知らないと詰む…75歳以上の認知症が一気に増える現実とは?

介護

高齢化の関連記事

危機感を高め高齢化に克つ日本を

海図なき時代に

2026/01/08 19:00

日経速報ニュース

[社説]危機感を高め高齢化に克つ日本を - 日本経済新聞
2026年の日本は世界に例のない高齢化に危機感を高めて向き合う必要がある。人口の6人に1人が医療、介護のニーズが大きい75歳以上の後期高齢者となる。持続可能な「支え方」を見極め、改革を急がねばならない。75歳以上の人口は25年12月時点で2...

【この記事の内容】

『放置すると危険…軽度認知症の75歳が急に要介護になる分岐点とは?』

はじめに

75歳以上の後期高齢者が急増する時代に入り、私たちは避けて通れない問いに直面しています。

それは、「高齢者をどのように支えるのか」「誰が、どこまで、どのような形で支えるのか」という問題です。

これまでの日本では、「高齢になれば支えられる側になる」という前提で制度や仕組みが作られてきました。

しかし、人口構造や社会環境が大きく変わった現在、その延長線上だけでは立ち行かなくなっています。

本記事では、介護の現場に立つ介護者の視点を軸に、高齢者本人、家族、地域、制度という複数の立場から、これから求められる「持続可能な支え方」について、できるだけ具体的に考察していきます。

結論

75歳以上を一括りにせず、「支え方を分ける改革」が必要です

結論から言えば、75歳以上の人を一律に「要介護予備軍」とみなす考え方は見直す必要があります。

これからの社会では、高齢者の状態や役割に応じて、支え方を段階的に分ける改革が不可欠です。その理由は大きく三つあります。

まず、後期高齢者の数そのものが、当初の想定を超えるスピードで増えていること。

次に、健康状態や経済状況、生活能力の個人差が非常に大きくなっていること。

そして、介護人材や財源の両面で、これまでの仕組みが限界に近づいていることです。

今後は、「誰を」「どのレベルで」「どのように支えるのか」を前提から組み直す必要があります。

75歳以上の後期高齢者が直面する現実とは

後期高齢者は、すでに社会の中で大きな存在感を持つ層になっています。

人口規模で見れば、75歳以上の人は約2,100万人に達し、国民のおよそ6人に1人を占めています。

今後、人数が急減するわけではなく、全体に占める割合はさらに高まっていく構造です。

この変化は単なる「高齢者が増えた」という話ではありません。

医療や介護のニーズが特定の年代に集中し、家族だけで支えることが難しくなり、地域全体の支援力が問われるという、複数の課題が同時に起こる構造問題なのです。

高齢者本人の心境と、その背景75歳以上の高齢者の多くは、複雑な気持ちを抱えながら日々を過ごしています。

「まだ自分は動ける」「人の役に立ちたい」という誇りがある一方で、「いつ迷惑をかけるか分からない」という不安も常にあります。

近年の高齢者は、以前より健康寿命が延び、スマートフォンやデジタル機器にもある程度対応でき、社会とのつながりを持ち続けたいと考える人が少なくありません。

それにもかかわらず、年齢だけを理由に「支えられる側」に固定されることで、意欲や能力が活かされない場面が増えています。

介護者視点:現場ではすでに変化が起きています

介護の現場では、すでに大きな変化が起きています。

比較的元気な高齢者と、医療的なケアが欠かせない高齢者との二極化が進み、家族の介護疲れが早い段階で表面化するケースも増えています。

夜間や緊急対応への負担も年々重くなっています。

介護者として強く感じるのは、人手不足が慢性化する中で、本来は自立できる人まで「介護に委ねる」構造が生まれていることです。

これは現場の善意だけでは解決できない問題であり、仕組みそのものの見直しが求められています。

家族視点:支えたい気持ちと現実の狭間で

家族介護を担う人たちは、「できる限り親を支えたい」という思いと、現実的な制約の間で揺れ動いています。

仕事との両立が難しく、介護の知識も十分ではなく、費用の全体像も見えにくい。

結果として、「どこまで自分がやるべきなのか分からない」という不安を抱え続けることになります。

しかも、75歳以上の親を支える世代自身も、体力や経済的余力が低下し始める50代から60代です。

家族だけに負担を押し付けるモデルは、すでに限界に近づいています。

地域視点:これからは「点」ではなく「面」で支える

地域包括ケアとは、住み慣れた地域で医療や介護、生活支援を受けられる仕組みのことです。

しかし現実には、担い手不足や住民の高齢化が進み、ボランティア頼みの体制には限界が見えています。

これからの地域には、見守りをデジタル技術で補完し、高齢者自身が役割を持てる場をつくり、専門職と住民の役割を整理する視点が欠かせません。

介護思考で考える持続可能な支え方

ビジネスやインフラ設計の世界では、「すべてを同じ基準で守ろうとすると、全体が壊れる」という考え方があります。

道路や橋も、交通量や用途に応じて設計が変えられています。

介護も同じです。

元気な75歳には見守りと社会参加の機会を、軽度の支援が必要な人には部分的な支援を、重度の人には集中的なケアを行う。

負荷に応じて支え方を変えることで、全体として持続可能な仕組みになります。

人口構造の変化、労働力不足、財政制約という外からの圧力が強まる中で、「全員を同じように守る制度」はもはや続きません。

まとめ

介護者として見極めるべき未来

介護者として大切なのは、「守る」ことだけを目的にしない視点です。

高齢者の力を活かし、全員を弱者にしない仕組みをつくり、支える側自身も守られる構造を整えることが重要です。

75歳以上の後期高齢者が増える社会は、悲観すべき未来ではありません。

支え方を再設計できれば、社会全体の活力を保つことは十分に可能です。

持続可能な支え方を見極め、現場・家庭・地域・制度が連動する改革を進めることこそ、これからの介護者に求められています。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました