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「同居の孤独死」
老老介護の果て
5年900件は氷山の一角
多死国家のリアル
2025/06/21 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『共倒れ予備軍!自宅介護で起きた悲劇と地域見守りが機能しなかった理由とは?』
はじめに
実際、同じ屋根の下にいても、認知症や障害、または精神的な距離のせいでお互いを助けられない世帯が増えています。
その結果、気づかれないまま命を落とす「同居の孤独死」や、夫婦ともに亡くなる「共倒れ」が現実の問題になっています。
本記事では、そうした現状がなぜ起きるのか。
背景にある社会の変化、家族の形の崩れ、そして介護者として私たちがどう向き合うべきかを、多角的に見ていきます。

なぜ「同居の孤独死」が増えているのか
家族構成の変化がもたらす影響
・65歳以上の夫婦世帯は2023年時点で約863万世帯と、過去10年で2割増加
・一方で三世代同居世帯は大きく減少し、地域や家族による「自然な見守り」が機能しづらくなっている
この変化により、支援が必要な高齢者同士が支え合う「老老介護」が一般的となりました。
ですが、どちらかが倒れても気づけない、助けを呼べないという状況が起こりやすくなっているのです。
「同居=安心」ではない現実
高齢者の孤独死の背景には、以下のような事情が存在します。
・認知症により状況を理解できない
・入院や精神疾患により介護ができない
・家庭内でのコミュニケーションが失われている
・社会との接点を失った「ひきこもり」状態
これらはいずれも、見た目には「同居」していても、実態としては「孤独」と変わらない状況を示しています。
介護者から見た「共倒れ」の兆し
介護の現場では、高齢の介護者が疲弊し、支援を求める余裕さえなくなるケースが増えています。
たとえば、夫が脳梗塞で倒れたことに妻が気づかず、数日後にようやく第三者により発見された事例がありました。
妻は認知症を患っており、倒れた夫の状態が理解できなかったのです。
共倒れを防ぐための“赤信号”
・介護者自身も高齢(70代・80代)
・一人に介護負担が集中している
・介護サービスの利用頻度が減っている
・外出や通院が困難になっている
これらの兆候が見られる場合、早めの支援や周囲のサポートが不可欠です。

家族が気づけること・すべきこと
家族間のコミュニケーションの減少高齢者が孤立する原因の一つに、子ども世代との関係の希薄化があります。
・離れて暮らしているため、日々の変化に気づけない
・連絡が年数回では異常に対応できない
・高齢者自身が「迷惑をかけたくない」と助けを求めない
家族ができる具体的な行動
・IoT見守り機器やセンサーの活用
・定期的なビデオ通話
・訪問の習慣化・介護方針をあらかじめ家族で話し合っておく
“ビジネスで言えば、PDCA(計画・実行・確認・改善)を家庭にも導入する”ようなもので、日常的な関係づくりが問題発見と早期対応のカギになります。

地域としてできることと、直面する壁
見守りの担い手不足
現在、地域の民生委員や福祉関係者の高齢化が進み、担い手の数が足りていません。
・民生委員の欠員は全国で1.5万人超
・地域包括支援センターの人手も限られている
このような中、東京都足立区では「孤立ゼロプロジェクト」により、高齢者の所在確認と支援を町会と連携して行う仕組みを整えています。
これは一つのモデルケースですが、全国に広がるには法整備と社会的合意が必要です。
地域としての取り組みの方向性
・高齢者情報の共有に関する法的整備
・企業や住民を巻き込んだ見守りネットワークの構築
・医療・介護・行政の垣根を超えた情報連携

介護現場で起きている課題とは
介護現場では、以下のような問題が発生することがあります。
・介護保険の手続きが煩雑で利用に遅れが生じる
・支援が必要と分かっていても、本人や家族が動けない
・認知症の同居人がいるために、誰も施設入所の手続きを取れない
これは制度的な「入り口の狭さ」と、「支援に届かない」現実が重なっている証拠です。

結論
「同居しているから安心」という思い込みが危険
同居の孤独死や共倒れは、「家族がいれば大丈夫」という前提がすでに崩れている現代日本における深刻な社会課題です。
今後求められるのは以下の視点です。
介護者:自分一人で抱え込まず、助けを求める勇気
高齢者:「迷惑をかけない」より「命を守る」意識の転換
家族:物理的距離を心の距離にしない努力と仕組み作り
地域:住民、企業、行政が一体となって支える体制の構築
高齢者を取り巻く課題は、家庭だけでも行政だけでも解決できません。
私たち一人ひとりが「自分も支える側である」という当事者意識を持ち、行動することが求められています。



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