが可能です。
たとえば、次のような展開が考えられます。
・地域にコミュニティカフェや買い物代行サービス、福祉タクシーを導入し、外出しづらい高齢者の生活を支援する
・地域住民、ボランティア、企業が連携し、生活のちょっとした困りごとを助け合う共助の体制を整える
・高齢者向け住宅に見守りセンサーを設置し、安心して自宅で暮らせる環境を整える
このように、介護で使われる考え方を、地域の仕組み全体に広げることで、高齢社会に適応したまちづくりが可能になります。

介護者の視点
人材不足と制度の限界にどう向き合うか
結論
介護の質と量の両面を高めるためには、制度の見直しと現場支援の充実が必要です。
課題
・高齢者が増える一方で、介護職員は慢性的に不足
・離職率が高く、待遇・研修・精神面での支援が足りない
対策
・業務効率を高めるためICT(情報通信技術)を導入
・外国人介護人材の受け入れと教育体制の強化
・職員のメンタルヘルスを支援する仕組みの整備
高齢者の視点
尊厳ある自宅生活の実現へ
結論
高齢者が望む「自宅での暮らし」を守るには、安心・安全を同時に満たす支援が必要です。
背景
・多くの高齢者が、施設より自宅での生活を望んでいる
・しかし、独居や認知症によりリスクが高まるケースが増加
対策
・定期訪問介護やリモートモニタリングによる見守り
・地域ボランティアによる声かけ
・支援の体制づくり
・自宅のバリアフリー改修への補助制度の充実

家族の視点
介護の「孤独」から抜け出すために
結論
介護を“家庭内の責任”から“社会で支える仕組み”へ転換すべきです。
課題
・介護による離職や心身の疲弊が家族にのしかかる
・共働き世帯や遠距離介護など、多様な家庭環境に対応が必要
対策
・短時間の代替介護や一時預かりを含むファミリーサポート制度の拡充
・実効性ある介護休業制度の普及
・「介護家族カフェ」など、同じ立場の人とのつながりを支援する場の整備
地域の視点
支え合いのコミュニティが街を変える
結論
地域全体が「介護を共に担う意識」を持つことで、持続可能な社会が形成されます。
課題
・地域が無関心であれば、高齢者の孤立や虐待のリスクが高まる
・逆に支援の体制を整えれば、住民の安心感が高まり、まち全体が活性化する
対策
・民間企業やNPOと連携した生活支援(買い物・送迎・掃除など)
・認知症サポーターの育成講座を地域で定期開催
・空き家を活用した多世代交流の拠点を設置し、世代間のつながりを強化
介護福祉の現場で起きていること
現場では次のような問題が顕在化しています。
・夜勤や重度対応ができる職員の不足
・有資格者と無資格者のスキル
・給与格差・地域による介護サービスの格差
・ロボットやICT、AIなどの新技術が導入されつつある
・高齢者の生活背景が複雑化(認知症+障がい、単身世帯など)

まとめ
北九州市が“長寿社会のモデル都市”になるために必要なこと
北九州市は、急速な高齢化と人口減少という課題を抱える一方で、これからの日本の高齢社会のモデルケースとなる可能性を秘めています。
その実現のためには、以下の行動が求められます。
・介護者は、スキルアップと業務効率化を両立する仕組みを整える
・家族は、介護の負担を一人で抱えず、支援制度を柔軟に活用する
・地域は、住民が互いに支え合えるコミュニティを再構築する
高齢者が「生きがい」と「尊厳」を持ち、「安心して暮らせる社会」を築くために、私たち一人ひとりができることから動き出すことが、モデル都市への第一歩です。



コメント