高齢者が口に出さない本音…人手不足介護の裏側とは?

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労働力不足43万人、

外国人「育成就労」で補完 

27年度から新制度

2025/12/23 12:00

日経速報ニュース

労働力不足43万人、外国人「育成就労」で補完 27年度から新制度 - 日本経済新聞
政府は2027年4月から、現状の技能実習制度に代わる在留資格「育成就労」の受け入れ枠(上限)を28年度までの2年間で43万人とする方針だ。より習熟度が高い特定技能制度と合わせて123万人まで労働者を受け入れられるようにして、人手不足に対応す...

【この記事の内容】

限界?介護現場が崩壊する理由…人手不足はもう止まらない

はじめに

介護現場の労働力不足は、単純に「人が足りない」という問題ではありません。

本質は、「人をどのように育て、どう定着させ、互いに支え合える仕組みをつくるか」という構造的な課題にあります。

高齢者や外国人労働者の活用は避けて通れない現実ですが、制度を導入するだけでは問題は解決しません。

介護現場だけでなく、家族や地域を含めた全体の再設計が求められています。

介護分野ではよく、「介護はサービス業である前に、関係性の仕事である」と言われます。

この考え方を起点にすると、今回の問題の核心が見えてきます。

人手とは単なる労働力を指しますが、人材とは関係性を築き、信頼を積み重ねられる存在です。

この違いを意識することが、介護の人材不足を考える上で重要です。

介護現場で起きている労働力不足の実態(介護者視点)

結論から言えば、介護現場はすでに限界に近い状態にあります。

その理由は、高齢者人口が増え続ける一方で、介護職員の平均年齢も上昇し、若い世代の新規参入が少ないこと、さらに離職率が高止まりしている点にあります。

現場では、こうした課題が日常的な負担として現れています。

本来であれば二人で行う業務を一人で担当する場面が増え、夜勤回数の増加によって心身の疲労が蓄積しています。

また、急変時に十分な人手が確保できない不安を抱えながら働く職員も少なくありません。

新人や外国人職員を育成したくても、研修や指導に割ける時間が確保できないのが現状です。

感覚的には、必要とされる人員の八割程度で現場を回している施設が多いと感じます。

これは、常に余裕のない状態で業務を続けていることを意味します。

高齢者が感じている不安と心境(高齢者視点)

高齢者は、介護現場の人手不足を想像以上に敏感に感じ取っています。

その理由は、介護が生活そのものと直結しているからです。

高齢者の多くは、

職員が忙しそうで話しかけづらい

毎回担当者が変わって落ち着かない

自分が迷惑をかけているのではないか

といった不安を抱えています。

これらは単なる人数不足の問題ではなく、関係性が十分に築けないことから生じる不安です。

高齢者にとって介護職員は、身体を支える存在であると同時に、自分の生活リズムを理解してくれる人であり、時には最後の社会的なつながりでもあります。

そのため人手不足は、ケアの質が下がる以上に、「自分は大切にされていないのではないか」という感覚を生みやすくなります。

外国人労働者受け入れの意義と限界(介護者視点)

外国人労働者は、即戦力として考えるよりも、育成を前提とした仲間として受け入れる必要があります。

なぜなら、介護の仕事には、細やかな日本語での意思疎通、文化的背景への理解、現場ごとの暗黙のルールや空気を読む力が求められるからです。

国全体としては、数十万人規模の労働力不足を補うために、数年の就労を経て定着や長期的な活躍を期待する制度設計が進められています。

介護分野もその対象に含まれています。

しかし現場では、教育や指導を担う余力が不足しており、日本人職員の負担が増える傾向があります。

その結果、「教える側が疲弊して辞めてしまう」という悪循環が起きやすくなっています。

家族が直面する課題と期待(家族視点)

家族は、「人が足りない介護」に対して強い不安を抱えています。

多くの場合、介護を施設や事業所に任せきりにせざるを得ないためです。

具体的には、事故が起きないか、誰が日常のケアを担当しているのか分からない、外国人職員ときちんと意思疎通ができているのか、といった不安が挙げられます。

こうした不安に対しては、外国人職員の役割や背景を丁寧に説明し、顔と名前が一致する関係づくりを進めることが重要です。

また、日々のケア内容を分かりやすく共有する工夫も欠かせません。

地域が担うべき役割(地域視点)

介護は、施設の中だけで完結するものではありません。

介護人材が定着するかどうかは、働く人の生活環境に大きく左右されます。

特に地方では人材流出が深刻で、外国人労働者が地域の中で孤立しやすい状況があります。

住居や交通など、生活面での支援が十分でないケースも少なくありません。

地域として交流の場をつくったり、日本語学習や生活相談の機会を用意したりすることで、介護人材が安心して暮らし、働き続けられる環境を整えることができます。

介護思考で考える介護人材問題

ビジネスの世界では、製造業を例に「人は部品ではなく、工程全体を理解する存在」と捉えます。

この考え方を介護に当てはめると、示唆が得られます。

人を交換可能な労働力として扱えば、いずれ現場は立ち行かなくなります。

一方で、人を育てる資源として捉えれば、組織は持続可能になります。

介護福祉の現場でも、外国人職員を単なる補充要員ではなくチームの一員として迎え入れ、高齢者を「利用者」ではなく関係性の主体として見る視点が重要です。

そして何より、介護者自身を消耗品にしない制度設計が求められます。

介護者として考える最終的な対策

結論として、人を増やす前に、まず関係性を整えることが最優先です。

教育と定着を前提とした外国人労働者の受け入れ、高齢者の不安に寄り添う関係性重視のケア、家族や地域を巻き込んだ支援体制、そして介護者が無理なく働き続けられる職場づくりが不可欠です。

まとめ

介護現場の労働力不足は、高齢者、外国人労働者、家族、地域のすべてが当事者となる問題です。

制度は人数を補うことはできますが、介護そのものは人と人との関係で成り立っています。

介護者として、「どうやって人を増やすか」ではなく、「人が続けられる介護をどうつくるか」を考え続けることが、これからの最大の対策だと考えます。

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