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鈴与レンタカー、
電動車いすをレンタル
車で運び観光地移動を気軽に
2025/10/08 17:50
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『親を連れて旅行?7割が“無理”と諦めた理由とは?』
はじめに
「自立支援」と観光の再発見
介護分野では「自立支援」という考え方が重要視されています。
これは、ただ支援するのではなく、本人の能力を最大限に活かし、「自分らしく生きる」ことを支援するアプローチです。
この視点に立つと、電動車いすのレンタルは単なる移動手段ではなく、「再び自分の力で観光地を巡る」ことを可能にする、“生活の質(QOL)を高めるツール”だと捉えることができます。
外出機会の減少がもたらす課題
高齢になると、多くの人が次のような悩みを抱えるようになります。
・足腰の筋力が低下し、長距離歩行が困難になる
・転倒リスクへの不安から外出を控えるようになる
・「周囲に迷惑をかけたくない」という心理的ハードル
これらが重なり、結果的に外出の機会が減少。
孤立感や抑うつのリスクが高まることも少なくありません。
具体例
ある80代の女性利用者は、若い頃は旅行が大好きでした。
しかし最近では「皆の足を引っ張りたくない」と言って、外出を避けるようになりました。
もし彼女に、車に積める折りたたみ式の電動車いすという選択肢があれば、再び旅に出られるかもしれません。
電動車いすがもたらす「移動の自由」
鈴与レンタカーが導入したWHILL社の電動車いす「Model F」は、“移動の自立支援”を実現するツールです。
この電動車いすは以下の特徴を持っています
・重さは約26.7kgで折りたたみ可能。車への積み込みも簡単
・時速6kmで、徒歩と同じスピードで移動できる
・操作はレバーだけ。免許も不要
・歩道を安全に走行でき、日常から観光地まで幅広く利用可能
・1日2,500円でレンタル可能(今後レンタカーとのセット料金も検討中)
こうした機能は、「誰かに頼らずに、自分のペースで観光を楽しみたい」と願う高齢者の大きな助けとなります。

「日常支援」から「人生の楽しみ」へ
介護現場からの視点
介護施設では、日常生活においてシルバーカーや電動カートが活用されています。
しかし今回のように、「観光」という非日常の場面で電動車いすを活用することは、新しい発想です。
これはまさに、「日常生活の支援」から「人生の楽しみを取り戻す支援」へとシフトする試みです。
介護者にとっての価値と課題
高齢者の「行きたい」という思いを支えることは、介護者にとっても大切な役割です。
しかし現実には以下のような課題が立ちはだかります。
・観光地には坂道や未舗装の道が多く、同行者の負担が大きい
・従来の車いすは持ち運びが大変
・電動車いすを扱うレンタカー会社が少ない
これらの課題が解決されれば、介護者の身体的・精神的負担が軽減され、「安全に、気兼ねなく、旅行に同行する」ことが可能になります。
家族・地域への波及効果
家族の絆を深める旅行体験
高齢の家族を旅行に誘いたくても、
・「一緒に行きたいけど、負担をかけたくない」
・「無理をさせて、かえって辛い思いをさせるのでは?」
といった不安から、旅行自体を諦めてしまう家庭も少なくありません。
しかし電動車いすがあれば、家族みんなが一緒に楽しめる旅行のハードルは一気に下がります。
地域観光の新たな可能性
さらに、高齢者が安心して移動できる観光地は、以下のようなメリットを地域にもたらします
・「高齢者に優しい観光地」として評価が高まる
・高齢者の訪日観光(インバウンド)にも対応可能
・高齢化社会に対応した“持続可能な観光”モデルを構築できる
介護福祉業界が抱える課題とその突破口
現在、介護業界は多くの課題を抱えています
・公共交通のバリアフリー化が不十分
・外出支援の担い手不足
・孤立や引きこもりの深刻化
・テクノロジー導入へのハードル
こうした状況の中で、「テクノロジー×移動支援」の融合は、新しい可能性を切り拓く鍵となります。
結論
電動車いすは“観光をあきらめない社会”への第一歩
高齢者にとって、電動車いすは単なる道具ではありません。
それは、「もう一度、自分の力で旅をする喜び」を取り戻すための手段です。
介護者として、また福祉の現場に携わる者として、こうした技術やサービスが社会に広がることで、
「移動をあきらめない」
「旅行をあきらめない」
「人生をあきらめない」
そんな未来を支えていけるのではないでしょうか。
鈴与レンタカーのこの取り組みは、その第一歩。
今後の展開に注目しつつ、私たち自身も“できる支援”を一歩ずつ進めていきたいと思います。



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