仕事と介護の両立
「親の介護に不安」8割、
仕事との両立を懸念
住友生命の全国調査
2025/11/10 18:21
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『親の介護費用が足りない!? 備えが必要な理由とは?』
はじめに
介護分野では昔から「介護する側の負担が大きすぎる」という課題が繰り返し語られてきました。
特に家族が介護を担う場合、最も大きな壁となるのが仕事との両立です。
ある調査では、親の介護に不安を感じる人が約8割にのぼり、そのうち多くが「仕事と介護を両立できる自信がない」と回答しています。
これは単なる個人の問題ではなく、家族、地域、そして企業にも影響する社会的なテーマと言えます。
本記事では、介護者・高齢者・家族・地域という4つの視点から、親の介護にどのように備えていくべきかを整理し、読者がすぐに行動に移せる形で分かりやすく解説します。

介護者視点
仕事と介護の両立が難しい理由
介護と仕事を同時に行うことは、思っている以上に負担が大きいものです。
特に50代ではその不安が顕著で、自分自身の体力的負荷だけでなく、職場の理解や制度の使いやすさにも左右されます。
直面しやすい課題
・勤務時間の調整が難しい
介護は突発的に対応が必要になることが多く、仕事の調整が大きなストレスとなります。
急な呼び出しに備えられず、結果的に両立が困難になります。
・職場の理解不足
制度そのものは存在していても、上司や同僚の理解がないことで実際には使いづらい状況が生まれます。
「制度があっても使えない」という構造的問題が残っています。
・代わりに業務を引き受ける人員がいない
人手不足の職場では、介護のための休暇が取りにくく、介護者が心理的に追い込まれやすくなります。
両立のための工夫
・柔軟な勤務制度の活用
フレックスタイムやテレワークなど、時間や働き方に融通がきく制度を取り入れることで、介護時間と仕事時間の調整がしやすくなります。
・公的・企業の介護支援制度を積極的に利用
訪問介護サービスやデイサービスなど、外部の力を借りることで負担を分散できます。家族だけで抱え込まないことが重要です。
高齢者視点
介護が必要になることへの不安
高齢者自身も、「介護が必要になったら家族に迷惑をかけるのでは…」という不安を抱えています。
多くの高齢者は、介護費用の負担や介護保険制度の複雑さに対して不安を感じています。
高齢者の主な不安
・介護費用をどう捻出するか
介護保険を使っても自己負担は発生するため、貯蓄が足りるかどうか心配する人が多いです。
・介護保険制度を理解できていない
制度の仕組みが複雑で、必要なサービスを十分に使えないまま時間が過ぎてしまうケースもあります。
不安を減らす備え
・早めに制度や支援を調べておく
市町村の介護相談窓口や地域包括支援センターを活用し、制度の基本を把握することが重要です。
・介護費用の計画を立てる
保険や貯金によって将来の介護に備えることで、家族の負担を軽減できます。
家族視点
役割分担が決まっていないことが最大のリスク
調査では、親が要介護になった際に「誰が介護を担うか決めている」家庭は非常に少ないことが明らかになっています。
この“未決定”こそが、トラブルを生みやすい要因です。
家族で話し合うべきこと
・誰がどの役割を担うのか
介護をメインで行う人、病院の付き添いを担当する人、金銭管理を行う人など、事前に役割を決めることで混乱が減ります。
・負担を分散する仕組みを取り入れる
家族だけで完結しようとすると限界が来ます。
外部サービスや地域支援を利用し、家族全員が無理をしない体制を整えることが大切です。
地域視点
地域社会の支援をうまく使う
地域の支援は、介護者の負担を軽減する上で欠かせません。
地域包括支援センターやボランティアなど、外部の助けを得られる場所は意外と多く存在しています。
地域で活用できる支援
・地域包括支援センター介護保険の相談や、必要なサービスの紹介などを行う総合窓口です。
まず最初に相談すべき場所と言えます。
・地域ボランティアや支援ネットワーク
話し相手や外出支援、見守りなど、地域でのゆるやかなつながりが介護者を精神的に支えることがあります。
結論
仕事と介護の両立には「早めの備え」と「周囲の協力」が必須
親の介護に不安を感じる人は多いものの、事前に準備している人はまだ少ないのが実情です。
仕事と介護を両立させるには、
・職場の制度を活用する
・家族で役割分担を決める
・地域や外部サービスに頼る
といった「分散」と「協力」が欠かせません。
そして、介護者・家族・高齢者・地域社会が一体になって支え合う環境をつくることが、これからの介護をよりよくしていくための第一歩になります。



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