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介護

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葬儀社が遺体取り違え、

同居でも孤独死… 

多死ニッポンで増える異変

多死国家のリアル・まとめ読み

2025/09/20 05:00

日経速報ニュース

葬儀社が遺体取り違え、同居でも孤独死… 多死ニッポンで増える異変 - 日本経済新聞
高齢化に伴い死者数が増え続ける令和のニッポンで、様々な異変が起きています。同居人がいるのに発見が遅れる「同居の孤独死」、葬儀会社で一時保管される遺体の増加を背景に相次ぐ「遺体の取り違え」――。国の想定を超えて高齢者が孤立を深める日本社会の課...

【この記事の内容】

80代夫婦の末路…老老介護で実際に起きた悲劇とは?

はじめに

介護現場にある「看取りケア」という考え方

介護の世界には、「看取りケア(みとりけあ)」という考え方があります。

これは、人生の最終段階にある高齢者の“最期の時間”を、安心と尊厳をもって見届けるケアを意味します。

しかし今、私たちは“最期”を誰にも気づかれずに迎えてしまう時代に生きています。

多死社会を迎えた日本では、「直葬(ちょくそう)」と呼ばれる、通夜や告別式を省略する火葬のみの葬儀が増え、葬儀社による遺体の取り違えや、同居していても誰にも気づかれない「同居の孤独死」といった異変が相次いでいます。

こうした現象は、単なる偶発的な事故ではありません。

高齢者の孤立、介護者の限界、そして地域社会のつながりの希薄化という、現代日本が抱える構造的な課題の現れです。

本記事では、介護者の立場から「老老介護」「同居の孤独死」について掘り下げ、家族・地域・制度それぞれの視点から課題と対策を考えていきます。

老老介護の実態:支える人もまた「支援が必要な人」

結論

老老介護とは、高齢者が高齢者を介護している状態を指します。

その実態は、支える側の高齢者もまた、身体的・精神的に限界を抱えていることが多く、介護そのものが機能しなくなる危険性を含んでいます。

背景と理由

・介護者自身が70代・80代であることが多く、慢性的な疲労を抱えている

・認知症や持病を持つ高齢者を、同じく認知機能が低下しつつある配偶者が介護するケースが増加

・介護サービスの利用申請が難しい世帯もあり、支援の入り口にすら立てないことも

具体的なケース

・80代の妻が認知症の夫の異変に気づけず、数日後に訪問したヘルパーが遺体を発見

・外部との接触がない状態が長期化し、体調悪化や死亡後も誰にも気づかれない状態が続く

老老介護は、例えるなら「壊れかけた橋が、もう一つの壊れかけた橋を支えているような状態」です。

崩壊するのは時間の問題であり、どちらか一方が倒れれば、もう片方も共倒れになる危険が高まります。

同居していても孤独死:家族がいるのに気づかれない現実

結論

孤独死は「ひとり暮らしの問題」と捉えられがちですが、今は同居していても誰にも気づかれずに亡くなるケースが増えています。

なぜ起きるのか?

・同居家族に認知症や精神障がいがあり、異変を察知・通報できない

・高齢の夫婦がともに介護が必要な状態で、意思疎通が難しい

・地域との関わりが薄れ、外部からの異変の察知が困難

・生活スペースが分かれており、実質的に“別居状態”になっている

具体的な事例

・都内で、軽度知的障がいを持つ息子と同居する70代女性が死亡。

息子は変化に気づかず、数日後に腐敗臭で近隣住民が通報

・高齢の夫婦がともに認知症で、2人ともベッド上で亡くなった状態で発見されるケースも

このような「同居の孤独死」は、家庭という“最後のセーフティネット”すら機能しなくなっている象徴です。つ

まり、家族という名の“最小単位の地域社会”の崩壊です。

遺体の取り違えが示す多死社会の構造問題

結論

葬儀社での遺体の取り違えは、単なるミスではなく、死者数の急増という“社会のひずみ”が引き起こしている問題です。

背景と理由

・日本では年間約140万人が亡くなっており、処理現場は常に人手不足

・「直葬」が一般化し、本人確認が形式的になる傾向

・一時的に多くの遺体を管理する中で、チェック体制が追いつかない

介護現場でも起きている同様の構造

・介護記録の入力ミスにより、誤った薬を処方する危険性

・利用者へのケアが形式的になり、個別のニーズが見逃される

遺体の取り違えは、まるで工場で起こる「製品の誤出荷」のようなものですが、人間の“最後”を扱う現場で同じことが起きている事実は、倫理的にも深刻です。

「終活情報登録制度」に見える新しい希望

結論

自治体が進める「終活情報登録制度」は、死後の混乱を防ぐだけでなく、生前の孤立を防ぐ新しい仕組みとして注目されています。

制度の概要

・緊急連絡先や遺言書の保管場所をあらかじめ登録しておく制度

・死後に誰が何をすべきかが明確になるため、遺族の混乱が防げる

・孤独死や認知症高齢者のリスク可視化にもつながる

現場での応用

・デイサービスでの「エンディングノート」の活用

・介護記録と連携させた「もしもマニュアル」の整備

・介護職が“つなぎ役”として新しい役割を担う可能性

この制度は、死の準備だけでなく「生の再設計」とも言えます。終活は人生の“終わり”ではなく、“見直し”のきっかけになるのです。

【視点別】課題と対応策

それぞれの立場によって課題と対策は異なります。

以下に整理しておきます。

介護者視点 → 支援を受けにくい/慢性的な疲労  

→ 対策:レスパイト制度(介護者の休息支援)の充実、支援制度の周知

高齢者視点 → 孤立感/意思の伝達が困難  

→ 対策:終活支援、意思確認の場の定期化、支援体制の見える化

家族視点 → 遠距離介護や無関心、介護知識の不足  

→ 対策:ICTの活用、定期的な相談体制の構築、家族向け教育の整備

地域視点 → 見守り機能の低下、情報連携の欠如  

→ 対策:地域包括ケアの推進、住民同士のネットワーク構築、行政の積極的介入

結論

老老介護と同居の孤独死は「静かな社会崩壊」の兆し

家族がそばにいながら、誰にも看取られずに死を迎える

これは単なる不幸な出来事ではなく、現代の日本社会が抱える深刻な課題です。

介護者として、以下の点を強く意識する必要があります。

支援を「待つ」のではなく、「探しに行く」姿勢が必要

・自分自身も「支援される対象」であるという自己認識

・地域とのつながりを再構築する“ハブ”としての役割を担う覚悟

介護の本質は「人の最期を見守ること」ではありますが、それ以前に「生きている今この瞬間を見逃さないこと」が求められています。

たとえ同じ屋根の下で暮らしていても、“誰にも気づかれない死”が起きてしまう。

その現実に私たちはしっかりと向き合い、対策を講じていくべき時期に来ています。

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