高齢者とペットの“致命的な落とし穴”避難できず命を落とすリスクとは?

介護

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ペットの救命法普及めざす 

日本ペットBLS防災学会代表

2025/11/21 05:00

日経速報ニュース

ペットの救命法普及めざす 日本ペットBLS防災学会代表理事・山本大樹さん - 日本経済新聞
元消防士の山本大樹さん(44)は、救急救命士として2011年の東日本大震災、15年にはネパール地震の現場で救助活動に従事した。混沌の中で気がかりだったのは犬や猫などペットの命。飼い主にとっては大切な家族であるペットを救いたい。そんな思いから...

【この記事の内容】

介護現場で急増する“ペット依存”危険!あなたの家族にも起きる現実とは?

はじめに

介護分野における「生活世界の再構築」という視点

介護では、高齢者の生活世界(Life World)を再構築するという考え方があります。

これは「身体機能を支えること」が目的ではなく、“その人が日常をどう取り戻し、どう維持し、どのように安心を積み上げていくか”を中心に据える発想です。

この視点をペットとの関係に置き換えると、

・ペットは高齢者の生活世界を形づくる重要な要素

・心の安定や生活リズムを保つ自律支援のツール

・災害・緊急時には弱さを共有する

共弱性リスク」を抱える存在という構造が浮かび上がります。

ここに ペット救命(BLS)という新しい視点を加えることで、高齢者の生活世界をより安全に、より豊かに、そしてより自律的に再構築できる可能性が見えてきます。

【高齢者とペットの関係は「情緒的支え」から「生活維持の要」へ】

結論

高齢者にとってペットは、単なる癒しの存在から 生活維持の中心的存在へ変化しており、災害・緊急時も含めた包括的な支援が不可欠です。

理由

介護現場の経験では、高齢者は「自分が困ること」よりも “ペットが困ること”を恐れ、避難や支援を拒む傾向が強く見られます。

実際の事例

・施設入所を断る理由に「ペットと離れたくない」がある

・デイサービスを休む理由が「犬の体調」

・災害時に「犬を連れて避難できないなら車中泊でいい」と考える

・安否確認の際、ペットが見えないと不安が増大する

ペットは高齢者に安定をもたらす一方で、緊急時には 行動の制限要因となり“複合弱者化”を生むのです。

【ペット救命(BLS)が介護に与える示唆】

ビジネス思考での抽象化

ペット救命にある思想はシンプルです。

正しい知識がなければ、大切な存在を守れない」これは介護の構造と完全に一致します。

・介護:正しい知識・技術 → 自立支援

・ペット救命:正しい知識・技術 → 命を守る

・安全を確保する抽象化すると、知識の欠如は不安を生み、行動を止めるということです。

介護領域への転用

・高齢者の限界が来る前に「ペットケア支援サービス」を導入する

・ペットの急変時に対応できるだけで心理安定が大きく向上

・介護者がペット知識を持てば、信頼関係の構築が早い

・ペット同行避難の支援は、そのまま高齢者の命を守る支援になる

つまり、ペットBLSはペットのためだけでなく、高齢者の生活世界を支える新しい介護要素として機能します。

【高齢者が避難を拒む“ペット優先”の心理構造】

災害現場で「ペットのために避難を拒む」事例は多く、高齢者では特に顕著です。

高齢者の心境

・長年連れ添ったペットは家族以上の存在

・一人暮らしでは唯一の対話相手

・“ペットがいる”ことが生活の安定そのもの

・ペットを失うことは生活リズムの崩壊

・守れない自分を許せない(自己効力感の低下)

背景にある生活構造

・身体機能の低下で他者に頼らざるを得ない

・ペットは「自分が支える側」になれる存在

・ペットを守る行動が“自分の存在価値の維持”になる

そのため、ペットを守れない避難は「自分を否定する行為」に近く、自然と避難拒否につながります。

【介護者・高齢者・家族・地域の課題と対応】

介護者視点

課題:ペット対応の知識不足、避難同行のケアがない

対応:ペット基礎研修、ケアプランにペット要素を追加

高齢者視点

課題:ペットを失う不安、避難拒否、急変時の対応

不安対応:ペットBLSの活用、同行避難の事前計画、地域の支援登録制度

家族視点

課題:介護計画が“ペット中心”で進まない、緊急対応の不安

対応:ペットケア代行の利用、緊急預かり体制を家族で共有

地域視点

課題:ペットと高齢者を一体で支える仕組み不足、避難所ルールの曖昧さ

対応:自治体ガイドライン作成、地域ペットサポーター制度、避難所のゾーニング

【介護現場で起きているペット関連の課題】

・ペットが理由で施設入所が遅れる

・デイサービス欠席理由の1割がペット関係

・ペットの夜鳴きで高齢者の睡眠が乱れ、服薬管理にも影響

・訪問介護員が動物アレルギーの場合は対応が難しい

・ペットが家の中を移動して転倒リスク増加

・入院時にペットの預け先がなく治療延期

・認知症が進むと過剰給餌や世話忘れが発生

・鳴き声や排泄問題で近隣トラブル

すでに “介護とペット問題は切り離せない時代”です。

【ペット救命法(BLS)は高齢者の自立支援につながる】

ペット救命法を学ぶことは遠回りのようで、じつは介護の本質である自立支援を強化する行為です。

効果

・自己効力感が高まる

・災害時の避難がスムーズになる

・ペットの急変時でも取り乱しにくい

・地域のつながりが増え孤立が減る

結果として、心理安定 → 行動しやすくなる → リスク減少という良循環が生まれます。

【これからの「介護 × ペット」支援モデル】

◆1. ケアプランに「ペット情報」を組み込む

要介護者の生活を正確に把握するには、ペットも生活因子として扱う必要があります。

◆2. 介護者向けのペット基礎研修

噛まれた際の対応、アレルギー対策、ストレスサイン、同行避難の基本を学ぶ。

◆3. 地域にペット支援ボランティアを設立

災害時の一時預かり、日常の散歩代行、入院時の受け入れなど。

◆4. ペット同行避難訓練の実施

避難所のゾーニングやペットのストレス軽減方法を具体的に学ぶ。

【結論:未来の介護は「ペット」と「防災」が鍵を握る】

今後の介護を考えるうえで重要なポイントは以下の通りです。

・ペットは高齢者の生活世界を支える柱

・しかし災害時には一気に弱点へ変わる

・飼い主が救命・避難の知識を持つことが最終的に命を守る

・介護者・家族・地域が仕組みとして支える必要がある

介護のテーマである“生活世界をどう守るか”を考える際、ペット救命の視点は欠かせないものになっています。

これからの介護は、高齢者 × ペット × 地域支援 × 防災という四つの要素で再構築される時代に入っていくでしょう。

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