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進行早い膵臓がん、
年1回の検査では発見間に合わず
がん社会を診る
2025/06/11 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『知らなきゃ危ない!膵臓がんの兆候に気づけなかった失敗とは?』
はじめに
高齢者の体調は年単位でなく、日々の小さな変化に兆しが現れます。
特に膵臓がんのように進行の早いがんでは、1年に1回の検査では早期発見が間に合わない可能性が非常に高いのです。
なぜ膵臓がんは発見が難しいのか?
膵臓がんには、次のような特徴があります。
臓器の位置が深く検査で見つかりにくい
膵臓は胃や肝臓の裏側に位置し、画像診断でも見えにくい部位です。
初期には症状が出にくい
痛みや異常を感じる頃には、すでに進行しているケースが多いです。
がんの成長が早い
小さながんでも数カ月で転移することがあり、発見のタイミングが遅れがちです。
このような理由から、「年1回」の検査ではリスクに追いつけず、見つかったときにはすでに進行している場合が少なくありません。
高齢者が検査に消極的な理由
多くの高齢者が、検査を受ける機会を逃す理由には次のような心理があります。
・自分はまだ元気だと思いたい
・病気が見つかるのが怖い・忙しい、あるいは通院が面倒
・費用が気になる
しかし膵臓がんは、自覚症状が出る頃には手遅れになりやすい「沈黙のがん」です。
これらの理由で検査を先延ばしにすることは、大きなリスクとなります。

介護現場での観察が命を守る第一歩
介護の現場では、小さな異変に気づく力が命を左右します。
たとえば、
・食欲の急な低下・理由のない体重減少
・皮膚や白目の黄ばみ(黄疸)
・血糖値の不安定さ
こうした変化が見られた場合、医師への早急な相談が必要です。
介護者の目が、検査よりも早くリスクに気づくことができるのです。
家族や介護者ができる対応策
膵臓がんの早期発見には、次のような対応が重要です。
血糖値の変化に敏感になる
急な血糖値上昇は、膵臓の異常を示すことがあります。
糖尿病の管理と併せて、モニタリングが効果的です。
家族歴を把握する
膵臓がんは遺伝の影響も大きく、親族にがん経験者がいる場合は年2回以上の検査を検討するべきです。
かかりつけ医とのこまめな連携,「少し変だな」と感じた時点で相談できる体制を作ることが、早期発見につながります。
地域と制度に求められる変化介護
・医療現場を越えた、社会的な仕組み作りも求められます。
住民検診の対象拡大,現在、膵臓がんは国の検診制度の対象外です。
高齢化社会に対応するためにも、制度の見直しが必要です。
介護と医療の密な連携
介護職が気づいた小さな異常が、医療へスムーズに引き継がれる仕組みが求められます。
定期検査の柔軟性を高める
高リスクの人には年1回ではなく、半年や3カ月ごとの検査が必要です。
「一律の制度」では対応できない現実があります。

膵臓がんに対応する頻度が命を守る
ビジネスの世界では、機械のメンテナンスにおいて「稼働が激しい設備ほど点検頻度を上げる」のが基本です。
これは介護現場にも通じます。
高齢者の体調という“繊細な装置”には、日々の観察という「高頻度の点検」が必要です。
・定期検診は年に一度の“法定点検”
・介護者による日常観察は“日常点検”
特に膵臓がんのような急速に悪化する病気には、“日常点検”こそが命を守るツールになります。

結論
膵臓がんの早期発見には、日常に根ざした視点と柔軟な体制が不可欠
膵臓がんに対しては、これまでの「年1回検診では安心」という考え方は通用しません。
命を守るためには、介護現場で日々の変化を見逃さない観察力と、それを支える医療体制の連携が必要です。
制度の限界を前提とするならば、家庭・介護・地域が一体となって、膵臓がんの兆候を早期に拾い上げる“仕組み”を育てる必要があります。
日常生活に溶け込むかたちでのがん対策こそが、これからの高齢化社会における新しいスタンダードになるでしょう。



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