介護現場が悲鳴…身寄りのない高齢者に起きている「現実」とは?

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身寄りなき高齢者の終活支援、

初の業界団体 「正会員」

認定に外部審査

2025/11/26 18:20

日経速報ニュース

身寄りなき高齢者の終活支援、初の業界団体 「正会員」認定に外部審査 - 日本経済新聞
病院や介護施設に入る際の身元保証や、葬儀や納骨などの死後事務を引き受ける民間事業者の業界団体が発足し、26日に活動を始めた。身寄りのない高齢者の増加に伴い、サービスの需要は高まっているが、契約を巡るトラブルは後を絶たない。団体は審査に合格し...

【この記事の内容】

孤独死予備軍が”43%増”…身寄りのない高齢者がハマる罠とは?

はじめに

介護分野には「意思決定支援」という重要な考え方があります。

これは、本人が弱っていても、その人が望む選択を尊重し、実現に向けて寄り添う姿勢を指します。

この考え方は、家族がいない高齢者の終活支援にも応用できるものです。

介護現場で行われている「意思を探り、支援の形に落とし込み、仕組みで支える」という流れは、身元保証や終身サポートの仕組みにも通じています。

本記事では、介護者として、身寄りのない高齢者が「自分らしく生き切る」ために必要な支援について、背景の変化や高齢者の心境を交えながら考察していきます。

身寄りのない高齢者が増える背景とその心境

1. 社会背景

身寄りのない高齢者が増えている背景には、複数の要因が重なっています。

・単身世帯の増加(未婚率の上昇や配偶者との死別)

・地域交流の減少(近隣付き合いの薄れ)

・家族の遠方移住と核家族化の定着

・医療・介護が複雑化し、身元保証や手続きの担い手が必要に

その結果、入退院手続きや死後の事務など、かつて家族が担っていた役割を第三者が担うケースが増えています。

2. 高齢者の心境の変化

背景の変化により、高齢者の心境には次のような揺れがあります。

・「迷惑をかけたくない」という気兼ね

・死後の扱いに対する漠然とした不安

・一人で決断することへの負担感

・「最期まで自分らしく生きたい」という強い希望

迷惑はかけたくない、でも誰かに頼らないと生きていけない

という葛藤の中で、終身サポート事業者や介護者の存在は大きな意味を持つようになります。

介護者として現場で何が起きているのか

現場では、次のような課題が日常的に起きています。

・入院手続きや保証人探しが困難

・退院時の受け入れ先が決まらず調整が長期化

・財産管理や支払いを任せられる人がおらず生活が滞る

・本人の意思を確認できずケア方針が止まる

・本人の望まない延命治療につながる危険

・死後の事務や部屋の整理を担う人がいない

・質の低い事業者に依存せざるを得ない場合がある

これらは介護現場だけでは解決できず、業界や制度全体の整備が求められている理由でもあります。

終身サポートの仕組みと外部からの変化

最近では、身元保証や死後事務を担う事業者に対し、外部審査を導入して信頼性を高めようとする動きが進んでいます。

これは、社会全体からの「透明性を求める圧力」が強まっているためです。

介護における第三者評価と同じように、「仕組みの透明性を高める → 利用者の安心につながる」という構造がここでも働いています。

意思決定支援を機能させるには、サービスの信頼性が欠かせません。

本人の意思決定をどう支えるのか

ここからは、介護における意思決定支援をビジネス転用として終身サポートに転用して考えます。

介護の基本プロセス

1. 本人の価値観を理解する

2. 希望を言葉にできるよう支援する

3. 選択肢を提示して比較できるようにする

4. 選んだ内容が実現するまで伴走する

終身サポートへの応用

1. 人生観や不安を丁寧に聞く

2. 終末期や死後の希望を言語化する

3. 複数の事業者や支援方法を比較し、最適案を提示する

4. 契約や預託金管理、死後事務まで実務を支える

介護者としての具体的行動

・アセスメント時に終末期の希望を確認する

・曖昧な表現を選択肢として整理する

・公的制度と民間サービスの違いを分かりやすく説明する

・信頼できる事業者を比較して提示する

・本人の理解ペースに合わせて説明する

・家族がいない場合でも継続的に見守る体制を整える

視点別:課題と対応策

1. 介護者の視点

【課題】

・本人の意思がつかみにくい

・保証人や死後事務を担う人が不在

・事業者の質がまちまち

・最終的な判断者が曖昧

【対応】

・意思決定支援のスキルを高める

・信頼できる事業者や団体と連携

・事業者情報を整理して共有

・ACP(人生会議)で意思を記録に残す

2. 高齢者(本人)の視点

【課題】

・頼れる相手がいない

・契約やお金の不安が大きい

・孤独による判断力の低下

・制度が複雑で理解しづらい

【対応】

・介護者が「選択肢を翻訳する役割」を担う

・契約や費用をわかりやすく整理

・不安や気持ちに寄り添い希望を引き出す

・緊急時に支援できる体制を整える

3. 家族の視点

【課題】

・遠方に住んでいて関われない

・本人の希望を知らぬまま決断を迫られる

・金銭管理のトラブルが起きやすい

【対応】

・ACPを共有し意思のズレを防ぐ

・無理のない役割分担を提案

・家族が負担を抱えすぎないよう調整する

4. 地域の視点

【課題】

・対応方法が事業所ごとにバラバラ

・トラブルのある事業者の存在

・孤立する高齢者が増加

【対応】

・行政・事業者・介護機関の連携を強化

・相談窓口の明確化

・地域全体で見守る体制づくり

・地域包括支援センターの役割強化

介護者が果たすべき役割

介護者は、次の4つの役割を担う存在です。

1. 本人の価値観を言語化する専門家

2. 選択肢を整理し、本人が選べる状態をつくる案内役

3. 契約から死後事務まで実務を伴走する支援者

4. 本人の権利を守る代弁者

結論

身寄りのない高齢者が自分らしく生き切るためには、「本人の意思を引き出す支援」と「意思を実現する支援」の両方が必要です。

そしてその支援を支えるには、外部審査やガイドライン、地域連携など、信頼できる社会的仕組みが不可欠です。

介護者が人生の伴走者となり、地域や事業者がそれを支えることで、身寄りのない高齢者でも最期まで自分らしく生きることが可能になります。

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