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保湿ケア、11月から始めて
乾燥が招く冬の肌トラブル
2025/11/18 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『家族が知らない「乾燥が原因の深刻トラブル」…地域全体で見落としている現実とは?』
はじめに
介護分野には「未然の備え(予防的ケア)」という考え方があります。
これは、問題がはっきり表れた後に対応しても改善が追いつかないため、早い段階で対策を行うべきだという考え方です。
実は、この考え方は身体機能だけでなく、肌の乾燥にも同じように当てはまります。
乾燥は軽く見られがちですが、高齢者にとっては生活の質を大きく左右する重要な問題です。
本記事では、11月から始める保湿ケアの意義を中心に、乾燥肌がどのような症状を引き起こすのか、その背景にある心情や課題を、介護者・高齢者本人・家族・地域という複数の視点から分かりやすく整理していきます。
乾燥肌対策を11月から始めるべき理由
冬本番になってから保湿を始めても、すでに肌のバリア機能が弱っているため、改善に時間がかかります。
乾燥の進行を防ぐためには、肌のダメージがまだ軽い11月からケアを始めることが最も効果的です。
高齢者が乾燥肌になりやすい理由介護現場で高齢者の皮膚に触れると、若い人とは明らかに異なる特徴が感じられます。
その大きな要因は次のとおりです。
高齢者の皮膚は、皮脂の分泌が減り「天然の保湿膜」が薄くなり、水分を保つ力も弱くなっています。
また、皮膚が新しく生まれ変わる働きも遅くなるため、外部刺激に弱く、傷つきやすい状態です。
さらに、高齢者は「かゆいけれど我慢できる」「年齢のせいだから仕方ない」という思い込みや遠慮から、症状を十分に伝えられないことがあります。
これにより、乾燥が進み、重症化を招く一因となっています。
乾燥肌が引き起こす問題は“カサつきだけではない”
乾燥肌は、初期のカサつきから始まり、放置することでかゆみ、湿疹、掻き壊しへと悪化し、感染症のリスクまで高めます。
特に掻き壊しは悪循環の中心で、
かゆみ→掻く→皮膚の破壊→炎症
という流れが加速します。
ビジネス思考で見る「乾燥肌と介護」
ビジネスでは“小さな兆しを放置すると大きな損失につながる”という考え方があります。
これを肌の乾燥に当てはめると、わずかな乾燥を放置したことで湿疹や炎症といった深刻なトラブルを招く構造に似ています。
つまり、乾燥肌は「小さな変化の見逃し」が大きな問題を生む典型例であり、介護現場での予防的ケアの重要性を象徴しています。
11月から始める保湿ケアの具体的な方法
入浴後は、皮膚表面の水分が急速に失われます。
そのため、入浴後5分以内の保湿が最も効果的です。化粧水で水分を補い、乳液やクリームで肌を守り、乾燥が特に強い部分はワセリンで覆う方法が適しています。
また、入浴時は38〜40度のぬるま湯にし、皮膚を傷つけるような強いこすり洗いを避けることも大切です。
室内では暖房による乾燥を防ぐため、加湿器や洗濯物の室内干しなどで湿度を調整する工夫も必要です。

視点別に見る乾燥肌対策の課題と改善策
【介護者の視点】
介護者は多くの業務に追われ、肌の観察が後回しになりがちです。
また「乾燥は軽症」という誤解から対策が後れることもあります。
日常のケア記録に皮膚状態を含めることや、入浴介助の際に特に乾きやすい部位を意識して確認することが改善につながります。
【高齢者本人の視点】
高齢者は、かゆみを言葉にしづらかったり、「迷惑をかけたくない」と思って伝えないことがあります。
毎日の声かけでかゆみの有無を尋ねることや、症状を共有しやすい雰囲気づくりが大切です。
【家族の視点】
家族は、どこまでケアすればよいのか分からず、対策が不十分になることがあります。
基本的な保湿剤を常備し、暖房使用時は湿度管理をセットで考えるなど、日常的な習慣を整えることが重要です。
【地域の視点】
地域全体では冬になると皮膚トラブルの相談が増え、医療機関の受診が集中します。
地域包括支援センターや訪問看護と連携し、早期発見や相談体制を整えることが求められています。
介護業界で起きている“外圧的な現実”
高齢者の増加に伴う皮膚トラブルの相談増加、スタッフ不足、乾燥による夜間の不眠が引き起こす生活リズムの乱れ、皮膚科予約の取りづらさなど、介護業界は多くの外的要因にさらされています。
乾燥肌対策は単なる美容ではなく、介護の安全管理に直結する課題だと言えます。
受診が必要になるケース
保湿しても改善しない、赤みや湿疹が広がる、夜眠れないほどのかゆみがある、掻き壊しが見られるなどの症状がある場合は早めの受診が必要です。
適切な外用薬と保湿剤の活用で改善が期待できます。
まとめ
乾燥肌はカサつきだけの問題ではなく、かゆみ、湿疹、掻き壊しへとつながる深刻なトラブルです。
介護者は11月から予防的な保湿ケアを始めることで、冬の悪化を防ぎ、高齢者の生活の質を守ることができます。
日々の観察と声かけ、家族や地域との連携を通して、冬の肌トラブルを未然に防ぐ体制を整えていくことが重要です。



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