親の異変に気づけない!認知症が進む「孤立」の代償とは?

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変わる家族のあり方(8)

増える単身世帯を待つリスク

2025/06/30 05:00

日経速報ニュース

変わる家族のあり方(8)増える単身世帯を待つリスク - 日本経済新聞
連載の第1回で、単身世帯が増加傾向にあることに触れました。では、なぜ単身世帯の増加が問題とされるのでしょうか。経済学では、家族は経済的な保険機能も持つと考えます。夫婦の一方が失業したり、病気やけがで働けなくなったりしても、もう一方が働き続け...

【この記事の内容】

「孤独死」予備軍?単身高齢者が直面する危機とは?

はじめに

介護の現場では「頼れる家族がいない高齢者」が急増しています。

家族が持つ“支援の仕組み”がなくなることで、貧困や孤独、介護リスクといった問題が一気に押し寄せているのです。

単身で暮らす高齢者が直面するリスクとは

家族がいないということは、リスクを一人で引き受けること高齢者が一人で暮らすという選択には自由さもありますが、その裏には見過ごせないリスクが潜んでいます。

・病気や介護の危機

誰にも気づかれないまま倒れてしまう「孤独死」が現実のものとなっています。

・経済的困窮

特に女性の単身世帯では、年金が少なく、生活保護に頼るしかないケースも珍しくありません。

・精神的な孤独と社会的孤立

人との関わりが途絶えることで、認知症が進行するリスクも高まります。

なぜ単身高齢者が増えているのか

単身で老後を迎える人が増えているのには、いくつかの社会的背景があります。

・結婚しない人が増えている(非婚化)

・子どもが少なく、面倒を見る人がいない(少子化)

・離婚により高齢期に孤立する人が増加(離婚増)

・昔のような三世代同居が減ってきた(核家族化)

・地域社会のつながりが弱くなった(都市化)

これらの要因が重なり、家族の「支え合い機能」が大きく弱まっているのです。

現場から見える「支援の空白地帯」

介護職の目に映る限界

介護の仕事をしていると、以下のような状況によく出くわします。

・緊急時に連絡がつく家族がいない

・生活状況が分からないまま支援が始まる

・認知症が進んでいても、本人も周囲も気づかない

介護職員はできる限りの支援をしますが、「家族がいない=最後のセーフティネットがない」状況では、対応に限界があるのが実情です。

高齢者の視点から見える「孤独という現実」

一人暮らしの高齢者の多くが、「好きで一人になったわけではない」と話します。

・子どもとの関係が悪化して連絡が取れない

・離婚して以来、誰とも深く関われなくなった

・配偶者に先立たれ、突然ひとりになった

どの方も、「いざとなったら頼れる人がいない」ことに、不安を感じています。

地域や社会ができる支援とは何か

家族に代わる「つながり」をつくるために家族に代わる役割として、地域での支援体制が求められています。

例えば

・民生委員や近隣住民による見守り

・地域包括支援センターと介護現場との連携強化

・自治体による訪問・配食・安否確認サービスの充実

こうした小さな取り組みの積み重ねが、「ひとりを支える仕組み」になります。

制度と意識改革で「支援できる社会」へ

単身高齢者を支えるには、社会全体の理解と仕組みの見直しが不可欠です。

・緊急時対応が不安な人には、後見制度の活用を

・経済的な困窮には、地方自治体の支援制度を

・認知症の孤立防止には、地域での交流機会の創出を

・終末期への不安には、在宅医療や看取り体制の整備を

介護職にできる役割

現場の介護職は、単にお世話をするだけではありません。

・小さな変化を見逃さない観察力

・ご本人の声に丁寧に耳を傾ける傾聴力

・家族や地域との橋渡しとなる調整力

本人の尊厳を守りながら、必要な支援に導く“伴走者”のような存在が求められています。

結論

単身化が進む社会で、孤立させない仕組みを

高齢者の単身世帯が増えるなか、かつて家族が果たしていた「支え合い」の役割を、社会全体でどう補っていくかが問われています。

・一人ひとりが、自分の将来に備える意識を持つ

・家族も、物理的に離れていても「心の距離」を保つ

・地域は、誰もが“見守り手”になれる環境を整える

・介護者は、現場から課題を見つけ、社会に届ける

誰もが「ひとりになるかもしれない」時代。

だからこそ、誰もを孤立させない支援のネットワークを築いていくことが、今私たちにできる最善の策なのです。

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