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ドクターメイト、
認知症のオンライン診療
精神科医の地域格差軽減へ
2025/11/04 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『介護現場が壊れる…!認知症ケアで起きている“見えないストレス”とは?』
はじめに
介護分野では「共生」という考え方がある
介護の世界では、「医療・介護・地域が共に支え合う“共生”」という考え方があります。
これは、単に高齢者の生活を支援するという枠を超え、介護者・医療者・家族・地域住民が一体となって支え合う社会を目指すものです。
しかし現場では、依然として医療と介護の間に見えない“壁”が存在しています。
特に、認知症高齢者の精神的ケアの分野では、専門医の不足や受診時の負担、情報共有の難しさが課題です。
そんな課題を解決する手段として、今注目されているのがオンライン精神科診療サービスです。
これは、離れた場所にいる医師と介護現場をつなぎ、医療と介護の断絶を埋める「デジタルの架け橋」と言えるでしょう。
オンライン精神科診療サービスとは
オンライン精神科診療とは、ビデオ通話や専用アプリを通じて、精神科医が遠隔で診療や処方を行うサービスです。
利用の流れ(例)
1. 介護職員や看護師が、利用者の心身の変化を記録・報告
2. 精神科医がオンラインで診療を実施
3. 必要に応じて処方箋を発行
4. 医師と介護スタッフが継続的に情報を共有
この仕組みにより、医師不足の地域でも専門的な診療を受けやすくなるという利点があります。
高齢者の心境と背景を考える
認知症高齢者の心理的変化
認知症を抱える高齢者は、
「自分がわからない」
「知らない場所にいる気がする」
「家に帰りたい」
といった不安を日常的に感じています。
その結果、うつ状態・興奮・妄想などの精神症状(BPSD)が現れやすくなります。
背景にある社会的要因
・通院による身体的・金銭的負担
・家族の付き添いによる時間的負担
・医師不足による診療待機の長期化
・施設内での孤立感や閉塞感
これらが積み重なることで、「受診したくてもできない」現実が生まれています。

介護者視点:業務負担と心理的支援の両立
現場での主な課題
・認知症利用者の感情変化に対応する時間が増える
・精神科医の助言が得られず、職員判断で対応せざるを得ない
・医療との情報共有が部分的で、全体像を把握しにくい
オンライン診療による改善
・介護現場から即時に医師へ相談可能
・利用者の状態をリアルタイムで共有
・医師の診察が効率化し、迅速な対応が可能に
・職員の心理的負担が軽減される
これにより、介護者は「孤独な判断」から解放され、より安心して介護業務に専念できる環境が整います。
家族視点:離れていても感じられる安心
家族の抱える不安
・「本当に母は適切なケアを受けているのだろうか?」
・「施設任せにして申し訳ない」
・「仕事があり診察に同席できない」
オンライン診療の利点
・家族も診療内容をオンラインで確認できる
・医師・介護者・家族が同じ情報を共有
・治療方針や薬の内容が可視化される
この仕組みにより、“離れていても見守れる介護”が実現します。
地域視点:医療資源の偏りを埋める鍵
日本では、都市部に医師が集中し、地方では精神科医が不足しています。
オンライン精神科診療は、この地域間の医療格差を縮める大きな力になります。
地域医療の新しい形
・地方でも専門医の意見を受けられる
・複数施設が医療ネットワークで連携
・ICTを活用した地域包括ケアが推進される
この流れは、医療・介護・地域が循環的に支え合うモデルの実現に近づく一歩です。
課題と今後の展望
現状の課題と今後の方向性を整理すると、以下のようになります。
介護者:医師への相談が難しい → オンライン相談で即時対応が可能に
高齢者:通院や診察への不安 → 自施設内で診療を受けられる安心感
家族:情報共有の不足 → 家族も同席できるオンライン診療で可視化
地域:精神科医の偏在 → 遠隔連携により医療格差の是正
これからの介護現場では、医療・介護・家族を「一つのチーム」として結ぶ発想が不可欠です。
オンライン診療は、そのチームを支える“デジタルの絆”になるでしょう。
結論
オンライン診療が介護の未来をつくる
介護者として見ると、オンライン精神科診療は単なる技術の導入ではありません。
それは、「医療と介護の垣根を超えた共生モデル」を形づくるものです。
高齢者の心に寄り添い、介護者の負担を減らし、家族を安心させ、地域全体の医療を支える。
このサービスこそが、これからの超高齢社会における持続可能な介護の形だといえます。



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