墓じまい急増の裏側…あなたの家が直面する危険とは?

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多死が変える「弔いのカタチ」

増える選択肢、どう生かす

多死国家のリアル・まとめ読み

2025/11/15 05:00

日経速報ニュース

多死が変える「弔いのカタチ」 増える選択肢、どう生かす - 日本経済新聞
少子高齢化の進展や人工知能(AI)の進化が「弔いのカタチ」を変えようとしています。墓じまいが進み、故人の冥福を祈る場所が失われる中、AIやメタバースを活用して故人と向き合う場を作る「Death(デス)テック」が登場。遺族らが故人と思い出の地...

【この記事の内容】

介護と墓守、両立できない…家族が限界を迎える兆候とは?

はじめに

介護分野には「ケアは生活の延長線上にある」という基本的な考え方があります。

この視点を“弔い”に当てはめてみると、墓や供養の選択もまた、日々の生活や家族関係の延長線上にある行為だと理解できます。

つまり、「亡くなった後にどのような形で供養するか」という問題は、介護の現場で私たちが直面する“家族関係の変化”“人口構造の変化”“地域資源の変化”と深くつながっています。

本記事では、家族介護を続ける立場から、なぜ今「墓じまい」が加速しているのか、多死社会の中で供養の選択肢がどのように広がっているのかを丁寧に考察します。

墓じまいが加速している理由

結論を先に述べると、墓じまいが増加している背景には、「家族が高齢化し、これから先の墓守が現実的に難しくなる未来が見えてきた」という切実な理由があります。

さらに、多死社会が進む中で従来型の墓に依存しない供養方法が増えたことから、“無理に維持する必要はない”という価値観が広まり、決断がしやすくなっているのです。

墓じまいとは何か墓じまいとは、家の墓を解体・撤去し、遺骨を別の場所に移すことを指します。

法律上は「改葬」と呼ばれ、行政手続きが必要になります。

近年、この改葬件数が増えている理由としては以下の点が挙げられます。

・介護家族が高齢化し、墓の管理が難しくなった

・子ども世代が都市部に移住し、墓参りが困難になった

・維持費や交通費などの経済的負担が増えた

・“墓にこだわる必要はない”という価値観の変化

・永代供養墓や樹木葬、散骨など新しい供養方法が普及した

ビジネス思考で考えると、「墓の管理」という課題も、介護と同様に“家庭内では支えきれないタスク”へと変化していると言えます。

介護者の視点

墓じまいは介護負担の延長線上にある

介護の現場では、身体的介助だけでなく、家族の精神的・経済的負担も大きなテーマです。墓じまいを考える介護家族の声には、次のような切実な理由があります。

・介護と通院だけで精一杯で、遠距離の墓参りは不可能

・自分も高齢で、この先の管理を続けられる自信がない

・子どもに負担を残したくない

・親が亡くなる前に、供養の方針を整理しておきたい

これらは「老老介護」「単身高齢者の増加」といった現状と強く重なる部分があります。

つまり、墓じまいは介護負担の延長線上に生まれた現実的な判断なのです。

高齢者が墓じまいを望む背景

高齢者自身が墓じまいを選ぶ理由は、以下のような“家族を思う気持ち”によるものが多く見られます。

・子どもに無理をさせたくない

・墓が遠く、いずれ誰も行けなくなる

・自分たちの代で整理しておきたい

・供養は形より気持ちの方が重要だと思う

・死後のことで家族が争わないようにしたい

背景には、地域コミュニティの弱体化、都市部への移住、生前の生活を優先する価値観の変化などがあります。

高齢者は、「亡くなった後ではなく、今の家族の生活を守ってほしい」と心から願っているのです。

家族視点

墓じまいは“負担を未来に残さない決断”

家族にとって墓じまいは、負担を減らすための前向きな選択でもあります。

・墓参りまでの距離が長い

・維持費・管理費の負担が重い

・子ども世代の地域移動が多く、引き継ぎが難しい

・寺院や地域のサポート体制が弱まっている

さらに、永代供養墓や樹木葬、オンライン供養の登場によって、“従来の墓にこだわらなくても供養できる”という価値観が広まりました。

そのため、家族にとって墓じまいは、将来のトラブルを回避するための合理的な判断と捉えられるようになっています。

地域視点

墓じまいは地域文化の変化を映し出す

墓じまいの増加は、地域文化にも変化をもたらしています。

・空き墓地

・空き寺院の増加

・盆や彼岸の参加者減少

・寺院の経済基盤が弱体化

・遺骨の移動による地域コミュニティの希薄化

これらは、介護分野で見られる「地域包括ケアを支える人材不足」と同じ構造を持っており、人口減少という“外圧”が家庭と地域の限界を明確にしています。

多死社会が生む新しい供養の選択肢

多死社会が進む中、供養の選択肢は従来より大きく広がりました。

・永代供養墓

・合祀墓

・樹木葬

・海洋散骨

・森林散骨

・手元供養

・オンライン供養

・AIやメタバースを使用したデジタル追悼

・思い出の地を巡る「旅行葬」

これらの選択肢が登場したことで、“供養は家族だけが抱え込むものではない”という価値観が社会全体に広がっています。

介護領域!どちらも「社会化」が進んでいる

介護業界で起きている変化を整理すると、墓じまいとよく似た構造が浮かび上がります。

・家族だけで支えきれない

・人手不足

・価値観の多様化

・デジタル技術の導入

・新サービスの普及

・負担軽減が最優先課題

・持続可能性が求められる

つまり、墓じまいは“介護の社会化”と同じ方向に進む現象であり、個人と家族の負担を社会で分担する流れの一部だと言えます。

介護者としてどう向き合うか

墓じまいは「墓を撤去する作業」ではなく、家族の未来を守るための生活設計の一つです。

介護者としてできることは、次のとおりです。

・早めに家族会議を開き、墓の将来を話し合う

・高齢の親の本音を聞く

・複数の供養方法を比較し、負担の少ない選択肢を検討

・行政手続きや費用、スケジュールを把握しておく

将来に備え、家族の生活に合った供養のあり方を考えることが重要です。

まとめ

墓じまいが加速しているのは、少子高齢化・介護負担の増加・地域の弱体化・価値観の多様化など、多くの変化が重なった結果です。

介護者の視点から言えば、墓じまいは“家族が無理を抱え込まないための選択肢”としてますます重要になっていくでしょう。

多死社会の中で、新しい弔いの形をどのように活かしていくか。

墓じまいはその問いに対する現実的な答えの一つです。

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