施設閉鎖寸前…移民なしでは回らない介護現場の真実とは?

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ドイツ、介護に迫る排外主義 

「移民いなければ施設閉鎖なのに」

老いる欧州(下)

2025/08/07 05:00

日経速報ニュース

ドイツ、介護に迫る排外主義 「移民いなければ施設閉鎖なのに」 - 日本経済新聞
「ここの職員は半分以上が外国人。移民を雇えなくなったら閉めるしかない」。ドイツ南部の町、プリューダーハウゼンの介護施設でマネジャーを務めるフランク・シューネマンさんは排外主義の高まりを懸念する。約50人の高齢者が老人ホームに入居し、デイサー...

【この記事の内容】

日本はもう後戻りできない?世界で始まる介護人材の争奪戦とは

はじめに

介護者として実感するのは、今後ますます深刻化する人手不足に対し、日本国内の人材だけでは対応しきれないという現実です。

外国人介護人材の受け入れを含め、多角的な対応策を講じなければ、高齢者が安心して暮らせる社会を維持することは難しくなります。

介護制度は「人」という支柱で支えられている

日本では、2040年までに介護職員が272万人必要とされ、2022年度比で57万人以上の増員が求められています。

しかし、若者の介護離れや人口減少により、その人材を国内だけで確保するのは現実的ではありません。

ドイツの現場に見る「移民なしでは回らない」

介護ドイツ南部のある介護施設では、職員の半数以上が外国人で占められています。

これは一時的な人手補充ではなく、持続可能な制度として海外人材を積極的に育成・活用してきた結果です。

この施設では10年以上前から、海外の若者に対して介護研修制度を提供し、実習・資格取得・就労という流れを確立しています。

過去には750人以上が参加し、主にルーマニアやインド、アフリカ諸国など多様な国から人材を受け入れています。

つまり、「移民がいなければ施設は閉鎖せざるを得ない」という声は、単なる危機感ではなく、実際の現場からの切実な叫びなのです。

高齢者の気持ち

「知らない人に介護される不安」から「信頼」へ

多くの高齢者は、「迷惑をかけたくない」「知らない文化の人に介護されるのは不安」と感じる傾向があります。

しかし、現場では、外国人介護職員が丁寧で誠実なケアを続けることで、次第に信頼関係が築かれていきます。

はじめは言葉の壁や文化の違いに戸惑うこともありますが、数ヶ月後には「この人がいてくれてよかった」と語る高齢者も多いのが実情です。

信頼は言葉だけでなく、毎日の行動の積み重ねで築かれるという、介護現場ならではの実例です。

家族の視点

「親の安心が最優先」

家族にとって、介護の質を判断する基準は、介護者の国籍ではなく、親が安心して過ごせるかどうかです。

一方で、以下のような不安も根強くあります。

・日本語で意思疎通ができるか

・文化や価値観の違いでトラブルが起きないか

しかし、多くの外国人職員は根気強く、忙しい現場でも誠実に働く姿勢を見せており、「むしろ日本人より丁寧」と評価する声も少なくありません。

地域社会の役割

「介護施設だけに任せない」受け入れ体制

外国人介護職員の受け入れには、地域ぐるみの対応が必要です。

介護施設だけに負担を押し付けるのではなく、地域住民、行政、ボランティアが一体となって支える体制が求められます。

具体的には、

・交流イベントによる地域住民との相互理解の促進

・多言語による生活サポート情報の提供

・地方自治体による研修

・支援制度の整備などが挙げられます。

介護は地域の「共助」が試される分野でもあります。

介護現場で起きていること

日本の介護業界では、以下のような問題が同時多発的に起きています。

・地方だけでなく都市部でも介護人材が不足

・特養などでの入所待機者が増加中

・若者の介護職離れが顕著(低賃金・重労働というイメージ)

・外国人介護人材(EPA・技能実習生など)の活用が加速

・日本語教育や文化教育の不備で離職率が高い

これらの課題は、日本だけでなく欧州とも共通する構造的な問題です。

反移民的な風潮が強まれば、こうした課題はさらに深刻化するおそれがあります。

国際的な人材争奪の時代へ

日本は出遅れていないか?

現在、欧州各国では極右政党による移民制限政策が拡大しています。

イギリスではすでに介護職向けのビザ発給を停止する動きが進んでおり、労働力の確保がますます難しくなっています。

これは、「国際的な介護人材の争奪戦」が始まったことを意味します。

この競争に乗り遅れれば、日本の介護現場は人材不足により機能不全を起こしかねません。

結論

「多様な人材なくして、介護の未来なし」

日本の介護業界は今、重大な転換点に立っています。

・2040年までに約272万人の介護職員が必要とされている

・国内人材だけでは補いきれない現実

・外国人介護職員の存在が不可欠

今後必要なのは、制度の整備に加え、社会全体で「異なる文化や価値観を受け入れる意識」を育てることです。

介護とは、誰かを支える営みです。その支え手を排除する社会には、誰もが安心して老いる未来はありません。

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