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熱中症、症状チェックと対処法
危険な暑さから命を守るには
2025/08/09 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『あなたの声かけが命取りに?熱中症で後悔する介護者の共通点とは』
はじめに
「予防は最大の支援」
介護の基本は先回りすること
介護の現場には「転ばぬ先の杖」という言葉があります。
これは、高齢者が転倒や体調悪化を起こす前に、生活環境や習慣を整えてリスクを未然に防ぐという考え方です。
熱中症対策にもこの発想はそのまま当てはまります。
倒れてからでは遅い
だからこそ、熱中症も「起こさせない」支援が重要なのです。
高齢者が熱中症にかかりやすい理由
1.暑さを感じにくくなる
年齢を重ねると、体の温度や湿度を感知する機能が低下します。
そのため、実際には暑くても「暑さを感じない」ことが多く、熱中症の初期サインを見落としがちです。
2. 水分をとる量が減る
高齢者は喉の渇きを感じにくく、またトイレに行くのが不安という理由で水分を控える人も多いです。
結果として、体内の水分が不足し、熱中症リスクが高まります。
3. 持病が悪化の引き金に
心臓や腎臓の病気、高血圧、糖尿病などの持病があると、体温調整や血流がうまく働かず、熱中症が重症化しやすくなります。
熱中症のサインは徐々にやってくる熱中症の症状は、突然悪化するのではなく、少しずつ進行します。
以下のような段階で現れるため、初期の兆しにいち早く気づくことが大切です。
軽度:めまい、立ちくらみ、ふくらはぎのつり(こむら返り)
→ すぐに涼しい場所で休み、水分補給を行う
中等度: 頭痛、吐き気、体がだるい
→ 水分と塩分の補給、体を冷やして休ませる
重度:意識障害、けいれん、40度を超える高熱
→ 迷わず救急車を呼び、すぐに医療機関へ

介護者が日常でできる熱中症予防
1. 室温と湿度をコントロールする
・エアコンは28度以下、湿度は60%以下に保つ
・カーテンや遮熱フィルムで直射日光を防ぐ
・扇風機やサーキュレーターで空気を循環
2. 「声がけ」で水分補給を習慣にする
・1〜2時間おきに「お茶を飲みましょう」と促す
・利尿作用の少ない麦茶や経口補水液が適している
・水分摂取の記録をつけて、飲んだ量を見える形にする
3. 毎日の観察を徹底する
・顔色や汗の量、動きの変化に注目する
・反応が鈍い、ぼんやりしているなどの異変があれば即対応
・普段と違うと感じたら、まずは休憩と水分補給を優先
高齢者の本音と行動のギャップ
「暑い」と言わない高齢者が多い理由の背景には、「迷惑をかけたくない」「昔はエアコンなんてなかった」といった思い込みや、自己判断のズレがあります。
さらに「エアコンを使う=贅沢」「自分はまだ大丈夫」という意識が強く、必要な対策を自分で避けてしまうことも。
だからこそ、介護者は単に「エアコンつけましょう」と言うだけでなく、「体を守るために必要」と伝え、納得してもらう伝え方が求められます。
家族にできるちょっとした工夫
・毎日、LINEや電話で「水は飲んだ?」「涼しくしてる?」と確認
・冷蔵庫にすぐ飲める冷たい飲料を置いておく
・エアコンのリモコンや扇風機の位置を使いやすく調整する
このような小さなサポートの積み重ねが、熱中症の予防につながります。
地域が果たすべき役割とは
特に独居高齢者の場合、地域全体での見守りが不可欠です。
・民生委員や町内会による「暑さ見守り活動」
・地域包括支援センター主催の予防講座やチラシ配布
・公共施設での「クーリングシェルター」の利用促進
介護職として働く私たちも、こうした地域活動に積極的に関わることで、より多くの命を守る一員になれます。
介護現場で起こっている問題
エアコンを嫌う高齢者
勝手に電源を切ってしまい室温が30度以上に
→ 理由を説明し、納得してもらう。
タイマー機能を活用水を飲まない高齢者
一日100mlしか飲まず脱水に
→ 好みの飲料やゼリー、果物などを提供して工夫する
異変の見逃し
「なんか元気ないな」で終わり、突然倒れてしまうケースも
→ 日々の観察・記録を強化し、早期発見のスキルを高める

最後に
介護者が「気づき、整える」ことが命を守る
高齢者は暑さを感じにくく、自分の体調の変化にも気づきにくいものです。
だからこそ、介護者が気づき、先回りして整えることが、命を守る第一歩になります。
・「気づかせる支援」が最も大切
・声がけと環境づくりで熱中症を防ぐ
・家族や地域と連携し、孤立を防ぐ
・観察と記録の積み重ねで早期対応を実現する
介護とは、命を守る仕組みをつくる仕事です。
この猛暑を安全に乗り越えるために、介護者の行動が、今こそ求められています。



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