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医療・福祉のIT投資、
1ポイント加速で生産性
0.5ポイント改善 厚労省
2025/09/30 10:58
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『介護事故が3倍に増加!見守りが甘くなるIT活用の落とし穴とは?』
はじめに
近年、医療・福祉の現場では、AIやセンサーなどのデジタル技術に注目が集まっています。
厚生労働省の分析によると、IT投資が1ポイント増えると、生産性が0.5ポイント向上するという明確な効果が確認されています。
これは、単なる効率化ではなく、「限られた人手で、より良いケアを実現する」ための大きなヒントになります。
では、この数字が私たち介護の現場にとって何を意味するのか。
介護者として、地域社会を支える立場として、IT活用の必要性について深く考えてみましょう。
なぜ医療・福祉分野にIT投資が必要なのか?
高齢化による人手不足が限界に近づいている
・日本は超高齢社会に入り、2025年には「団塊の世代」が全員75歳以上になります。
・高齢者の数が増える一方で、介護や医療に携わる若い世代の人数は減少しています。
・結果として、人手不足による現場の負担が深刻化し、「必要な介護が受けられない」高齢者が増える恐れがあります。
ITは“人の手が届かない現場”を補うもう一つの手段
人間にしかできないケアはありますが、「見守り」や「記録」といった業務は、ITの力でサポートできます。
たとえば、
・夜間の巡回をセンサーで代替し、職員の負担を減らす
・AIがバイタル(体温や心拍)を常時モニタリングし、異常があれば自動通知する
こうした仕組みは、限られた人手で高い安全性を保つ上で非常に有効です。
介護現場でのIT活用のリアル
実際に現場で起こっている問題
・夜間は1人で10人以上の高齢者を見守る必要がある
・目が届かない時間帯に転倒事故が発生
・手書きの記録業務に多くの時間を取られている
・家族への情報共有が不十分になりがち
IT導入による変化の例
・センサー機器で転倒や起き上がりを検知し、ナースコールに自動で通知
・スマホやタブレットで簡単に記録を入力でき、作業効率が大幅アップ
・オンライン面会やアプリ共有で、家族への情報伝達がスムーズにそれでも課題はある
・現場スタッフの中には、機械に不慣れな人も多く、教育コストが必要
・高齢者が「監視されている」と感じ、抵抗を示すこともある

高齢者の視点:ITへの戸惑いと不安
背景にあるのは「孤独感」と「プライバシーの懸念」
高齢者は、年齢を重ねるごとに「人とのつながり」や「尊厳」を大切に感じるようになります。
そのため、機械やセンサーが導入されると、
・「自分がロボット扱いされている」
・「見張られているようで落ち着かない」
といった心理的な抵抗が生じることがあります。
介護者ができる対応
・ITは「監視」ではなく「見守り」のためと丁寧に説明する
・カメラは使わず、動作センサーのみ設置するなど、プライバシーに配慮した設計を心がける
・導入前に必ず本人と家族に説明し、安心してもらうプロセスを大切にする
家族の視点:ITがもたらす「安心感」
遠距離介護が一般的になってきた
首都圏に住む子ども世代と、地方に住む親世代というように、物理的な距離がある家族が増えています。
そんな中、ITの活用は以下のような安心感をもたらします。
・異常時に自動で通知が来るので、いち早く対応できる
・日々の体調や生活の様子がアプリで確認できる
・定期的なレポートで施設の取り組みが見える化される
地域の視点:ITは持続可能な介護体制のカギ
地方の人材不足と高齢化が深刻化
地方では特に介護職の確保が難しく、「介護サービスを受けたくても受けられない」状況が広がっています。
一方で、地域包括ケアの理念が広まり、「地域全体で高齢者を支える仕組み」が必要とされています。
地域で進められている取り組み
・地域住民と施設が連携し、見守りセンサーやアプリで高齢者をサポート
・自治体と企業が共同で、ITを活用した見守りネットワークを構築
・スマート介護施設の整備など、ITを軸にしたまちづくりが進行中
おわりに
ITは「人の代わり」ではなく「人を支える道具」
ITを使うことは、人を機械に置き換えることではありません。
むしろ、人手が足りないからこそ、「もう一つの手」として技術を使うという発想が重要です。
介護の現場では、ITは心を補う道具です。
冷たい機械ではなく、温かさを守るための手段として、積極的に活用していくべき時期が来ています。
結論:介護の未来を守るために、IT活用は避けて通れない
高齢化が進む今、医療・福祉の現場でのIT活用は「選択肢」ではなく「必須事項」となっています。
介護者として、
・技術に頼りすぎず、
・でも技術を恐れず、
・人の心とテクノロジーのバランスを大切にする
そんな姿勢が、持続可能な介護の未来を切り拓いていくと信じています。



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