【知らないと危険】夜中に3回起きる高齢者ほど「早寝」をしている理由とは?

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夜間頻尿は「適正就寝時刻」

で改善? 

独自アルゴリズムで時刻を算出

2025/12/11 05:00

日経速報ニュース

夜間頻尿は「適正就寝時刻」で改善? 独自アルゴリズムで時刻を算出 - 日本経済新聞
夜中にトイレに行きたくなって目が覚める夜間頻尿に悩む人は多い。ある程度の年齢になれば1回くらいトイレに起きるのは当たり前だが、2回3回となると睡眠にも悪影響を与えるだろう。最近、「就寝時刻を適正にしたら高齢者の夜間頻尿が改善した」という興味...

【この記事の内容】

9割が誤解?高齢者の夜間頻尿が治らない原因は「19時就寝」だった

はじめに

介護分野では昔から、「生活リズムを整えることで、心と体の負担を軽くできる」という考え方があります。

これは、特別な治療や我慢を強いるのではなく、毎日の暮らし方そのものを見直すことで、結果的に状態が良くなるという発想です。

高齢者の夜間頻尿も同じです。

年を取ったのだから仕方がない」「薬で抑えるしかない」と考えがちですが、実は就寝時刻という生活リズムを少し調整するだけで、改善する可能性があります。

介護者として大切なのは、「早く寝かせる=良い介護」という思い込みを一度脇に置くことです。

そして、高齢者一人ひとりの体内リズムや一日の過ごし方に目を向け、その人に合った就寝時刻を考える視点を持つことが重要になります。

夜間頻尿は「老化だから仕方ない」問題ではない

結論から言うと、夜間頻尿は加齢と関係はありますが、老化だけが原因ではありません。

特に影響が大きいのが、毎日の生活習慣、なかでも就寝時刻です。

介護現場では、「夜に何度もトイレに起きるのは高齢者なら当たり前」と受け止められがちです。

しかし実際には、年齢が上がるにつれて夜間に排尿で起きる人は増え、2回以上起きる状態になると、睡眠の質が大きく下がることが分かっています。

睡眠の質が下がるとどうなるでしょうか。

夜中に何度も目が覚めることで、転倒のリスクが高まり、せん妄が起こりやすくなり、認知機能の低下にもつながります。

これは結果として、介護者の夜間対応が増え、介護負担そのものを重くしてしまいます。

高齢者が「早く布団に入ってしまう」背景

多くの高齢者は、悪気なく早寝をしています。

たとえば、

若い頃のように眠れないから、早めに布団に入っておこう

夜は特にやることもないから横になっている

昼寝をすると家族に迷惑をかけそうだから控えている

といった思いです。

こうした気持ちが積み重なると、必要以上に長い時間を布団の中で過ごすことになります。

その結果、まだ体が本格的に眠る準備ができていない状態で横になり、眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚め、トイレに行きたくなるという悪循環が生まれます。

「適正就寝時刻」という新しい考え方

ここで注目したいのが、「適正就寝時刻」という考え方です。

これは単に「遅く寝る」という意味ではありません。

その人が最も中途覚醒が少なく、まとまった睡眠を取りやすい時刻を見つける、という発想です。

ある研究では、高齢者の普段の就寝時刻は21時半前後でしたが、実際に体のリズムを分析すると、22時過ぎに寝たほうが夜間頻尿が減るケースが多く見られました。

たった40分ほど就寝時刻を遅らせただけで、夜中のトイレの回数が約1回減り、夜間の尿量も大きく減少し、本人が感じる睡眠の質も良くなったのです。

専門用語をかみ砕いて理解する

ここで使われる専門用語は、難しく考える必要はありません。

たとえば「HUS」とは、寝てから最初に目が覚めるまでの時間のことです。

この時間が長いほど、「ぐっすり眠れた」と感じやすくなります。

また、メラトニンというホルモンは眠気を促すだけでなく、膀胱に尿をためやすくする働きがあり、夜間頻尿と深く関係しています。

さらに、抗利尿ホルモンは夜間の尿の量を抑える役割を持っています。

適正な就寝時刻で眠ることは、これらのホルモンが本来のリズムで働く手助けになる、と考えられています。

ビジネスの発想で考える就寝時刻調整

ここで、ビジネス転用で考えてみます。

業務効率が悪いとき、単純に仕事量を減らすのではなく、「やる時間帯」や「順番」を変えることで、成果が上がることがあります。

介護も同じです。

夜の水分量を無理に減らす、排尿を我慢させるといった「量の調整」ではなく、排尿が集中する時間帯と睡眠の時間帯をずらすという「時間の設計」が重要になります。

これが、介護現場で応用できる「時間設計型ケア」という考え方です。

介護の現場で起きていること

現場を見渡すと、19時消灯が当たり前になっている施設や、「転倒を防ぐために早く寝かせる」という単純な対応が今も多く見られます。

また、排尿回数ばかりが評価され、睡眠の質そのものがケアの指標に入っていないケースも少なくありません。

これらはすべて、生活時間の設計が十分に意識されてこなかった結果だと言えます。

介護者として今日からできること

夜間頻尿への対応は、「トイレの回数」だけを見るのではなく、「一日の過ごし方」と「就寝時刻」をセットで考えることが大切です。

いきなり大きく変える必要はありません。就寝時刻を15分から30分ずつ調整し、日中の活動量を少し増やし、夕方以降のうたた寝を減らすだけでも違いが出ます。

排尿の記録と睡眠の様子を一緒に振り返ることも、非常に有効です。

まとめ

高齢者の夜間頻尿は、単なる老化現象ではなく、生活リズムのズレから生じる構造的な問題です。

介護者に求められているのは、「早く寝かせる介護」から、「その人に合った時刻に寝てもらう介護」への転換です。

就寝時刻を見直すことは、高齢者の尊厳を守り、家族の負担を減らし、介護現場の夜間リスクを下げ、地域全体の支援の質を高めます。

介護とは、時間を整える仕事でもあります。その第一歩が、就寝時刻を考え直すことなのです。

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