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「介護崩壊」
阻止へ担い手確保
SOMPOやALSOK、
賃上げや外国人増
2025/09/29 20:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『介護職が足りない!40年までに57万人不足する理由とは?』
はじめに
「介護離職」は決して他人事ではないキャリアの途中で直面する“突然の壁”
結論
親の介護を理由に仕事を辞める「介護離職」は、個人のキャリアを断ち、人生設計に大きな狂いをもたらします。
理由
介護は突然始まり、終わりが見えません。
多くの人は「仕事を続けるか」「親の介護を優先するか」という二者択一を迫られます。
どちらも正解であり、だからこそ苦渋の選択です。
具体例
・50代の管理職男性は、母親の認知症発症で退職。
その後はアルバイトしか見つからず収入が激減しました。
・40代のシングルマザーは、父親のたび重なる入院により在宅勤務が限界を迎え、退職を余儀なくされました。
こうした事例から分かるのは、「介護離職」は本人の意思というより、制度や支援の不足という“社会の構造的問題”に起因しているということです。
年間9兆円を超える社会的経済損失
国家レベルでの対策が必要な理由とは
結論
介護離職は個人の問題にとどまらず、日本全体にとって年間9兆円を超える経済的損失をもたらしています。
理由
・働き盛りの中堅層が労働市場から離脱
・介護の悪化による医療
・介護費の増加
・離職による収入喪失で生活保護申請が増加
補足解説
例えば、自動車業界で部品供給が止まれば生産ライン全体が停止するのと同じように、働き盛りの世代が家庭の介護で離職すれば、企業の生産性も社会の活力も一気に落ち込みます。
これは単なる家庭の事情ではなく、社会インフラの一部が機能不全になることに等しいのです。
民間企業の努力が支える“現場の変革”
介護業界で何が起きているのか?
民間企業は、介護人材不足に歯止めをかけるためにさまざまな取り組みを始めています。
【SOMPOケアの取組】
平均年収の引き上げ目標:全業種の平均年収(459万円)を目指し待遇改善
業務の効率化
・再加熱カート導入により1日10時間の作業削減
・自動入浴装置で職員の身体負担を軽減
・AI活用も検討し、さらなる効率化へ
【ALSOK介護の取組】
外国人材の積極採用
・インドネシアやインドからの人材を年間50人規模で採用予定
・特定技能制度を活用し、5年以内に介護福祉士を目指せる支援体制を整備
・将来的には正社員の1割を外国人にする構想
【メディカル・ケア・サービス(MCS)】
科学的介護の導入
・たんぱく質と水分摂取の改善で、85%の認知症利用者の症状が軽減
・他社への研修提供も開始し、ノウハウを業界全体へ共有

視点ごとにみる介護の課題と解決策
介護者視点
課題:時間と精神的負担が大きく、仕事と両立できない
対応策:テレワークや介護休業制度の柔軟な運用、短時間勤務制度の推進
高齢者視点
課題:施設入居が困難、サービスの不足
対応策:在宅介護支援の強化、ICT(情報通信技術)を活用した見守りサービスの普及
家族視点
課題:介護の分担や意思決定における摩擦
対応策:地域包括支援センターを中心とした介護マネジメントの導入
地域・社会視点
課題:小規模事業者間の連携が不足し、サービスの質に差がある
対応策:研修の共同開催や情報共有のプラットフォームを整備、ロボット導入への支援拡大
介護現場で実際に起きている問題
・介護職の新卒採用が計画を下回る
・職員の腰痛や過労による離職が発生(ロボット導入で緩和へ)
・小規模事業者の倒産が過去最多
・認知症ケアにおける職員の精神的負担
・外国人職員の教育やフォロー体制が不十分
・地域全体での支援連携が弱い
まとめ
「介護離職」を防ぐことは、社会全体の安定につながる
結論
介護と仕事を両立できる社会をつくることは、個人のキャリアを守るだけでなく、社会全体の経済的損失を防ぐためにも不可欠です。
必要な施策
・賃金や待遇の見直し
・業務効率化とテクノロジー活用(AI・ロボット等)
・外国人材の受け入れと教育体制の整備
・事業者間の横連携によるスキルと知識の共有
・科学的介護の普及
介護はもはや「家庭の問題」ではなく、「国家の持続可能性」を左右する重大な課題です。
道路や電力と同じように、介護というインフラを守るために、官民が一丸となって取り組む時が来ています。



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